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クリエイティブな空間づくり

こんにちは、市橋です。
研究室を運営しながら、クリエイティブな毎日を送っております。

今回、研究室もしくはオフィスをクリエイティブな空間にしたい方に向けて書きます。

職場は、多くの時間を過ごす空間です。
私はこれまで、メンバーがパフォーマンスを十分に発揮できるようにクリエイティブな空間を目指して試行錯誤をしてきました。
セミナーを受講したり、様々なアイデアを取り入たり、メンバーと何度も相談を繰り返しすことで、現在、納得できるクリエイティブな空間を実現できております。
そこで今回、私の研究室で実践する、クリエイティブな空間づくりのアイデアをシェアしたいと思います。

1. 意識しているポイント

時空間を最大限に活用する

スペースは延床面積だけではありません。
例えば、縦方向のスペースを利用すること。目線を変える机や椅子を配置したり、電源は壁からだけでなく天井や床から持ってきたりすることができます。
また時間を分けてスペースを利用すること。フリーアドレス制にしたり、時間によって場所の利用を区切ることができます。

逆に、「何も無い」というスペースの使い方があること。
空きスペースがあると何かモノで埋めたくなる方がいますが、「何も無い」というモノを想定することも大切です。このようなスペースには様々な次元があることに気がつくことで、多くの発想が出てくるものです。

ぜひ時空間をうまく使って、物理的に限られたスペースを最大利用してみましょう。

場所ごとの機能を明確化する

多くの研究室ではすでに実践されていることかと思いますが、今一度見直してみる価値があります。

実験室では危険な試薬や生物を使うこともあるので、危険因子の封じ込めを徹底する必要がありますが、それ以外の場所でも「ここは〇〇をするところ」といったように空間で機能を定義付けすることで、実際に働く人が「モード」に入りやすくなります。

そのため、どの方がどのような空間で何をするのか、具体的に現場の目線で考えることにより、個々のタスクの最適化を図ることができ、ひいてはチームとしてのクリエイティビティ向上につながると思います。

五感を解放する

リラックスしているときに良いアイデアが浮かびやすいと言われております。

職場でもリラックスの状態を引き出すための様々な空間の工夫をすることができます。観葉植物を置く、照明を入れる、フリーのお菓子やコーヒーを用意する、アロマやお香を入れる、色を統一する、BGMを流す等、一つ一つは小さな工夫なのですが、どれも人間の五感に訴えることなので着実な効果が期待できます。

職場によっては様々な制約があると思いますが、ぜひ可能なことから試してみると効果を実感できると思います。

2. 具体的なアイデア4つ

ここでは私の研究室で実際に試して良かったと思っているアイデアをご紹介します。

OAフロアやダクトレールに切り替える

電源やネットワーク配線の位置による制約から解放されると、物理的な空間を最大利用することができ、かつ自由度を上げることができます。

私たちの研究室では、デスクワークをする部屋の床に「OAフロア」を敷き詰めることにしました。これにより、床と床の間に空間ができ、その空間にLANケーブルや電源ケーブルを収納することで、配線類が露出しない空間を作ることができました。また床用コンセントを利用することで自由な場所から電源等を確保できております。

さらに「ダクトレール」を天井に取り付けることで、天井からの電源確保もできるようになりました。ダクトレールにリーラーコンセントを付けることで、稼働式の電源を確保ができます。さらにダクトレールに照明を付けることで、物の配置を変えた時にも照明の位置も連動して変えることができます。

このように、OAフロアやダクトレールに切り替えることにより、限られた物理空間のキャパシティーを上げることができます。

フリーアドレスに切り替える

人が占有する空間を流動的にすると、場所の有効利用ができ、常に整理整頓された空間を作ることができます。

私たちの研究室では、個人専用のデスクを廃止して、「フリーアドレス」にしました。大型のデスクを入れ、形をアメーバにすることで、なるべく多くの方がそのデスクを利用でき、かつ目線が合わないように工夫をしております。
このアメーバデスクの利用をフリーアドレスにすることにより、いつでも誰でも好きな場所を選べるようにしております。

また個人の荷物が収納できるロッカーを設置することで、フリーアドレスでも荷物や資料を個々人で管理できるようになります。個別スペースだと、書類を山積みにしたり、仕事とは関係ないものを持ち込んだりと、つい乱雑になりがちです。

フリーアドレスに切り替えることにより、デスクの公共性が高まり、場所の有効利用と整理整頓を自然に実現することができます。

壁ホワイトボードと透明ボードを導入する

何か物事を考えながら書き出しているとき、その書いている紙の大きさに発想の大きさが制約を受けていると感じたことはありませんか?

クリエイティブな発想をするためには、脳内の情報を自由に吐き出す “空間” が必要だと私は考えております。そこで私たちの研究室では、ミーティングをする部屋の壁一面をホワイトボードにしました。これにより、文字通り、発想をたてよこななめに自由に広げていくことができます。ラボメンバーは頻繁に壁ホワイトボードに向かって思考を整理しております。

また壁ホワイトボードにプロジェクターを投影することもできるので、プレゼンをしながら、メモを入れて、議論することもできます。壁一面にホワイトボードができない部屋には、透明ボードを置いております。これにより、視界を遮らずにボードを設置することができ、かつスタイリッシュな印象になります。

このように、壁ホワイトボードと透明ボードを導入することにより、思いついたらすぐに発想をアウトプットできるクリエイティブ空間にすることができます。

インタラクティブな配置図を作る

一度空間を作ったら、それで終わりではありません。
仕事の内容や人の出入りに合わせて、空間へのニーズも変わります。

そこで、定期的に物の配置を見直すため、私たちの研究室では、パワーポイントで「インタラクティブな配置図」を作成しております。実際の部屋の大きさと移動できる物の大きさを反映して作ります。これにより、実際に物を動かす前に、配置図上でシミュレーションすることができます。

特に実験室では大型装置や精密な装置があり、移動するにも費用がかかったりとなかなか動かして確かめることが難しい状況にあります。それでも、現場で働く方のちょっとした不快を取り除くこと、動線を意識することで、大きな改善につながります。

このように、インタラクティブな配置図を作っておくことにより、働く人のニーズに合わせた空間にいつでも変更することができ、日々のタスクの効率化が実現します。

3. さいごに

いかがでしたか?

色々と試してみたいと思っている方の中には、予算についても気になる方がいるかと思います。

私も現在の研究室に着任したとき、全てが古くて使える状態ではありませんでした。そこで前任者と同じ仕様でデスクや床等を新しくするように業者さんにお願いしましたが、その見積もりを見て愕然としました。
職場の什器は高い。。
そこで、同じ予算を使って、ゼロから自分で考えて作ろうと一念発起しました。どうしても費用がかかる部分は仕方ないのですが、質を求めない部分は極限まで節約することにより、自身が求めるクリエイティブな空間を実現することができました。予算を割く部分と割かない部分を工夫することで、限られた予算でも理想の空間に近づけることができます。

今回の内容が、少しでも皆さんのクリエイティブな空間作りのヒントになれば幸いです。

実際に研究室を立ち上げるときに私がインスピレーションをいただいた空間はロフトワークさんのオフィスでした:https://loftwork.com/jp/cooop10

今回は以上になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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