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雑感77 終活を考える

 そろそろ人生の終わり方を考える時期が来たかもしれない。ときどき、そんなことを思うようになった。
 平均寿命からみれば、まだまだ先は長いようだけれど、体力や気力を思えば、それほど長くはないようにも思える。
 目下の終活として考えているのは、断捨離。1つには、雛人形である。わたしの雛人形は祖父母の形見でもあって、結婚する時に処分することができなかった。今も旧暦の節句に合わせて飾っているけれど、出し入れが面倒なうえに、いつまで飾るのか迷っている。切りのいい歳で止めようと、漠然と決めていたけれど、それもまたズルズルと延ばし延ばしにしてきた。
 思い出のモノは、なかなか踏ん切りがつかない。過去のことがとても幸せであったかといえばそうでもないのだけれど、モノが無くなってしまえば過去が消えてゆくように思えるのが心もとないのかもしれない。自分の記憶に自信がなくなってからは、特に。
 自分の身体が動くうちは、将来の不安が小さいから「大丈夫」という気分の方が勝るけれども、身体に不安が出てくると、先が見えてきそうな弱気が襲ってくる。
 終活というのは、体力・気力と弱気の天秤なんだろうと思う。こうやって自分を天秤に乗せるのが老いなのだとしたら、小さな諦めがついてくるだろうか。天秤に乗せられるうちが華だと、人生の先輩方からは笑われそうだが。
 

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