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さいたまマラソン2024出走記

2024/2/12(月・祝)に行われたさいたまマラソンの出走記を残す。


当レースの目標

●が達成項目。
○が未達成項目。

  1. ⚫︎2時間50分切り。

遂にサブ50を達成した。
今日は自分を褒めてあげたい。

当レースの結果

グロスタイム: 2時間49分02秒
ネットタイム: 2時間48分42秒

グロスでもサブ50を達成することができた。
さいたまマラソンは公認レースなので、正真正銘の2時間50分切り。

ただただ嬉しい。
他に形容する言葉はない。


30歳代男子!

レースの準備

前回の反省点。
ぐんまマラソンの出走記に書いた7つに対応させて今回やったことを書いていく。

1.練習だけが準備ではない。
2.慣れないことへの感度を上げる。
3.アドリブはなかなか効かない

対応

この3つに関しては、当日の思いつきでレースプランを変えないという対応をした。
私はマラソンビギナーだ。
素人に毛が生えたレベルのひよっこが当日思いつく策など九割九部愚策だ。
フルマラソンはそんなに甘い競技ではない。


4.自分を信じるのはいいが、過信はしない。
5. PB更新に囚われず、その日の総合的なコンディションをもとにレースプランを変える余白を作る。

対応

これは上の3つと似ているが、過信せずに等身大の目標プランを作った。
これは厳しいがこれはいけるだろう。といった感覚の話はここで加味した。
タフなコースという事前情報は入れていたので、自分が理解している自分自身の実力を一回り二回り上回る結果は見込めないことは分かっていた。
その中で、どの水準を満たせるか。
今の自分はどこまでいけるか。

コース攻略というよりは、自分がこのコースをどのように走るのか。どのように味わうのか。
そういったことを考えた。

こういった勝負事におけるハック的な発想はあまり好きでは無いので、どう立ち向かうかを真剣に考えた。


6.走行距離のピークはレースに合わせてなるべく手前で調整する。
7.レース前の1-2週間は勇気を持って脚を休める判断を増やす。

対応

11月, 12月は月間300kmを下回り、積み増しが少ない状態で1月に約350km。
直近は付け焼き刃ではあるが、夏場に走り込んだベースがあったので著しく力を落とした実感はなかった。

1/22週: 83km
1/29週: 59km
 2/5週: 32km

と、ぐんまマラソンよりキツめに傾斜をつけて走行距離を落とした。
その代わりにウォーキングを取り入れて歩行数は著しく落とさないようにした。
普段はリモートワークのため、ランを封じると買い物以外でほとんど外を歩かないことになる。
それはなんだかただただ不健康なので、ウォーキングで補った。

また、2/5週はほとんどをAltraのEscalante Racerというゼロドロップの薄底シューズを履いて過ごした。
厚底の恩恵を感じやすくするために、助力のない接地感重視のシューズで足裏感覚を養ったのは効果的だったと思う。

このシューズで速めに歩くとお尻へダイレクトに疲れが来るので、走って楽していた部分を鍛えられた気がする。
走るより歩く方が動作を丁寧に確認できるので、フォームに悩んだときは見つめやすくていい。

そう、あとはストレッチとスクワットを日課にした。
お尻が人より小さいのでケツで走れるように自重で鍛えた。
これも効果的だったように思える。
真下接地をした時の反発を受けやすく、自然とストライドが広がった。
ストライドを広げようと走っていないので、ピッチもキープしやすくなる好循環が生まれた。

装備まとめ

シューズ

BROOKS: Hyperion Elite 4

ウェア

  • キャップ: milestone | original cap(MSC-017)グレー×オレンジ

  • トップス: 参加しているランニングクラブのスリーブレスTシャツ

  • ボトムス: NIKE | レーシングタイツ Dri-FIT ADV Aeroswift

  • ソックス: RETO | SPORTS SOCKS(ノーマルタイプ・ビッグロゴ)

