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【高校生芸人から‟プロ芸人”へ】関東を代表する高校生芸人サイダー&フライドポテトの集大成!「JUNK~高校生芸人卒業編~」に行ってきた

3月26日(火)桜の開花を迎えた頃、中目黒GTホールにて「JUNK~高校生芸人卒業編~」が開催された。

JUNKとは?

JUNKとは、高校生芸人コンビの『サイダー』と『フライドポテト』の2組のみが出演する‟ツーマンライブ”。約一年前に中野で行われた前回からキャパを増やし、今回は150名の観客を迎え入れた。

150名とは、どのくらいの規模なのか。

参考程度に東京にあるよしもとの劇場と比較すると、ルミネ座よしもとが458席、ヨシモト∞ホールが282席。

何年もやっているプロ芸人が苦労して埋める規模の半分を駆け出しの高校生芸人2組で満員にしたのだから、なかなかの快挙だ。

2組は日頃、都内で行われているお笑いライブでもプロ芸人と対等に戦っているほか、夏にはよしもと主催の高校生漫才師日本一を決める『ハイスクールマンザイ H-1甲子園』にも出場。

2017年はサイダーが、2018年はフライドポテトが関東大会を制し、関東代表に選ばれていることから、その実力は折り紙付きだ。

この春、高校を卒業した2組は、このライブをもって高校生芸人も卒業し、晴れてプロ芸人になるとあって、一段と気合が入っていた。

前説

ライブ前には、こちらも高校生芸人の「THE ANDO」が前説を担当。青紫色のジャージ姿で登場し、得意の話芸で会場を温めた。

ライブスタート

映像を駆使したカウントダウンの後、いよいよ本編がスタート。

まずは、サイダーによる1本目の漫才。「彼女を悪者から守る」というネタが息のあったかけ合いで繰り広げられる。

振りに二人でノッて、二人で声を合わせてツッコむというスタイル。これは彼らが今注力している‟ハモリ漫才”というものだそう。

観客が思っていることのちょっと先を二人が代弁する形で、会場を巻き込んでいく。もちろん声を出して笑うところもたくさんあるのだが、それ以上に頭の中で面白く感じる。

続いては、フライドポテトによる漫才。ネタは「女の子とデートしたい」という王道の漫才。

フライドポテトの魅力は、ボケの精度ではないかと思う。ハイスクールマンザイの準決勝で見た以来だが、捻り過ぎないボケを見事に観客のツボに当てていくのが印象的だ。

2本目のネタへ

その後、オープニングトークを挟み、各コンビ2本目のネタに移った。

サイダーは2本目もやはり‟ハモリ漫才”で、ネタは「運命的な出会い」。一本目と同様、動きを入れた二人の掛け合いがテンポよく進む。

オチでは、ネタ内で行われた議論の結論をちゃんと出す優等生感を見せる。比較的ショートサイズのネタで無駄なく盛り上げた。

続くフライドポテトは、事前のトークで‟一か八か”だと話していたコント。RPGの主人公になった二人が、敵との戦いに挑むというネタ。

その音響と映像を駆使した凝ったコントで、会場を沸かした。

トークコーナー

その後2組が3本目のネタを終えた後、トークコーナーを迎えた。

ライブの副題でもある「高校生芸人卒業編」にちなみ、小学生の出会いから現在までを年表で振り返る。

フライドポテトは、中学2年生の時にコンビ結成。

全日本お笑い選手権という大会で決勝に進出していたというのだから、高3にしてなかなかのキャリア。元々別のコンビだった二人が結成した秘話を語った。

サイダーは、小学生時代の出会いから、水岡さんの転機となった中学2年生のケガに関するエピソードを。

オチ直前でフライドポテト山口さんの‟チャチャ”が入り、中断するハプニングもあったが、笑いに変えた。

エンディング

エンディングでは、サイダーが8月29日に初の単独ライブを行うことを発表!

「4月から4か月間みっちりハモリ漫才に取り組んで、その成果を見せたい!」というのだから、期待が膨らむ。

ネタあり、トークありのあっという間の一時間。このライブの大成功をもって、無事に2組は高校生芸人を卒業した。

高校生芸人たちはよく、「‟高校生なのに”面白いよね」とよく言われる。

それで優遇されている部分はあると思うが、‟高校生なのに”と言われるとどこかナメられている気がして、「本当に面白いと思われているのか」と手放しで喜べないところがある。

しかし、明日からもうその心配はない。

高校生という殻を破り、プロ芸人としてより厳しい環境下の中、どんな成長を見せるのか。今後彼らから、ますます目が離せない。

取材・文/香山由奈

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