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【育児レポ】生後10ヶ月で断乳した話

12月17日。
予告なしに、断乳をした。
息子はまだ生後10ヶ月だった。

ずっとタイミングを探ってはいた。
というのも、特に男の子は断乳の機を逃すとおっぱいから離れるのが難しくなるとよく耳にしていたから。

先輩ママたちに、体験談を聞いてもいた。
1週間前くらいから、「あと何回寝たらおっぱいバイバイね」と言い聞かせたり、乳首にガムテープを貼って隠したり、ワサビを塗って咥えさせないようにしたりと、先人たちのたゆまぬ努力の策をいくつも教えてもらっていたのだ。

でも、私は急に、息子からおっぱいを取り上げた。
夜間の寝ぐずりの際にはいつも欠かせなかった、息子と私をつなぐ一つの絆は、大人の勝手な都合でいとも簡単に取り上げられたのだ。
(ちなみに断乳と共に抱っこ紐での寝かしつけも辞めることに)


手探りに逆戻り

初日。
いつもであれば、お風呂上がりにミルクを飲んでうとうとしたところに、抱っこ紐でのゆらゆらで即寝。
でもそれも束の間で30分ほどすると眠りから一度冷めるので、大好きなおっぱいを咥えながら再び夢の中へUターン。
これがお決まりのパターンだった。

そう、この日を境に、息子も母も「お決まり」がなくなったのだ。
何をどうしていけばいいのかわからない。
ひとまず、ミルクの前に電気を段階的に暗くしていき、ねんねの雰囲気を作ってみる。
ミルクを飲み終えてからは、「今日は抱っこじゃなくてごろんでねんねしてみようね〜」なんて声かけをしながら、息子と一緒に布団に横になってみた。
様子が気になったようで、その日は夫も一緒になってくれ、親子3人で川の字になって寝かしつけをしてみることに。

いつもと違う雰囲気に落ち着かないのか、不安なのか、息子は程なくしてふげふげと悲しい声をあげ始めた。
どうしたらいいかわからない。
泣いている息子を見て、対処の仕方がわからないなんて、数ヶ月前の新生児の頃に戻ったようだった。

何度も身体を起こす息子を布団に寝かせ、なだめるように背中やお腹を撫でる。
1時間ほどだったろうか。
顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた息子は、縦抱きにすると疲れ果てたようでスッと眠りに入っていった。

胸の痛み

息子と同時に、私自身にも大きな変化があった。
ほぼ夜間だけではあったけれど、10ヶ月間休まず母乳を作り続けた胸は急な変化に対応しきれていなかった。

「きっと飲んでもらえるだろう」と信じているのか、1日、2日と日が経っても母乳は作られているようで、次第に胸は硬く張っていく。
産後入院3日目もこんな感じだった気がする。
乳腺炎待ったなしなのではないか?と錯覚するほど、私の胸は懸命に膨らみ続けた。
(本来であれば、助産院などで断乳の相談をし、専門家と相談しながら適切なケアをして断乳は進めるべきなはずなので、今回の私のやり方はよくなかったと思う……)

胸が痛かった。
身体的にも、精神的にも。
自分の意志とはウラハラに、息子のために母性は硬く膨らんでいく。
もう飲んでもらうことはないんだよ。
時折乳首から溢れる雫を眺めながら、なんだかそれが涙の粒にも見えてこちらまで泣けてきたりした。

胸の痛みは1週間もすれば治った。
その間どうしても我慢できないと思ったときには、乳房全体を抑えるような方法で、痛みが軽くなる程度までしぼったりもしたが、気づけば今後の運命を悟ったのか、私の母性の塊は小さく、産前の頃の様子を取り戻した。
(しぼるのも、自己判断ではなく知見ある方への相談は必須だと思うので是非ともまねされぬよう……)

卒乳と断乳の違い

結局息子の断乳は、事前の「おっぱいバイバイね」の言い聞かせも、わさびやガムテープなどのあらゆる策も試すことなく終わったようだ。

1週間ほど経つと、おっぱいのことは忘れてしまったらしい。
お風呂のとき、当然裸の状態で息子と対峙するのだが、もうおっぱいには関心を示さない。
触ることも、あえて近づくこともなくなった。

寝かしつけの際も、最初ほどは時間はかからなくなったし、涙も少なくなった。
ぐずることはあるが、赤ちゃんの寝付く前には良くあるレベルなので、抱っこからも添い乳からも解放されずいぶん楽になった。
それでもやはり即寝できるくらいのルーティーンとまでは至っていないので、これから何かさらにいい方法に出会えるのか、はたまたこのままなのか、いずれにしても引き続き模索の日々は続きそうだ。
(気になる変化で言えば、最近寝ても覚めても私の顔や指に噛み付くようになった……これは断乳のせいなのか?)

最後に、卒乳と断乳の違いについて触れておきたい。
一般的に、卒乳は子どもの意志で母乳をやらなくなることをいい、断乳とは親サイドの判断で母乳をやらなくなることをいうらしい。

今回私は、断乳という形をとった。
前日まで息子はおっぱいがないとゆっくり眠ることもできなかったが、私の都合で授乳をやめたのだ。
大人の都合で振り回してしまって本当に申し訳ないとは思いながらも、幼いながらに変化に順応し、成長を遂げていく姿にじんと来ている母の心境だ。

今回の断乳は、来たる未来のための大切なステップでもあった。
その話は、また別のnoteで。

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