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全部ひっくるめての自分であること 〈思いを伝えてみること〉

両親との関係のことでとても悩んでいた頃、最初の方で紹介した斎藤学先生以外で、参考にしていた本です。
『心の傷を癒すカウンセリング366日 -今日一日のアファメーション』 西尾和美:著
 
一日ずつ、アファメーション(自分を肯定する言葉)が書かれています。
機能不全な家庭で育った子どもは、家庭の中で思いやりある健全な人間関係を習うことができないで育つ人が多いかと思います。
トラウマ治療などの専門家である西尾和美さんはこの本のまえがきで、
“育った家庭や、学校や職場で習うことのできなかった健全な人生のあり方、コミュニケーションの仕方、人間関係の持ち方を気づかせ、教えるのがこの本の目的です”と書いておられます。
 
もしも家庭の中で健全なコミュニケーションがない場合でも、他の身近な人との間で親しいコミュニケーションがあるとセーフティーネットになると思うので、もちろん一様でないと思います。
私自身はというと、気づいたら自分をいつも否定してしまう考え方のクセが強くありました。自分を肯定すること、自分で自分を大事にする方法を知らずに過ごしてきてしまったと感じていました。
 
“自分で自分を大切にすること”
“ありのままの自分を受けとめ、肯定していくこと。自分で自分を癒していくこと”
そのことについてが書かれていると思います。
こころ・感情のこと、からだのこと、家族や他人との関わり方、仕事や現実面のこと、自分らしく生きるための生き方についてなど、いろんな角度からの西尾さんのメッセージが書かれています。
自分のこころとからだを大切にし、自分の人生を生きる方へと進んでいこうとするとき、言葉がヒントと支えになってくれると思います。

6月15日
自分が憎ければ、人を愛せません

 自分は生きるのに、あたいする人間です。
 自分は、自分のままでいいのです。
 自分は愛するに、あたいする人間です。
 自分は、自分の居所をつくっていいのです。
 自分を、うんと好きになります。


 自分をむやみに罰していませんか。自分を軽蔑していませんか。
 自分を嫌っていませんか。
 心の深い傷を放っておくと、自己を憎むようになってしまいます。自分が憎いと、人を愛することができません。
 他人をねたみ、憎むことで、なんとか自分をもちあげようと無意識に努力をしますが、憎しみはますますつのり、孤独へと追い込まれます。
 自分の心の古い、深い傷を癒すのが、まず最初です。
 心の傷を受けたのは、自分のせいではないのですから、自分をやさしくいたわってやりましょう。
 自分を憎しみ、罰し、軽蔑し続けるのはやめましょう。

『心の傷を癒すカウンセリング366日-今日一日のアファメーション』西尾和美:著 より抜粋


またこの本も参考になりました。
 
『毒になる親』  スーザン・フォワード:著
 
“毒親”っていう言葉をちょくちょく聞くようになりました。
“毒親”という言葉に対して、親のことをそんなふうに言うなんて、という意見がどちらかというと多いかもしれません。
けれど、愛の反対は「無関心」だと言われるように、親との関係に葛藤し苦しむ人の多くの、根っこにあるのは、もっと愛されたかった、認めてもらいたかったという思いなのかと私は思います。親に対する愛情がある分、余計に葛藤が深いかと思います。
(また肉体的または精神的虐待などの問題を抱える人もいると思います。)
多くは非難したい気持ちよりどちらかというと、自分自身をきちんと見つめたい、親との関係を癒し自分の人生を生きていきたいという気持ちを持っている人たちではないかと思います。
 
親との関係の深い葛藤を抱え生きてきた人に対して、どうしたら苦しみから抜け出し自分自身の人生を生きられるようになれるか、自分自身と向き合うときに支えになってくれる本だと思います。
両親に対して、対面して思いを伝えることや手紙を書くことなど、具体的な提案があり参考になりました。実際、私もこの本などを参考にして、手紙で思いを伝えてみました。
私は「手紙を書くこと」そのものより、自分自身に向き合う作業が心底つらかったです。多くの人は自分が本当に感じていることを、なるべく見ないようにして生きているのかもしれないと思います。
しんどい作業だったので、居心地いいカフェなどでお茶を飲みながらやっていました^^
 
手紙で思いを伝える、または話し合いの時間をつくる。
どういう結果になろうとも、行動をすることで、まず自分の気持ちが変わっていくのだと思います。
私は手紙で思いを伝えたことで、それだけで気持ちがすっと軽くなりました。



その他。よかった本の紹介。
 
本のすごいところは、心底つらいとき、こころに寄り添ってくれるところ。
理解者がいない、話ができる人がいないというのは、やはり寂しくとてもつらいことです。それでもこころに寄り添ってくれる本があることで、私はどれだけ救われてきたことかと思います。
暗闇の中でひかりが見えるような気持ちになります。
ずっとくり返しくり返し読む本がありますが、そういう本は傍ににあるだけでほっとするようなお守りです。
松浦弥太郎さんのこの本から、慰めや勇気をたくさんいただきました。
 
『泣きたくなったあなたへ』 松浦弥太郎:著  PHP



サルスベリ。あっという間に夏は過ぎ、冬は目の前で焦るけれど、ひとつずついこう