瀬戸内海の小さな島から20年後の地方都市の生き方・働き方を予言する

こんにちは。
「人生は所詮、思い出づくり。」いえしまコンシェルジュの中西です。
大阪から瀬戸内海の離島家島(人口2800人)に移住し、観光ガイド、特産品の企画販売や空き民宿を譲り受けてうみのいえの運営、カフェの運営をやっています。
ーーー余談1---
特産品の販売でいうと、今の時期、牡蠣がめちゃくちゃうまいっす。
身は小さいけれど、殻の中にパンパンにつまっています。
ぜひご賞味ください→こちら
あと、家島の天然塩はサイコー→こちら
ーーー余談2---
✳このnoteは最後まで無料で読める投げ銭制です。
今日書くことには自信があるので1000円にしています。現時点で「そう思うぞ!」あるいは何年後かに見て、「確かにそうなってるぞ!」と思った方はぜひおひねりを。
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2011年、僕が家島に移住した理由は「今後の人口減少社会の行く末である、すでに人口が減少している離島に身をおきたい」そして、「そこで生きていくことはこれからのモデルケースになる」という思いから。
そのため、僕の最大にして唯一のミッションとしていたことは「自分の身ひとつで稼ぎ、とにかくこの島で生きていく」。
移住して10年近く経ってわかったことは、なんとなく生きていくことはできる。
恥ずかしながら、冬になるとめちゃくちゃやりくり厳しいけれど、妻1人子ども2人となんとなく毎日やっていけている。
たぶん、この先もなんとなくやっていけるだろう。
当初のミッションを達成した今、思う事は「日本は、社会は、本当にこの先どうなっていくのだろうか」ということ。
人口が減少しはじめたぞと言われた家島の人口は10年でおよそ半分になった。
あのトヨタでさえ、終身雇用は難しいんじゃないかと言った。
いよいよ、これからの生き方・働き方が大きく変わる時代が来た。
そこで、10年先を見てきた僕が20年後の東京以外の地方における生き方・働き方を予言する。

超巨大資本以外の企業は終わる。

まだまだ人口が減り続ける家島の未来を考えたときに、必要となるもの。
それは小さいニーズを満たす小さな事業。
この人口規模(人口予測では2040年に1000人ちょっと)で、低価格で画一的な良質なサービスを受けられるわけがない。
少し高価格でもそこにあるニーズを満たすことができる事業。
一人の事業主とその家族がなんとなく生きていけるぐらいの売上(ex月50万/利益率が良ければ月40万)を上げられる事業が主になる。

小さな事業主が集まり、一つのまとまりとなって「企業」という形をとる。
そこで必要となるのは、会計やホントに一部の法務であるバックオフィス。
一人ひとりが主体となった小さな事業主の集まりなので、基本的には管理も人事も必要ない。
人事異動なんてあるわけない。
急な欠員をどう対処するかという計画は必要だと思うが、それも相互扶助あるいは育成・アルバイトで賄える。
各事業主から「企業」への売上の一部を納めたお金で、統括的なバックオフィス業務、先の育成や新しい事業への投資・試験的な事業実施が可能になる。
事業主同士が空き時間を利用して、新たな事業を始めることもあるだろう。
一人の事業主とその家族がなんとなく生きていけるぐらいの事業が100個あれば、その家族を含めて300人が生きていくことができる。
その300人が同じ地域に暮らすので「地域社会」になる。
「企業」と「地域社会」がほぼ一体となる。
もし、行政が崩壊していれば「企業」が公共サービスや福祉を担うことにもなる。

一人ひとりが稼ぐ力を持った事業とその集まり。
人口が減少する日本社会の中で、地方都市における暮らしを維持する方法としてはかなり現実的で理想的だと思う。
この実現に一番大切なことは、「何にお金を使うか」ということをある程度、事業主あるいは地域社会の中で共有し、実際にその通り使われる必要がある。
一人ひとりが好き勝手に地域外にお金を使うと、おそらく成り立たない。
同じ企業・地域を支え合う仲間として、多少都会と比べて金額が高くても仲間のところを利用する。
そういった”おおやけの意識”あるいは”当事者としての意識”が必要だろう。

家島では実際に、100個の小さな事業を興すことを目指している。
実現できればかなり面白い。
ただし、残念ながら、今の家島では”当事者意識””おおやけの意識”はかなり薄い。
実際にこれまで、好き勝手に地域外にお金が使われてきた印象を受ける。
お金がたくさんあった時代はそれでも成立したが、これからは違う。
衣食住だけでなく、教育や交通にも”おおやけの意識”が欲しい。
この20年の間に死に絶える人たちに、それがなくても仕方ない。
これからを共に生きていく人たちと育てていきたい。

大きな企業に属せば、死ぬまで無事に生き延びる時代は終わる。
”誰か”におんぶに抱っこではなく、一人ひとりが事業主として事業を回し、支え合う社会。
「生かし合う」とも言える。
これから10年をかけて、家島でチャレンジしたい。

いえしまコンシェルジュ 中西和也

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