  • アームカバー: CW-X

  • 手袋: RxL | メリノウールグローブ

サングラスは家に忘れたので今日はなし。

10km地点付近の元気な私。

補給食

●がカフェイン入り。

15km付近: ダイトー水産 オレは摂取す ENERGY(ピーチ味)
25km付近: ●マグオン(ピンクグレープフルーツ味)
35km付近: VESPA HYPER(はちみつ味)

エネルギー切れを感じることなく、ジェル2つとサプリ1つで乗り切れた。

レースの振り返り

前日

前日から振り返っていく。

三連休最終日のレースということで、比較的調整しやすかった。
ぐんまマラソンは三連休初日。
前日の仕事からのスイッチ含め、バタバタとして切り替えが曖昧な状態で向かってしまった。
当時は切り替えたつもりだったけど、そこも含めて難易度が高かった。

今回のさいたまマラソンは土日をソワソワして過ごすことにはなったけど、しっかりと準備に充てることができた。

昼夜と食欲が旺盛だったので、ご飯を一合ずつ食べた。

薄底シューズで軽く散歩して、22時には就寝した。
禁酒の副次効果として、夜に手元無沙汰となり早く寝やすい。


当日の朝

5時にかけた目覚ましとともに起きた。

餅を2つ焼き、みたらしのタレをかけて食べた。
おはぎとかもいろいろ試したけど餅が一番相性良い。

余裕を持って家を出て7時15分にはさいたま新都心駅に着いた。
ランニングクラブの仲間と合流し、会場であるさいたまスーパーアリーナへ。

去年GLAYのライブを観たさいたまスーパーアリーナから走るなんてね。
しかもその日の朝は走ることから逃げたくて上尾シティハーフマラソンをDNSした。
人知れずエモくなりながら着替えた。

着替えてトイレを済ませて、レース前の補給を。

  • VESPA EX-80

  • オキシアップ

  • Catalyst Zone

はちみつと鉄分とカフェインで集中力と鉄分量を高めた。

8時20分過ぎに整列する。
100均で買ったレインコートを羽織っていたので寒さはそこまで感じずに済んだ。


スタート~10km

15000人規模のレースなのでスタート直後は混み合う。
安全第一で適度に合間を縫いながら前へ進んでいく。
もう少し遅れを取ると予想していたが、意外と良い滑り出しだった。
5km地点までは速度帯の合わないランナーを交わしながら前へ進むことになったが、集中できていたからかストレスはあまり感じなかった。

ロング走で時たま通るエリアなので、少し土地鑑があって楽しい。
多少ある起伏を楽しみながら進んでいった。


10km~20km

10km地点過ぎにある有料道路が最初の難関。
さいたまスーパーアリーナから埼玉スタジアムへ向かっていくコース。
それぞれの場所は分かるが間の道は完全に未知。

有料道路は噂通りの坂道だった。
しかし序盤で体力十分だったので楽に進めた。

ランニングチームの応援団が構えていくれていたので元気をもらってむしろプラス。
こういう難所での応援は、ただでさえ嬉しいのにより一層ありがたい。

有料道路を降りたあとは陸橋をまた越えて埼玉スタジアムへ向かっていく。

快調に走れていたこともあり、補給するのを忘れていた。

15kmあたりで1つ目のジェルを補給。
俺は摂取すのジェルはさらさらで飲みやすいのが好み。

埼玉スタジアム付近で一回目の折り返し。
サブ3ペースで巡航する仲間とエール交換。
ここからほとんどスライドとなり、仲間たちと定期的に励まし合いながら走れた。


20km~30km

いつになく平常心で走れてきた。
力むことなく、シューズのスイートスポットを押さえながら走れていた自覚さえある。

調子がいいときはシューズが「ここだよ。」と教えてくれる。

程よく前傾姿勢を保ちながら、母指球の後ろ辺りにあるポイントへの踏み込みをただひたすら繰り返す。
日常的に取り組んでいたスクワットの効果が大きかったように思える。

今回は自分らしくネガティブスプリットで刻んでいこうと思っていたので、少しだけペースを上げる。

25km地点付近で2つ目のジェルを摂る。
俺は摂取すに比べてマグオンはこってりしているので少し咽せた。
カフェインの主張を感じてしまい、このタイミングでの補給は失敗だった。

