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弁当屋はじめました

2023年1月から飲食業はじめました。
弁当惣菜屋です。
『アテな惣菜すずめさん』と言います。

すずめさんロゴ
Instagram QRコード


まだ店舗は持っておりません。ただ今、実店舗開店のための準備中です。
実店舗は八戸市豊崎に構えたいと思っております。豊崎はピーマン畑がある場所であり、母親の実家があった場所で、私も小さい頃からよくお世話になった馴染みのある場所です。新幹線が停まるJR八戸駅から15分程度の場所で、五戸町との交通の要所でありますが、周囲に店舗はコンビニが1軒しかなくほんと何もない場所です。何もない場所なので逆に私みたいなひねくれ者は魅力を感じてしまいます。

2023年2月現在、八戸インテリジェントプラザという施設内のキッチンを間借りして営業しています。八戸インテリジェントプラザさんには実店舗開店前にこのようなチャレンジの場を与えて頂きまして大変感謝しております。

また地元新聞社のデーリー東北さんには大きく記事を取り上げていただき、我々の活動を地域に認知していただく機会をいただきました。重ねてお礼申し上げます。

地元紙に取り上げていただきました




『アテな惣菜すずめさん』のコンセプト

まず名前の「すずめさん」ですが妻が雀が大好きなのです。
雀って小さくて丸っこくて可愛いですよね。
妻が雀を呼ぶときに愛着を込めて「すずめさん」と呼ぶので店名をこれにしました。あと人気飲食店って鳥の名前つけているところ多いですよね。
アヒルとかウグイスとかペンギンとか。

アテな惣菜たちです

本題のコンセプトですが自分自身が農家で一次産業の担い手でありますので、国内の一次産業を発展させたいという思いがあります。だから使う食材をできるだけ国産、できるだけ地元産、できるだけ自社農園産もしくは農家仲間のものを使っていきたいと考えています。農家仲間というのもただ単に友達だから使うとかというものではありません。自分の周りにはどうやったら美味しい野菜が作れるのかを研究して味にこだわった生産をしていたり、有機栽培、自然栽培、減農薬など環境負荷の少ない栽培方法を苦労しながら行なっている生産者がいます。自分自身が農家でどうやったら美味しい野菜ができるのかを常に考え勉強しながら動いているので、周りの農家のやり方を見ていると、この人はどんな考えでこの作物を作っているのかが見えてきます。やっぱりいい作物を作っている人はあえて大変な方法を選択したり工夫したりしています。そういった何かこだわりを持った農業を行なっている仲間の農産物を積極的に活用していきたいのです。また弁当の内容自体も野菜中心で野菜をたくさんの種類食べてもらえるようなものにしています。顔の見える生産者の農産物を顔の見える人が調理する信頼感と親近感。さらに農家ならではの視点で農産物の情報や価値を伝えていけたらと思います。

そして「アテな惣菜」という冠の通りお酒のアテになるような惣菜も提供していきます。私自身ワインエキスパートの資格を有しておりまして常日頃から何か美味しくワインが飲めるアテはないものか、ワインと食べ物の組み合わせを考えております。うちは夫婦揃って飲兵衛です。そんな飲兵衛農家が自分たちが美味しく呑むための惣菜。それは同じように酒を愛する方々にも受け入れてもらえるものと思っております。

私が常日頃思うこと、それは妻が作ってくれる料理が美味しくて幸せということ。自分が妻の料理で美味しく酒を飲めて幸せになれるのだから、他にも同じような感覚で幸せを感じてくれる人がいるのではないかと思う次第です。一流料理店の味には及ばないかもしれません。家庭料理の延長と言われてもしょうがないと思っております。ただ、自分たちは努力して進化していきます。美味しいものを食べたい、提供したいという気持ちに垣根はないと思っています。飲食業界を歩んできていない自分たちには自分たちなりの美味しいものの提供の仕方があると常に考え、型にハマらずにやっていきます。なんかわかんないけど、なんかうまい。そんなポジションを目指していきます。

