つきぬけ

芸術文/実用文の間、物書き/編集者の間をフラフラと行ったり来たりしながら、何かしら新た…

つきぬけ

芸術文/実用文の間、物書き/編集者の間をフラフラと行ったり来たりしながら、何かしら新たな価値が生まれないかと日々試行錯誤しております。

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  • NJ2019DASH

    出版創作イベント「Noveljam'[dash]2019」についての告知、レポート等々 Header Image:Jan2575

最近の記事

[NJ2019]続編も読めるよ! ゆきどけなしずく活動記録

 チーム「ゆきどけ な しずく」の編集つきぬけです。 表題のイベントですが、そろそろまとめの時期に差しかかって参りましたので、11月3日その後の展開をつらつらと書いていこうかと思います。  集中して磨き上げた両作ですが、規定文字数に注ぎきれなかったエッセンスも当然あります。著者お二方によりこの1ヵ月、作品世界を広げる活動が粛々と進められております。 ​ 紀野さん渾身の参戦記 「明日から本気出せばいいや 怠惰な私が小説をはじめて書いた」 参戦を志したきっかけから、『ふれ

    • [NJ2019]ポエミング#ふれるしずく

      という訳で、ポエむぜ サワレナ心に触れられればどんなに良い近道だろうか 辿り着こうとして気付けばパラレルラインにいる 剥がれた真皮から滲出しつづけるのは単純な涙 ぶつかり、落ちて、転げ廻って、はじめて輪郭を知るものなの? ハートの形をしているかどうかもわからないから 切開されなければ自分の心臓にすら触れないから monolith荘厳な空間にいた 岩肌にふれて平熱が遷移していく 手触りではじめての刻印を見つけた あたりまえのことが書かれていた 「きみは何かと隣接している

      • 『ふれる』刊行に添えて:あきらめから歩み寄る

        二日間ぶっ通しで本を編集しました。そういうイベントがあるのです。 こちらを担当させていただきました。朝昼晩ずっと著者さんとやりとりしていると、ふしぎと作品を通して自分のことも俯瞰できたりします。 紀野しずくさんが上梓したこの小説、とにかく、ドラマがありすぎます。 ピックアップして書かないと、ひとつの記事ぐらいじゃまとまらない。まとめられないのです。 今回お伝えするのは、 歩み寄りのはじまりは、あきらめから ──この考え、案外ネガティブじゃないと思いはじめています。

        • [NJ2019]結局誰だよこんなだよ

          なにこのふざけたタイトルNoveljam'[dash]2019 が近いので自己紹介をします。 イベント詳細は例によってリンク先をみてね。 簡潔にまとめると次のような感じです。 実用書編集に従事し、文芸書の担当歴はなし。自分でもたまに小説などを書く。SF好きだけどSF書けない。下手の横好きでイラストや作曲もかじる。エ ディタやWebサービスなどのツール大好き人間。 さらっと見ていきましょう。 文芸書を知らない新米編集者仕事で編集者をやっておりますが、文芸書はからっきし

        [NJ2019]続編も読めるよ! ゆきどけなしずく活動記録

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        • NJ2019DASH
          9本

        記事

          [NJ2019]偏食スタイルで行こう

          はじめに前回のNoveljam2018秋では「著者ファースト」「核融合」というスローガンを掲げていました。前者はサポートを主軸にするという意、後者は異なる意見をぶつけることによりアイデアを生み出すという意が込められています。 しかし今になって振り返ると、その目標設定は「過程」にこだわっていたと感じます。過程自体に酔っていれば暫くはもちますが、上手く行かなければすぐにスタミナ切れしてしまいます。 私は、何においても「ツール」が大好きな傾向があります。しかしそこが入口になってし

          [NJ2019]偏食スタイルで行こう

          [NJ2019]2日間の全力疾走、あなたはどこへ向かいますか?