第二折り返し地点で仕切り直して進んでいく。


30km~35km

いよいよ30km地点。
この辺りからは記憶が怪しい。

集中力を削ぐには十分なアップダウンのあるコースをひたすら進んでいく。
少し前を走っていた集団から人が溢れてくる。
やっぱみんなここからキツくなるよね。

脚がよく動いていたので、メンタル的には余裕があった。
左足裏が攣りそうな感覚はあったものの、これは大丈夫なやつだなという体感もあったのであまり気にならなかった。
太ももやお尻など、大きい筋肉に不安がないのはそれだけで安心材料だ。


35km~フィニッシュ

この辺りから頭がおかしくなってきた。

35km地点を過ぎ、残り7kmを切ったとき、紫色の"7"が頭の中でブレイクダンスしだして吐きそうになった。
ワードアートみたいなやつがぐるぐる華麗に舞い始めて最悪だった。

これでは集中して走れない。
集中切れのために持っていたVESPA HYPERをキメて乗り切りを図る。

身体が覚醒する感覚を覚える。
野生に還るような、獲物を追うような。
はちみつってすごい。
脳の奥底のリミッターが解除された。

そのあとは虎のような何かがまた降りて来そうになったが、そこでレイザーラモンHGがセイセイセイと制してきたのを覚えている。
「今じゃないですよねえ!?」と何故か敬語なのが不快だった。
全て私の頭の中での出来事だ。

身体もメンタルも快調だったが頭がイカレるとは思わなかった。

そして差し掛かる37km地点。
このコース一番の難所・新浦和橋。

応援団の姿を見て我に返る。
そしてタイムを気にする。
このまま脚を動かし続けられれば目標のサブ50はいけそうだ。

半ば勝利を確信すると、若干ペースが落ちてきた。
人間は弱い。
やはりあの時レイザーラモンHGを押し切って虎モードに入っていた方が良かったのだろうか。

イカレた頭でタイムを計算しながら走る。
号砲からスタートまでに少し時間かかったから、グロスタイムでもサブ50できるように最後まで振り絞ろうと切り替えた。

後半はありがたいことに下り基調。と思ったけど今マップを見るとアップダウンがあったようだ。
大きな上りを乗り越えた先だったので、小さな上りへの感度が低くなっていた。

確実に近付いているさいたまスーパーアリーナ。
しかしなかなか会場内に辿り着かない。
焦らされながらも最後まで振り絞ってフィニッシュ。

特に涙も言葉も出なかった。
今シーズンの目標だったサブ50を達成できた。


翌日のダメージ

もちろん筋肉痛はあるものの、普通に歩けるくらいのダメージだった。
脚を引きずることもなければ、立ち上がるときに悲鳴を上げることもない。

これはシューズとの相性のおかげな気がしている。
NIKE VFN%2でハーフマラソンを走るよりダメージが少ないような体感さえある。

BROOKS Hyperion Elite 4、私にはこのくらいの反発と優しさのバランスがちょうどいい。

ミッドフットでの接地と乗り込みさえ気をつけていれば自動走行モードに入ってくれるような印象。
余裕度を保ちながらマラソンペースで巡航し続けるためにこのシューズを選択したので、狙いにハマって嬉しい。
私くらいの走力帯の方にはハマると思う。


コースについて

とにかくタフなコースだという話はエントリー前から聞いていた。
まあ、とはいえ地元埼玉のレースなので、なんとなくコースのイメージは膨らませやすかった。

YouTubeでコース紹介動画やレース動画をたくさん見て、レース戦略とイメトレを何回もした。

そこまで大きな坂はないが、たしかにアップダウンは多い。
常にあるアップダウンは広い目で見れば波に過ぎない。
そういうもの。として頭にインプットして臨んだ。
ものは言いようだし、捉え方は自由。

