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"ありのままに今を輝く"

 尾木ママこと尾木直樹氏の講演会に出かけてきたので、メモを残しておこう。

 テレビで活躍している様子を拝見していて、言葉の強さがあるのに柔らかくきちんと届く様に伝える方だな、と思っていた。先日観た映画 "夢みる学校"の中で語られていたことも心に響いたので、隣町に尾木さんが見えるという情報を得てすぐにチケットを購入した。

 講演は市の"男女平等推進センター"主催行事の一環として行われた。タイトルは"ありのままに今を輝く"。教育の話を中心とした、これからの「当たり前」の話。話し始めが、福岡空港で男性のトイレに入ろうとしたら「そっちは男性トイレですよ」と注意されたこと。小柄でおしゃれな方なので、服の色などでよく勘違いされてしまうらしい。会場は「あらまぁ」と笑いに包まれ、尾木ママワールドへ。演台はあるものの、終始その前を右に左にと歩き回り、会場に向けて話しかける様に話してくださる。
「テーマを決めてきても、いつも話題が逸れちゃうから、メモを書たのよ」とステージ上のホワイトボードにあるメモを時々確認しながら、途中で度々「これじゃ終わらない」とか「まだ三分の一なのに時間があと少ししかないわ」なんて言いながらも『仕方ないのよ。それでいいの。』。テーマ"ありのまま"に繋がる言葉が心に染み入る。
あまりの親しみやすさに会場から大声でツッコミが入ることもあったけれど、笑顔で「そうなのよぉ」と対応。会場の前の方の席の人に時々尋ねることがあって、想定外の答えが出てきた時も「それでいいの」と一貫していた。結局最後には「時間が足りなかった〜」と予定時間5分オーバーで終わったけれど、大満足だった。それは言葉だけではなく、表情、態度全てが尾木さんのメッセージを伝えていたから。心で話されていることを感じて、納得した。

 心に残ったのは、尾木さんご自身が苦しまれた高校時代。留年を経験して、聞いているだけで苦しくなる様な思いをされたにも関わらず、その中でも学校に行かずに図書館にこもる日もあったとか。一日中本を読んで、夕食は地下の食堂で「ひょっこりひょうたん島」を見ながら素うどんをすすってまた本を読む…その時間が当時の尾木さんにとって「輝く時間」だったとのこと。教育評論家の方は「学校生活こそ大切」って言われそうなイメージだったけれど、意外にも学校以外に自分の輝く時間を見つけたご経験は説得力がある。ありすぎる。そしてその輝く時間に本から得た知識は時を超えて教育評論家となった今、役立っているという。その時その時輝く時間を過ごしていれば、それが繋がって未来も輝く、という言葉はみやぞん氏が以前言われていたので心に残っている。そして過去の点が後から振り返ると繋がっている、というスティーブ・ジョブズ氏の言葉も思い出した。これは経験から出る言葉。試行錯誤しながら苦しみながら得た経験。

 「将来のために」と子どもたちの「今」を奪う大人の命令。多くの課題。違和感があるけれど、正に「輝く今を過ごす」ことの大切さを考えた。その「輝く今」は大人が与えるものではない、ということも。

 尾木さんの素敵なご両親の関わり方も参考になった。お母様がとにかく伝え方が「上手」だったという。子どもを尊重しながら母親の目線でその子にとって何が大切かを説いて知らない間に導いている様子を、とてもわかりやすく子どもの立場から話してくださった。これから子育てをする方々、興味のある方々に伝えていこうと思う。決して命令したり上下関係で伝えるのではなく、いつも同じ目線で。まずは親子の人間関係の構築を大切に考える…学び深い。親子だから、先生と生徒だから、上司と部下だから、と「上下関係」に当てはめて目上の言うことは聞くべきだ、という乱暴な教育は過去の過ちだ。それによって今現在どれだけ多くの大人たちが苦しんでいるか。今私たちはそれを改める時。対等に話してその関係性に安心感を持った時に初めて、子どもたちは考え学ぶ。心の安定なしに学んだり働いたり、は不可能なのだ。

 改めて私も子どもたちの心の居場所でありたいと思った。尾木さんの様に柔らかく、でも芯はブレずに出来るだけ多くの方に新時代の教育の話をしていきたいと思った。大人がじっくり考え、学び、子どもたちの安心できる場所になれたら、未来もずっと明るい。

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