          Noveljam'[dash]2019 という、2日で文芸書をつくるイベントがあります。 詳細は省きますが、短期間でものすごい密度の創作に励むものです。 私は前回のNoveljam2018が初参加。今回も引き続き編集者ロールを担当します。 私の自己紹介は後の記事に回すとして、 著者さん、デザイナーさんにお伝えしたい基本的なスタンスは 著者さん・デザイナーさんの最終目的に合わせて 進め方を最適化するです。 今回は編集側から著者にアプローチをかけるシステムとのことですが、そ

          [NJ2019]2日間の全力疾走、あなたはどこへ向かいますか?

          半年寝かせてあの日を想う 〜noveljam 2018秋 生還録〜【その4】

          著者/編集者/デザイナーが入り乱れて戦う2泊3日の小説ハッカソン「noveljam」での強烈な体験を経て、何もかもが変わりました。八王子で味わった天国と地獄、そこから見えてきたことを赤裸々にレポートします。第4回にて、ラストです。 本記事で取り扱う時系列 ■二日目 22:00~ 会場閉店後、自室にて作業 ■三日目 05:00 開場(印刷のため) 07:30 朝食 08:00 チェックポイント6(最終稿提出) 14:00 作品プレゼン 15:00 チーム紹介番組 17:0

          半年寝かせてあの日を想う 〜noveljam 2018秋 生還録〜【その4】

          上がりつづける高度 〜noveljam 2018秋 生還録〜【その3】

          著者/編集者/デザイナーが入り乱れて戦う2泊3日の小説ハッカソン「noveljam」での強烈な体験を経て、何もかもが変わりました。八王子で味わった天国と地獄、そこから見えてきたことを赤裸々にレポートします。 本記事で取り扱う時系列 ■一日目 19:30 執筆開始 21:00 チェックポイント1(プロット公開) 22:00 会場閉店 ■二日目 07:30 朝食 09:00 執筆開始 12:00 昼食・チェックポイント2(初稿) 13:00 大西寿男氏校閲セミナー 14:0

          上がりつづける高度 〜noveljam 2018秋 生還録〜【その3】

          Noveljam詩集 2018秋

          詩を書きたいというひそかなモチベーション。 あまりにも強烈だったNoveljam体験を起点として、不勉強ながらも創作や編集についてずっと語っていたいジャムロス症候群。 長々と書き連ねるのなら、いっそ練習がてら詩にしてしまえという謎企画です。ご存知すぎる通りすでに2019年ですが、2018年のイベントですので気にしたら負けです。 RichTextForm五感にコンパイルされたとたん、転がり出す文字列 音に変わり、気流に乗り、いたずらに燥ぎたてる 調律がはじまり、注がれては流れ

          Noveljam詩集 2018秋

          Noveljam2018秋 スピード総括

           チームH担当編集のつきぬけです、明日はnoveljamグランプリ表彰式ですね。やれそうな施策は一通り終わったので、総括合戦の流れにのっかろうと思います。  現在連載中のnoveljam参戦記がダラダラと記憶を辿るタイプの記事なので、当記事では端的にまとめます。 目的と達成度(イベント全体)■目的 ①化学反応的な創作現場を目に焼き付けること ②編集者としての研鑽 ■達成度 ① ◎ 文句なしに達成された。グランプリ期間も含めて最高のインプットだったと思う ② ◎ 成し遂げら

          Noveljam2018秋 スピード総括

          繰り返す長編の夢 ~帰りゃんせ百物語『#夢シリーズ』~

          出版創作イベントNoveljam発の怪談小説『帰りゃんせ』の販促企画として百物語連載が進行中。その中からシリーズ化されているものをピックアップして、読み切りエッセイとしてまとめました。 この記事では、日野さんが思春期に体験した「ストーリー夢」についてのエピソードを主にまとめています。 ※ 当記事の著作権は、元記事執筆者の日野光里さんに帰属します。 市松人形のお祓い思春期の時期、やけにストーリー性のある夢ばかり見ていた。これはそのうちのひとつ。 夢の中で、私は結婚して女の子

