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朝は来なくても時は経つ。 【今日もあなたに太陽を】

ネットフリックスで配信が始まった「今日もあなたに太陽を」という韓国ドラマが思ったよりも考えさせられた。

見ようと思ったきっかけは特にない。私は大の韓国ドラマオタクだし、何せ大好きなパクボヨンが主演だったから。どんな物語か関係なく絶対に見ようと思っていた。
そんなこんなで開いてみるのだけれど、なんだか自分の言動、悪かったのかなぁと思ってしまう場面が多々出てくる。
というのも、私の会社(美容室)には精神疾患、いわゆる「うつ病」や「パニック障害」の社員が3人ほどいるのだ、今日はその中の一人の話をしようと思う。

上司に一度怒られてしまったのが原因で彼女はうつ病と診断された。
自分の思ったことを自分からは言えないけれど、聞くと体調が悪い、食欲がない。
好きなことはしたいけれど、練習はしたくないし長い間働けないから時短勤務。
後輩にカリキュラムが追い越されそうなのは嫌だけれど、練習する時間がないから仕方ない。人よりも長く勤務していないから、技術も落ちていき気がつくと会社のお荷物のような存在になっている。

というのが、周りから見た彼女と彼女とミーティングを何回も重ねて出てきた彼女の本音。

そんな社員に気がつくと誰も着いて行かなくなった。前までは指示する側だった人が指示待ちをする人になって、周りにいた先輩からは信頼を、後輩からは尊敬を失った。
私は同じ会社にはいるけれど職種が違うので害はないが、会社の空気が悪くなる。そんなことを感じると、あぁとどこかで思ってしまうのだった。

「人って思っているよりも自分にしか興味ないと思うんです。」
初めて二人でミーティングした時に私が彼女に発した言葉。
私自身最初はとんでもなく気にかけていたし、何かあるたびに話を聞いていた。そんな中で彼女は人と比べて、人の目を気にして、人に理解してもらえないことに苦しんでいた。
どこかで甘えているのだろうと思った彼女が私はあまり得意ではなかった。
突き放すように言ったこの言葉を彼女がどう捉えたかは知らないが、こう言わなくては彼女が一生復帰できない気がした。

それでも彼女は病気だということを私は忘れていた。
ドラマに出てきた患者と彼女は同じなのだ。
病の原因となった職場は彼女にとって1番怖い場所だったこと。
トラウマになってしまった上司と今でも一緒に働いていること。
多少の甘えはあるのかもしれないが、それでも彼女は人生で1番辛い場所で頑張っているのだった。

ドラマの中で朝が来ることが疾患が治るということを意味しているような気がした。
朝は必ず誰にでも来る、誰でもこの病気は良くなります、そう言っているような。
別に朝が来なくても良いんじゃないか。時間が解決してくれるわけではないかもしれないが、何かのきっかけで彼女がいつか完全復帰することを願っている。
朝は来なくても、時が経てば夜明けくらいはくる気がした。
生きている以上、どうにでもならないことって出てくる。
それでも地に足をついて今、必死に頑張っている彼女を私はそばでひっそりと見守りたい。


ナナ


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