書き出すことが好きみたいだ
スケジュール帳をおもむろに開くと、5月はめっきり空白だった。
勤務体制がシフトだったので、アプリでシフトの管理は行っていたし、なんならそこにもともと用意されているスタンプなんかで友達との約束、歯科の予約日も管理している。だけどデータで管理というやつには未だに慣れきっていなくて、毎年スケジュール帳を買っている。
今年はゴールドでしょ。なんて思いながら去年の秋ごろに金色の手帳を買った。
仕事を3月末で退職したけど、その先は空白のままで。特に”どこ”に行きたいとかそういうのも決めていなかった。
なので、ノープランのまま4月・5月を過ごした。
4月は引っ越しに、各種手続き等々、春特有の鬱屈感とネームに追われてあっという間に過ぎた。…ような長かったような。貯金が案外なくて、退職金が入るまでジリ貧で過ごさなくちゃいけなかったので特に身動きが取れないってやつだ。
そうしているうちにGWが来て、世は10連休。私といえば4月からずっと連休。行政機関などなどがとても不便だった。
GWが明けるとn回目の挫折を勝手に経験し、無気力タイムが始まる。
思い返すと自分に呆れるけど、自分の実力に伴わない結果があるものだとしてむしゃくしゃになって疲弊していた。こうなってしまう頑張り方は絶対しちゃいけないと思った。これは令和初の大きな学び。
そうしていると、無気力でいることがばかばかしくなってきたのでとりあえずうまくいかない事をドシカトして遊ぶのと、ぼーっとすることを決めた。アイドルのライブに入って声を枯らして風邪で寝込んだり、映画を見まくったり、本を読んだり、美術館に行ったり、ただごはん食べたり、ずっと会ってない友達に会ったり。
6月が始まる。
なんとなくスケジュール帳を開くと、5月が真っ白だった。全部が空白でからっぽに見えたので、友だちとの連絡のやりとりやTwitterを遡って、その日何をしていたかを書き出せるだけ書き出してみた。
空白だったスケジュール帳がびっしりになった。
”誰かはあんなに頑張ってるのに”、”自分はすぐにくじけて挫折して”、”なんでもない人間だな”とかさんざん思わされる5月だったけど、振り返ると色んな人に会って、食べて、飲んで、観て、読んで、何もしなくて、何か考えたり、大事な事を感じたり、何も感じなかったりもした。
『先を見ると自分には何にもない、はいオワタ』
と、思いがちだけど。振り返ると結構あったりする。なかったりもする。
私は空白の期間とか、”何もしない・してない期間”がすごく怖くて、常に全力疾走しているのが不安がないし、安心だし幸せだと思っていた。だぶん今でもそう思っている。
でも、なんとなく、超なんとなく
空白のスケジュール帳が振り返るとびっしりに埋まったから、空白の期間も大事なんじゃないかなと。ちょっとだけ思う。
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