実際アップダウンはたくさんあった。
でもそんなことは知ってエントリーしている。
私はそれを言い訳にはしたくなかった。
そんなことわかった上でこのさいたまマラソンを勝負レースに設定した。


反省(勝因分析)

レース戦略

基本イーブンで、後半上げられたら上げる。
前半は攻めず、後半も攻めずに乗るイメージで。

散々予習して構えた今回のレースプランは最終的にそんな解像度のプランに落ち着いた。
余計なことは考えず、淡々と前へ進むことを選んだ。

ここ最近は時計を無視してラップの通知もしないようにして走っていたが、レースは時計を味方につけて3'57"~4'02"/kmでペース設定をして走った。


振り返ってみると、レースプラン-8秒でフィニッシュ。いい答え合わせができた。

範囲外のペースになると振動だけするように設定していたので、ピーピーうるさいこともなく、余裕のあるときには気付けるというちょうどいいペースメーカーとして機能してくれた。

振動で気づいたときに確認する、それ以外は見ないで済む。という都合のいいペースメーカー。

数字に惑わされることなく、尚且つ身体のメッセージを優先できたので私はこのくらいの距離感でランニングウォッチと付き合うのが適切なことがわかった。

心拍数もノイズ情報となるのでレース中は一切見なかった。


ネガティブスプリット

  • トータル: 2:49:02

    • 号砲からスタートまで: 00:00:20

    • 前半: 1:24:36

    • 後半: 1:24:06

後半の方が30秒速いネガティブスプリットでレースを進捗させることができた。

調子よく走れた ちばアクアラインマラソン と とくしまマラソン もネガティブスプリットだったので、今回もそうしたかった。
ネガティブスプリットを狙うというよりはネガティブスプリットで進行できるようなペース設定で前半をやり過ごすことが必要だった。


満足度の高いラップ。これで飲める。

集団走はオプション

基本的にスピード強化練習であったとしても一人で取り組んできた。
練習会への参加率は、今シーズンは極めて低かった。
グループランなどジョグやイージーペースに近いものは人と走ることもあったが、基本的には一人で取り組んできた。

そのため、「良い集団が見つからなかった。」といったメンタル的なヘコみが一切なかった。
自分の走りができていれば良い集団の存在はマストではないし、良い集団がいるのであればそれはプラスに働いてくれる。
良い集団がいる状態はフラットではなくプラス。ようはオプション。

そんな意識でいけたので、無理にペースを上げて前の集団に追いつくこともせず、たまたま一緒になった人のペースに乗り込んで楽をするくらいで人を意識して走らなくて済んだ。

レースの話とは逸れるが、人の力を借りなくてはいけない強度の練習はしたくないし、それは必要ないと考えているので、今後も練習会へ行く際はスタンスを崩さず淡々と取り組みたい。


入浴とストレッチ

ほぼ毎日湯船に浸かって身体を温め、寝る前はストレッチをかかさずやった。
時間がなくてもなるべく湯船に入った。
家の中における、費用対効果の高い課金ポイント第一位は入浴だと考えている。

ストレス緩和にもなるし、気持ちいいし、身体ほぐれるし。
結果的に睡眠の質を上げることにもつながるので、マラソンシーズンは特に今後も毎日入浴しようと思う。


おわりに。

6000文字を超える出走記になってしまった。
語っても語っても溢れてくる。

今回は挫折も準備も全部含んだ自分の人生の中でも大きなプロジェクトかつ成功体験だった。

全体的な振り返りはシーズン全体の振り返り記事でやりたいと思うが、もうこの出走記で書けてしまったような気もしている。

やりきった実感とともに、また来シーズンへの熱意が湧いてきたので今後も懲りずに走っていこうと思う。

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