このように地産地消の野菜中心のお弁当とお酒のアテになる惣菜を通して、皆様の健康と幸せ、地域と一次産業の発展に少しでもつながれば良いと考えています。




弁当惣菜屋をはじめた理由

1.ワインを提供する場所作り

2022年春にイタリア品種のワイン用ブドウを植えました。

八戸でワイン用ブドウを栽培している根岸さん親子が手伝いに来てくれました


栽培が上手くいき早ければ2024年秋に初収穫を迎えることができます。そのブドウをまずは委託醸造に出して2025年に自社の初ワインが完成する予定です。そのワインを酒屋さんで売っていただくのももちろんありがたいことですが、やっぱり自前で提供する場所が欲しいなというのが自分の欲求でした。じゃあなんでカフェとか居酒屋じゃなく弁当惣菜屋なのかについておって説明していきます。


2.農家の健康に貢献したい


万願寺とうがらしをグリルして岩塩でどーぞ

自分たちが農業をやり始めて思いしったのが、農繁期になるとめちゃくちゃ忙しいということです。そうすると食事の準備に時間をかけれなくなります。自分は美味しいものが食べれたら幸せです。美味しい野菜やワインが作りたくて農家になりましたし、美味しい野菜やワインを通していろんな人を幸せにできると信じています。でも忙しくて食事が疎かになってしまうと、自分の幸せが削がれてしまいます。そして周りを見渡したときに、若い世代の農家、特に親元就農ではない核家族の子育て世代の新規就農者は多かれ少なかれ同じような状況であることが見えてきました。農家は野菜を作る最前線にいるのに、野菜を手間暇かけて美味しく調理して食べることが意外と少ないと感じたのです。忙しい中で労働時間を確保するために、食事を菓子パンや即席麺などで済ませている人が結構います。農家なのに野菜を食べない不健康な食生活。そんなある意味農家あるある的な矛盾を解決することが農家の幸せや農家の多い地方社会の発展につながるんじゃないかと考えるようになりました。カフェとか居酒屋とかいった業態も素敵だなと思いますしやってみたいとは思います。でも忙しい農家、特に子育て世代の若い農家に貢献したいなら、滞在型の店舗より、テイクアウトですぐ食べることができる弁当惣菜屋の方がいいなと思いました。もちろん農家以外でも忙しい方や中食でも野菜をたくさん食べたいという方はいらっしゃると思いますので、そういった方々のニーズにも応えられたらなと思います。いずれはこの店舗をステップとしてカフェ営業や角打ちスタイルの呑める店舗にしていきたいなと考えています。

3.農家仲間の売上に少しでも貢献したい


農業をやっていると必ず出てくるのが、「今年も農産物相場が安くてやってらんねー」といった話題です。一般的な食料の価格は需給バランスで決まります。一部の嗜好品や贈答用の農産物を除き、農家が自分たちで価格をコントロールすることはできません。農業界や食品流通の構造的な問題です。私の農家仲間には前述の通り美味しい農産物を作るためにこだわった栽培をしている人たちがいます。その人たちの農産物は普通にスーパーで並んでいる野菜とは差別化ができるものたちです。スーパーで並ぶ野菜と比べて明らかに美味しくて品質が高いのに値段は大して変わりません。消費者は品質や味ではなく価格で買っている人が多いのだと思います。誰だってそうですよね。味なんて食べてみなければわからないから、そんな不明確なものよりも目に見えるメリットとして安いものを手に取ると思います。だから自分にできることとしては、まずはそういった優れた生産者の存在を少しでも地域の人たちに知ってもらうこと。そしてその人たちの農産物をできるだけ言い値で買って弁当惣菜にすることで、僅かながらでもその人たちの売上に貢献すること。それを繰り返すことで地域内での経済循環が生まれ、苦労して努力して生産している農家が報われ、若い農家が継続的に農業に取り組んでつながっていくことができると思うのです。

