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夫が踊った思い出の曲

私と夫は、ごく普通の結婚式を行った。
結婚式で必要とされる余興だが、私はかねてから友人たちに、私の結婚式では嵐を踊って欲しいとお願いしていた。
ちなみに私は、嵐ファンではない。
何故か、結婚式で嵐のOneLoveを踊ってもらうのがずっと夢だった。

結婚式当日まで、私は余興については丸投げで一切進行状況なども聞かなかった。
それぐらい簡単にやってのける友人たちだと信頼していたからだ。


披露宴が始まり、お色直しを済ませたところで、司会の人が友人たちからビデオメッセージが…と話し出した。
おや?と思った。
ビデオメッセージは頼んでいないのだ。

プロジェクターによって映し出されたのは、大学時代の先輩からのメッセージ。
そして、バックミュージックとしてLove so sweet が流れたと思ったら、歌っているのは式に来られなかった友達。
何てことだ、処理が追いつかないままボロ泣きだ。

そして曲が2番に差し掛かった時、式場の入り口が開いて、余興を頼んだ友人たちが謎の仮装をして入ってきた。
会場は大盛り上がり。
そのまま客席の前で堂々とサビを踊った。
そして、間奏に差し掛かると、友人の一人がノリノリで夫を連れて行った。

夫は、ダンスの星からは一番遠くにある星から来たような人だ。
さすがに無理ゲーだろ、と思ったら、間奏のサビ部分を踊り出した。


え。
↑率直な私の気持ちがこれだった。



人間って本当にびっくりすると、キャー!とか嘘ー!とか思わないらしい。
え。だった。
そこまでボロ泣きだった私は、泣くんだか笑うんだかよく分からない表情で余興を見つめていたことだろう。
夫は友人たちとノリノリで嵐を踊りきり、そして退場していった。


おうおうおうおうおうおうおう。
司会の人が、話し出した瞬間の何とも言い難い安堵。
何が起こったか分からない時、こういう人が必要だ。
つまり、友人たちは様々なサプライズを余興に仕込んでくれ、最終サプライズが夫のダンスだった。

なるほどなるほど。

私のことを熟知している友人たちの目標は、私を泣かせることだったそうだ。
入場した時点で私はボロ泣きだったので、大成功。
私は、夫の嘘に騙されて、快くダンスの練習にも送り出していたらしい。
というか、全然知り合いじゃないのに連絡とって約束して一緒に踊るってすごいな。。。
思った通り、何でもやってのける友人たちだ。


ただ一点、私が気になっていたことがある。
曲さぁ、OneLoveって言わなかったっけ…?
だって、Love so sweet の方がいい曲じゃん?みんな好きじゃん?

そういうとこ!
私は友人たちのそういうところが大好きだ。

今でもLove so sweetを聞くと、友人たちの優しさを感じると同時に、アフロで踊る夫が思い出される。
とんでもない思い出の曲だ。

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