不時着する思考の遊び

友人と、だらだら思考を広げまくる遊びが大好きだ。

どちらかが呟いたことを、自分の視点で広げ、飛躍させる。
ときには解を出さずに、もやもやをあえて残すこともある。
お互いの脳にある思考や感性を、あの手この手で出しまくることが、ダサい言い方だけど高尚な遊びに思えてしまうから。

そんな友人と企画して、テーマに沿った思考の文章を提出しあった。
元は二人だけの作品だったが、友人も公開していることだし、私もここに記してみようと思う。
つまるところ、着地点の見つからない思考とはこんな文章になる。
あのときの楽しさを記録し、これからの精進を込めて。

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「なぜティーバッグ界では、三角がベストなのか」

発端は、オフィスのカフェスペースにあったセルフドリンクだった。
普段はわびさび上等、大日本緑茶党の私だが、この日はなぜかダージリンティーに手が伸びる。
(あとから考えれば今回のテーマは紅茶だったのだから、意識的に選んだと言ってもいいかもしれない。)
凝ったデザインの封を切り、ティーバッグを取り出すと、親しみある形。
自重で形を整えさせると、ころんとしたテトラ型が現れる。
糸を伝ってきた揺れで、中に入った茶葉たちがまるで若葉のようにそよいでまでみえた。

ここまでの時間30秒、そして冒頭の疑問に戻る。
今でこそティーバッグの定番デザインとなっているテトラ型。
ピラミッド型ともいわれるこの形が、紅茶界にてベストたらしめられているのは、なぜなのだろう。

そもそもテトラ型ティーバッグは、業務用デザインとして始まった。
バッグ内に大きな空間が空くため、お湯を注いだ後の抽出が効率化される…その機能的理由が走りといわれている。
だがしかし、それなら筒でも球でも、どんな形でもよかったはず。
それをテトラ型におさめた理由を、私はこう考えている。

本来お茶というものは、同じ種類の葉から成り立っていて、この茶葉をどんな風に加工していくのかで、その種が決まっていく。
茶葉を発酵させ、それをさらに乾燥させた紅茶は、緑茶以上に茶葉が軽めだ。
そして何もしなくても香りが広がりやすい。
だからこそ紅茶の良さを全面にだすには、湯の中で回転させることが必要で。
そのためのトライアングル的構図がかかせなかったのだろう。
手のひらで転がせば、茶葉がさらさらと動き、その構図を体感させてくれた。

さらにテトラ型には、ある種合掌を思わせる神秘性を感じる。
茶葉を包み、面の頂点から香りのオーラを鼻先に届ける。
香り立つように湧いてきたこのイメージが、潜在的にこれをベストたらしめてくれている、かもしれない。
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