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”生き方や考え方は何通りあったっていい“(妊娠7ヶ月)

最近読んだ本、
『旅が教えてくれた人生と仕事に役立つ100の気づき(著:小林希)』
で心に残った言葉。

旅作家である著者が世界中、日本の島々を放浪し、
その場その時に感じたことをリアルに書かれた一冊です。
妊娠中でそう遠出が出来ない今、現実逃避目的で
本屋さんの旅行雑誌コーナーに立ち寄り出会った一冊。
読書は趣味というより生活の一部で、本屋さんに行くのも大好き。
そして”ベストセラー”という推し文句や口コミ、ランキングコーナーに並べられてある本をいつも手に取ります。
”みんなが言うなら面白いに違いない”と言う安心感から。
もちろんそれで私には合わなかったなと思った経験なんてたくさんあるのですが、、、
本に限らず私は世間の傾向や目線を気にしたり、自分の本当の気持ちとのズレを無視しまうことが多いなと思います。

この本は一冊だけ下段の棚に並べられていて、
表紙の写真に惹かれて手に取ったもの。
それはポルトガルのアズレージョなのですが、
私が昨年初めてのヨーロッパ旅行で訪れた大好きな国。
そしてパッと開いたページで「自分より不幸な人が世界にはいるはずだ」という一文が印象的だったのでお家に連れて帰ることにしました。

昨年は新婚旅行と称して、休みのたびに夫と色んな国に旅行に行きました。
ハワイ、グアム、香港に大学生の時に行ったぶりだった私にとって
海外旅行はどれもエキサイティングでロマンチックな経験でした。

そして念願だったオーストラリア旅行を終え、この夏、新しい命を授かりました。
つわりがひどかったこともありすぐに仕事をストップし、
お家でゆっくりしながらぽんぽこ(我が家のベビーネーム)を育てることが私の一番の仕事に。

youtubeで色んな方の海外旅行のvlogを見ながら
次はここ行ってみたいな〜とか、私もここ行ったな〜と想いに耽るのが、ジェットコースターのような妊娠期のメンタルを安定させる良い薬になっています。
またソファで過去の海外旅行の写真を見返しながら「私にとってその旅行が意味したものは何だったのかな」と振り返ることが多くなりました。
実は安定期に入った今、赤ちゃんを迎える楽しみと同時に
日常にぽっかり穴が空いたような気持ちになっていました。

結婚式を終えて夫婦で初めての海外旅行で向かったのはシンガポール。
綺麗な国で治安も良いと聞いていたので、私がここなら行けそうと選びました(笑)
夫は50ヶ国以上旅経験があり旅慣れているのでチケットや旅程は全て夫任せ。
携帯もほとんど使わず、とにかく私はその国の景色をいっぱい見て感じることに徹することが出来ました。

先進国だし、英語圏だし、中華系だったら顔も似てるはずだし!
と思ってシンガポールに降り立ちました。

みんな英語を話しているからこの人は現地のシンガポール人なのか、中国人なのか韓国人なのか日本人なのかそれとも全然違う国の人なのか見分けがつかないし、東南アジアから来たであろう観光客の人もどこの国の人なのかは分からない。知らない言語で話している人たちがいっぱいいる。
そして自分が日本人であることが何の意味も持たず、誰も気にしていない。
そもそもこの人は何人か分かったところで自分は何しようとしている?
こんな服は日本じゃ着れないよな、私が今まで信じてきた美意識って海外の人から見たら綺麗でも可愛くもないのかな。
思考がぐるぐるぐる〜と目まぐるしく、そして自分の価値観で目の前の景色に判断を下そうとしていることにもハッとしました。

ただ、もし周囲に人に「あの人は日本人だね」とか「太ってるね痩せてるね」「おしゃれだね、ダサいね」とどう判断されていようと怖くないし、むしろ全く自分が周りからどう見えているかは気になりませんでした。
違って当然、だって私はジャパンから観光に来た外国人だから(笑)
日本の自分の日常よりも遥かにグローバルで、地球儀をギュッとしたような円のなかにいる感覚。でもそれが不思議と居心地よく感じたのを覚えています。

そしてそのあとも夫と2人で私が行ってみたい!と思った国へ色々と旅行に行くことになりました。
海外に行くたびに「英語で注文できたぞ!」とか「汚いトイレも使えたぞ」とかどんどん自分がアップデートされていく実感がありました。
この本にある「旅先は学校、現地の人は先生」と言う言葉、すごく共感します。

そして海外に行くと、自分の「こうあるべき」という価値観が、いかに周囲の環境や他人の嗜好によって形成されているかに気付かされます。
私は「真面目で良い子」と小さい頃から言われてきたし、家族や近しい友達には「なみちゃんて強いよね」と言われます。
でもその一見ぶれない強さや真面目さは、
本当はガチガチに凝り固まった自分の「こうあるべき」を守るのに必死だったから。
でも違う環境に行くと視野が広くなり、現地では現地の文化が常識になるから自分の思考を緩めて受け入れないと楽しめない。
そうして他人に対しても自分に対しても「こうあるべき」と価値観を押し付けるのは幸せから遠ざけてしまうんだと学びました。

みんなが美味しいと言うものを美味しいと感じる必要はないし、
みんなが持っているものを持つ必要もない。
自分の考えと相手の考えが違って当然で
自分ができることや好きなことを自分が認めてあげること。
それがみんなができないような特別なことじゃなくていいし、みんなと好みが似てなくてもいい。
自分の頭で考えるみんなって、みんなじゃないよ?
そして他人と自分では感じ方や考えが違うからこそ、そこに学びがあること。

これから母親になるわけだけど、
自分にとって親としての例は両親だけです。
自分の親がこうだったからこうあるべき、
他の家はこうだからうちもこうするべき、
子育て本に書いてある通りするべき、
そういう思考にとらわれず、比較せず、
今目の前にいる家族と自分は心から笑っているかな?幸せかな?
を大切にしていきたいと改めておもいます。
そしてまた自分のお腹から生まれてきたぽんぽこは、私とは別の人間、見る景色、感じ方、考え方は違う。
私たちにできるのは、自分らしく自分の幸せを見つける手助けをすることなのかなと思います。

子連れ海外は大変なんて言うけれど、私は夫と旅行に行くのが大好きだから、
メンバーが増えて3人で海外旅行に行くのが楽しみだなと思わせてくれた1冊に出会えました♡


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