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雑感71 任せる

 雑感70で、山野辺の道のことを書いた。 

 ここにある同行者は、夫である。読み直して、わたしもずいぶん変わったと思った。
 計画を立てて、地図を読み、人を先導する役を、昔はしていた。親からも任されるほどに。
 結婚してからも、しばらくは夫を先導していた。いつから、わたしは前ではなく、後ろを歩くようになったのだろう。
 きっかけは子育てだと思う。いつも前を歩いていられないから。
 でも、それだけではないはず。夫の後ろをついていくのは、体力的にも気分的にも楽だ。
 それは、たぶん幼い頃の記憶につながる。
「こっちよ。安心していらっしゃい」
 差し出された母の手を取りに行く幼子のわたしと、ただついていくだけの今のわたしの姿が重なる。

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