4.地域をまるごと農家の休憩所にしたい

うちのピーマン畑の木陰の休憩場所

店舗計画中の場所は周りは昔からの住宅街の集落で、最寄りのお店は3kmほど離れたコンビニです。他には何もありません。場所柄、農家が多いところです。週に2回移動販売車が来て日用品や食料を販売しています。移動手段を持たない高齢者は食料調達をこの移動販売車に頼っています。
ここにまずは弁当屋店舗を作り、願わくばその周辺にコーヒー屋、パン屋などなど飲食店が集まってこないかなと思っております。そして最終的には自分のワイナリーがそこにできて、みんなでワイングラス片手に飲みながらぶらぶらして歩く、そんな地域になるのが自分の夢です。ワイン飲むからと肩肘張らず、農家が長靴で出歩けるような気軽な休憩所。昼にはみんなが昼食食べながら、今年の作物の出来についておしゃべりし、農家じゃない人もそんな話に耳を傾けながら、農業との距離を近づけていく。そして日暮れとともに仕事上がりに一杯飲んで、晩御飯買って歩いて帰る。この地域全体がそんな丸ごと農家の休憩所のような、そんな光景をこの場所に作ってみたいと思っています。一緒に協力してくれる人募集してます。


大いなる課題

前述の通り、念頭にあるのは忙しい子育て世代の若い農家の食生活の充実であります(もちろん農家以外の方の食生活の充実も願っています)。ですが農家の畑は方々に分散しており、農家はアクセスの良いところに住んでいるわけでもありません。そして忙しいのでわざわざ離れた場所にある弁当屋まで買いに来ることもできません。自分の考えている農家が幸せになるだろうという思いは絵に描いた餅なのかもしれません。ごく一部のご近所の農家にしか届かない思いなのかもしれません。今は自分の力不足で離れた農家のもとに弁当を届けることができませんが、いつか離れた場所の人たちにもこのサービスや思いを届けられるように努力していきます。もしくは離れた場所からでも思いに共感して来てくれるような魅力のある店や場所にしていかなくてはいけないと思っております。



最後に

飲食業経験のない(アルバイト経験くらいはあります)私たちが弁当惣菜屋を始めたことに対して飲食業の先輩方は、「飲食業はそんな甘いものじゃない」、「どこかで修行してから開業した方がいい」と思っていることと思います。私たちも決して飲食業を軽くみて参入しているわけではありません。人気店を経営している友人もおりますが、人気店は人気店たるべく細やかでいて深く徹底した考えを持っていることを近くで見ています。そういった業界の先輩である友人たちを見て心の中で感心、感動せざるを得ません。自分にはそういった目標であり、道標となる存在がおります。

一方で自分は人に言われたことをそのままやることや、多くの人が歩む道を歩くことを嫌がるといったねじ曲がった性格の持ち主です。農業を始めた際もどこかで研修を受けたわけではなく、見様見真似、独学で学びながら、必要だと思ったポイントについていろんな人から教えてもらい身につけてきました。準備万端整ってからスタートするタイプではなく、走りながら失敗しながら学び、整えていくタイプなのです。

弁当屋事業に関してもそうです。
やらないとわからないことがたくさんあると思っているので、走りながら日々反省し、勉強しています。

ワイン造りもきっとそうです。

農業生産、飲食事業、ワイン事業
これらが私の農業の中の3つの柱です。3つとも私の中では農業です。
それぞれ独立しているように見えますが、私の中では全て関連していて、どれかがレベルアップすると、他も影響受けてレベルアップすると考えています。

走り続けて、つまづいて、止まりかけても歩くのはやめないで、また走る
そして成し遂げます。

自然の中で酔いどれたい

自分が作ったワインと野菜と料理、家族や仲間と楽しみたいですね。
仲間というのは何も自分の友達というだけではありません。
この我々の思いに共感してくださる方全てとこの瞬間を共有したいんです。

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