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アンガーマネージメント

 怒りっぽい性格だった。常に怒っていた。
今は年に数回怒りを感じるかどうか。
同じ人間なのに、どうしてこうも違うのかと自分で思うくらい。
その両極端を生きてきたから気付いたことを書いてみたいと思う。

 いつも怒っていた時、大体のことは人のせいだった。その当時自分自身も実際はわかっていた。自分が悪いことくらい。でもそれを認めると心が痛みそうで、自分が辛くない方法を選んだ。全部人のせい。失敗しても、そもそも私に頼む方が悪い。私がこんなこと出来るわけないのに。全部そんな具合。 
 そしてその罪悪感というか後味の悪さでまた怒る。今度は自分自身に腹を立てているのだろうけど、それもやっぱり人のせいにする。その悪循環で私はいつも怒っていた。

 今は相手の過失と思えることでも「私がもっとちゃんと確認しておけば良かったよね」と思う。自分に返すと、次からもっと良くなる気がする。このネガティブに感じる出来事も前向きなことの様な気がしてくる。誰かに嫌な対応をされて少し心が波立ちそうになっても、きっと悲しいことがあったんだろう、この人なりにしんどい時期なのかも、と自分との境界線をハッキリ引くことにした。大体のことは、それで凪ぐ。心は大抵、凪。

 今唯一心がざわめくのは、自分が苦手なことを強いられている時や、焦らなくてはいけないシチュエーションが訪れた時。何かの書類手続きや飛行機のチケットを取るのが苦手。「早く次に進まなければこのセール価格は終わります」みたいなのは手が震える。そこで気付いた。
 今子どもたちを取り巻く世界で、人を苛立たせたり負のループを生み出しているのは、この「焦り」なんじゃないか、と。

 みんなできているのになぜ出来ないんだ、君だけだぞ、隣のクラスはもっとすごいぞ、そんなことじゃ高校にいけないぞ、そんな成績で大学受験するつもりか、これから先どうするつもりなんだ…と周りの大人たちから煽られ始める頃から、子どもたちの様子がおかしくなる。怒りっぽくなったり、落ち着かなくなったり、冷静になればしないような行動を取ったりする。

 みんなそんなに急いでどこに向かっているのだろう。
怒らずに、問題を自分に返す余裕が心に生まれたら、もっとクリエイティブになれる。自分の人生を豊かに出来る。私はそれに気付いたから、もう昔みたいになりたくない。だから、焦らなくて良い状況を周りに作る。私も人を焦らせない。そのままでいいんだよ。何しようか。何もしなくてもいいし。心の声に耳をすませてみようか。
 そういう世界に浸って一生過ごしていきたいと思っている。
怒らなくて良い世界は、あったかくて豊かだ。

 社会全体でアンガーマネージメント。お互い煽ったり焦らせたりせずに見守ったり、自分にないものを持つ人と関わって言葉を交換したり自分の気持ちや人の気持ちを大切に出来たら、きっと楽しいよね。
 大人も子どもも先輩も後輩も関係なく、フラットに。

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