          繰り返す長編の夢 ~帰りゃんせ百物語『#夢シリーズ』~

          七代先まで飲み明かす ~帰りゃんせ百物語『#末代バー』シリーズ~

          出版創作イベントNoveljam発の怪談小説『帰りゃんせ』の販促企画として百物語連載が進行中。その中からシリーズ化されているものをピックアップして、読み切りエッセイとしてまとめました。 この記事では、日野さん行きつけのバーに関連したお話を集めました。 ※ 当記事の著作権は、元記事執筆者の日野光里さんに帰属します。 火事で燃えた遺影去年のクリスマス会、プレゼント交換会もあるというので、いそいそとプレゼントを買って行きつけの店へと向かった。 参加者は少なくともあとひとりはいる

          七代先まで飲み明かす ~帰りゃんせ百物語『#末代バー』シリーズ~

          怪奇を呼ぶ友 ~帰りゃんせ百物語『#オカル友』シリーズ~

          出版創作イベントNoveljam発の怪談小説『帰りゃんせ』の販促企画として百物語連載が進行中。その中からシリーズ化されているものをピックアップして、読み切りエッセイとしてまとめました。 この記事では、日野さんに心霊情報を提供してくれる「オカル友」にまつわるお話をまとめました。 ※ 当記事の著作権は、元記事執筆者の日野光里さんに帰属します。 おかっぱの女の子私には定期的にオカルト談義をするために寄り合うオカル友・ポンくんがいる。 彼はその筋では有名なサイトを運営しているんだ

          怪奇を呼ぶ友 ~帰りゃんせ百物語『#オカル友』シリーズ~

          我が家の怪異 ~帰りゃんせ百物語『#むっちゃん』シリーズ~

          出版創作イベントNoveljam発の怪談小説『帰りゃんせ』の販促企画として百物語連載が進行中。その中からシリーズ化されているものをピックアップして、読み切りエッセイとしてまとめました。 当記事では、著者・日野さんの愛娘「むっちゃん」にまつわる、アットホームだけどちょっと背筋が刺激される怪談よもやま話をまとめました。 ※ 当記事の著作権は、元記事執筆者の日野光里さんに帰属します。 肉団子今日の昼間、実際に我が家で起こったことだ。 昼夜逆転中の娘が、さあ寝ようと畳の部屋の布団

          我が家の怪異 ~帰りゃんせ百物語『#むっちゃん』シリーズ~

          NovelJam販促チャレンジ『百物語』アーカイブ

          2泊3日の電撃出版イベント「noveljam」を経て、同イベント初の怪談小説『帰りゃんせ』が爆誕。その宣伝企画として、著者の日野光里さん自身が「百物語」を毎日つづっております。  既にマガジン化がされていますが、当記事ではさらにギュッとアーカイブ! 一覧性をさらに上げました。  好奇心をくすぐられる怪奇エピソードから、本気でヒヤリとさせられる実話怪談まで、ずらりと並んだタイトルの中から気の向くままにつまみ食いしてね。 2/1 百物語完走とともに、怪異発現!百物語1話目「肉団

          NovelJam販促チャレンジ『百物語』アーカイブ

          チームH、離陸 〜noveljam 2018秋 生還録〜【その2】

          著者/編集者/デザイナーが入り乱れて戦う2泊3日の小説ハッカソン「noveljam」での強烈な体験を経て、何もかもが変わりました。八王子で味わった天国と地獄、そこから見えてきたことを赤裸々にレポートします。  今回から、同チームでデザイナーを務めた米田淳一さんのチャンネルで配信された「noveljam動画参戦記」のタイムラインをなぞりつつ、進めていきたいと思います。 本記事で取り扱う時系列 ■一日目 12:00 受付開始 13:00 オリエンテーション開始 13:30 自

          チームH、離陸 〜noveljam 2018秋 生還録〜【その2】