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何をそんなに書くことがあるのか。

何かにつけてことあるごとに申し上げているように、昔から書くことがヘンタイ的に好きである。性癖と言っても差し支えないレベルに違いない。時間が許すなら、とにかくただひたすら無心に何かしらえんえんと書いていたい。何をそんなに書くことがあるのかと若干引き気味に不思議がるひとがいるが書かずにいられるのであればそれに越したことはないのだから、どうかわたしのことは放っておいていただきたい。学生でもないくせに何故シャーペンを買うのかなどと問い詰めることについてもやめていただきたい。ええ、是非とも。てめ、いや失礼、貴様、じゃなかった貴方の大切なお金を強奪して買うわけではないのだし、そもそも貴方の趣味や楽しみに対してわたしは過去に一度でも難癖をつけたことがありましたかねえ?わたしがシャーペンでびっしり紙に何かを書くことで貴方が一体どのような迷惑を被ったと言うのか。

友人数人とたまたま立ち寄った雑貨屋でのことだった。ぱっと見六角鉛筆に見える、軸が木製のシャーペンを見つけたわたしはこれで何か書きたいとひそかに浮き足立っていた。地味にココロ躍っていた矢先に何故シャーペンなんか買うのか的な発言をされたのである。いきなり冷水を浴びせられたようなものではないだろうか。なんなら鼻で笑われていたかもしれない。何言ってんだコイツと思った。言葉を失ったわたしの代わりに別の友人がまあまあとその場をまるくおさめてくれたわけだが、この何年も前の出来事をわたしは未だに忘れることができないでいる。そう言えばコイツ、いやこの友人(?)は書くことが嫌いだとよく言っていた。自分の字に強いコンプレックスがあるとかで可能な限り書くことを避けて生きているのだと。そうですか。だからと言ってわたしがシャーペンを買うのを咎めていい理由にはならない。学生じゃないからってなんだってんだ。よくよく考えたら偏見が過ぎるだろう。だいたいわたしはシャーペンで書いた自分の文字が大好きなんだ(上手下手は置いといて)。

「何言ってんだコイツ」と激情に駆られて「何言ってんだおまえ」とズバリ言えたらどんなにいいだろうと思うが、残念ながらわたしはそういうタイプではない。意気地がないのだろう、言い返せないのである。あとあと言い返せない自分がひどくみじめに思えて、烈火のごとく根に持つしかない。怒りとか憎しみとかうらみとかつらみとかがくすぶり続ける。これが精神的にまったくもってよろしくない。ものすごいストレスに他ならない。耐えられない!わたしにはオノレの粘着気質かつ超陰湿な性質から澱み出る負の感情を、書いて吐き出す以外に自分を救済する術がないのである。

何をそんなに書くことがあるのか

おわかりいただけただろうか。

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