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キーワードは自己肯定感と承認欲求?「nana」がつくりたいスマホ時代の居場所

「僕にとって、ニコニコ動画は自分が自分らしくいられる『居場所』でした」

前回のインタビューで、インターネットでの居場所について熱く語ってくれたnana musicの「うにー社長」こと文原。

人はインターネットの居場所があれば、普段は表に出せなかった部分をさらけ出し、画面の向こうの誰かと一緒に楽しめる。だからこそ「nana」でも、居場所とインターネットにこだわりたいと話していました。

しかし、かつて文原が楽しんだインターネットも、その後スマホの普及を経て、ニコニコ動画を取りまく状況も、少しずつ変わっていきました。

そんな変化をうにー社長はどう見つめていたのか。変化を踏まえて、「nana」ではどんな居場所をつくろうと考えているのかを聞いてみることにしました!

(「あの頃」と今ってどう違うんでしょう?)

スマホによって“誰もが作り手で受け手”になった

──前回は、うにー社長がニコニコ動画と過ごした青春について、語ってもらいました。その頃は、まだみんなガラケーを持っていた時代ですよね?

スマホを持っている人はまだまだ少数で、ニコニコ動画もパソコンで視聴している人が多かったですね。今振り返ると、時代も変わったなぁと思います。

あくまでいちユーザーとしての意見ですが...ニコニコ動画についていうと、多くのアプリやウェブサービスがスマホでの利用を想定した作りにシフトするなかで、少し遅れをとっている印象でした。

その結果、あまり10代のユーザーが入ってこなくなって、僕と同じ世代が残り、どんどんユーザーの年齢層が上がっていった気がします。

──なるほど。一時代を築いたサービスだからこその難しさですね...。

ただ、全盛期にニコニコ動画で楽しませてもらった経験は、僕を含む同世代のユーザーに深く刻まれていて、ニコニコ動画を楽しんだ世代やニコニコ動画から生まれた文化が、次の新しいアプリやサービス、コンテンツの礎になったと思っています。

「ボカロ」や「歌ってみた」、「踊ってみた」、「ゲーム実況」、「ニコ生」など、挙げたらキリがありません。これらの現象や文化が、「nana」や「SHOWROOM」、「Mirrativ」、「MixChannel」といったサービスにつながったと思うし、本来ならニコニコ動画自身がこれらのサービスを生み出せていても不思議ではなかったはずです。

──どのサービスも、ニコニコ動画にあった要素を引き継ぎつつ、より誰もが気軽に投稿できるフォーマットにしていますね。

そうですね。そもそもスマホなら、直感的な操作で、撮影や録音、動画編集、配信までできてしまう。僕がニコニコ動画にハマっていた頃とは全然状況が違うんですよね。

当時は、家にパソコンを持っていて、かつソフトウェアが使える人じゃないと、動画は投稿できなかった。前回話した通り、安価に手に入るソフトウェアが普及し始めていたとはいえ、投稿する側と視聴する側の間には一定の垣根があったんです。

けれど、今はその垣根がほとんどなく、誰もが作り手であり受け手にもなれる。かつ、より簡単に参加しやすいように、投稿するコンテンツの型も最適化されている。これはスマホの時代のウェブサービスやアプリの大きな特徴ですよね。

オンラインとオフラインの垣根がない時代

──他にも“スマホ時代”のサービスの特徴ってありますか?

少し抽象的かもしれませんが、リアルの世界とオンラインの世界が、シームレスにつながっていることだと思います。今は、ほとんどの人がスマホを介して、常にインターネットに接続している。それが当たり前になりましたよね。例えば、オンラインの購買履歴が実店舗を訪れたときも引き継がれるとか、そうやってどんどん境界がなくなっている。

この流れにともなって、リアルの世界とオンラインの人間関係も、線引きがなくなってきている気がします。学校の教室のなかでいえば、今は「オタク」も「リア充」もみんなスマホを持って、アプリで遊んでいる。ある意味、教室でイケてるグループの子が、教室内で流行っているアプリでも同じように人気者になる。そんな時代になってきたんじゃないかなって。

──そうなると、うにー社長みたいに「日常生活では自分を出せない」人にはちょっと辛い時代な気もしますね...。

もちろん、クラスの人気者がオンラインでも輝ける場があるのは素晴らしいことですし、決して否定する気はありません。

でも、そうなれない人にも居場所を届けたいですよね。シャイで不器用で、自己肯定感も低めで、自分を題材に表現するのが苦手な人...ってほとんど当時の僕のことなんですけど(笑)

僕自身は、ニコニコ動画を通して、誰かとつながって一緒に盛り上がって、「一人じゃないんだ」と自分の存在を肯定できた。そんな体験をスマホ時代にも届けていきたい。そういう気持ちはずっと持っていますね。

「nana」は健全な承認欲求を満たせる場にしたい

──そういう体験を届けるためには「nana」をどんな場にしていく必要があるんでしょう?

まずは誰もが気軽に表現できるよう、投稿のハードルをできる限り低くすること。そして、投稿に対する反応が得られるよう、コミュニケーションが生まれやすい仕組みを整えること。今も昔も、この2つに尽きると思っています。

それによって、「自分に自信がない」とか「人気者になれない」とか、そういう鬱屈した想いを、創作に昇華するチャンスを平等にしたい。自己肯定感の低い人も、たった一人だけ、自分の表現を認めてくれる人がいれば、きっと救われるはず。誰もが健全に承認欲求を満たせる場でありたいですね。

──「認められたい」気持ちって誰もが持っているものですよね。恥ずかしくてあまり大っぴらには言えませんけど...。

でも、本当は「認められたい」気持ちって、少しも恥ずかしいものではないんですよね。「人の評価は気になりません」って言い切れる人の方が珍しいですから。

スマホさえあれば表現ができて、画面の向こうの認めてくれる“誰か”とつながれる。そんな場をより多くの人に届けられたら、きっとこれまでにない表現が生まれるはず。

それを想像するだけで僕自身とてもワクワクするんです。いずれスマホに代わるデバイスが登場したり、「nana」とは別のサービスを始めたりしても、目指したい居場所はずっと変わらないんだと思います。

──スマホ時代に「nana」が目指す「居場所」についてグッと理解が深まりました。今日はありがとうございました!

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2回にわたり、うにー社長の考える「居場所」について話を聞いてきました。

自分に自信のない人も、表現を通して人とつながり、少しだけ自分を肯定してあげられる。そんな居場所のあり方に共感する人が集まっているから、nana musicは少しシャイな社員が多いのかもしれません。

これからも、誰もが自分らしく表現できる居場所を届けられるよう、日々全力で駆け抜けていきます!

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