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色んな世界

「統合失調症を完璧に治す」

それが10代のわたしの生きる目標でした。

統合失調症さえ根絶してしまえば幸福な日々が待っている。

そう信じていた。

というかそう思わないといけないと思っていた。

そして現在20代も後半に差し掛かってきた、今。

「正直、病気なんて治さんでもいい」

そう思っている。

なぜこんなにも正反対な考えに変わっていったのか?

それは多くの経験を積んで、理解したからだ。

病気でも幸せは手に入るってことに。

病気は別に邪悪なものではない。

もしかしたら、神様からの贈り物なのかもしれない。

そう思うぐらい病気に対する意識は変わった。

病気になると人は大抵、病気に意識を向けすぎる。

病気の苦しい症状にばかり気を配り、その時目の前を通過する「楽しみ」や「喜び」なんていう人生の宝物を見ることさえしない。

病気になった瞬間に世界が灰色に見えることはある。

でも、本当に灰色にはなっているわけはない。

自分がただ灰色の色眼鏡をかけてしまっているだけだ。

だから、灰色の世界に見える。

本当の世界は極彩色に輝いている。

黒、赤、青、白・・・さまざまな色が混ざっているのが現実だ。

そんな灰色の色眼鏡はさっさと捨ててしまえば世界の美しさに気づける。

日々の何気ない日常は悪いことも良いこともどっちも存在する。

要はどっちを見るかだ。

病気の苦しい灰色の世界を見るか?

病気以外の美しい極彩色の世界を見るか?

その見方一つで幸福かどうかが決まる。

わたしは13年間どっちも見てきた。

統合失調症を発症して世界が真っ黒になったことがある。

病気を治そうとひたむきに頑張って血反吐を吐く思いをした夕方の空は赤かった。

病気に対して治療を諦めて死にたくなった夜明けの空は青かった。

そして今世界を真っ白な画用紙に見立ててどうやって自分らしく生きようか?前向きに考えられえるようになった。

そんな感じにいろんな色の世界を見てきた。

だから、わかる。

病気のあるなしでは人生の輝きは決まらない。

自分がどんな状態でも「幸福な世界」を見たいと思えば、そう願えば、きっと幸福な日々を送れると。

あなたは今見たい世界を見れていますか??


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