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私の旅路 No.6

逆にお月様は、天空のはなし。あやかしのはなし。静かな音のはなし。をお日様に優しげに話していた。

それは、冒険家になったかのように勇ましさを背負って語っている。

お月様は「春の夜は、目を疑うほど綺麗なものがあるの。特にオススメなのが夜桜よ。昼間の温かい母のぬくもりを感じさせる景色が、夜になると途端に妖艶な雰囲気を放ち、あやかしを招くの。

星たちが桜をライトアップし、風が花びらをちらつかせ、風と友になり舞いを披露し、香りを漂わせる。その姿は、私もあやかしも関係なく目をとめてしまう。

その誘いに乗るかのようにあやかしは毎夜毎夜、サクラの為に和楽器を奏でるの。それは静かで消え入りそうな優しげな音色なのだけどね、聴いていると、目にはみえない温かさを心からじわじわと響いてくるような安心した気持ちになるのよ。あなたもたまには夜更かししてごらんなさい?」とうっとりしながら言った。

お日様は「サクラは桜よ。でも、そんな姿があるなら見るのも悪くないかもしれない」と疑念を抱きながら言った。

私は、「きっと、毎日新しい発見で大忙しなのだろう。」と、興味を抱きながら呟いた。

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