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倦怠散文

突然だけれど、「過去はある?」と聞かれたら、「無い。」と答える。別に哲学的な話をしている訳ではなくて、わたしは自分の衝動性ゆえ、過去に気を配る能力が極端に低い。

突然頭に閃光が走り、行動する。そのとき、わたしが持っていたはずの、過ぎ去った時間(のようなものは)姿を隠している。わたしは見向きもせずに(できずに)突っ走る。

思い出は、痛い。それも多ければ多いほど痛い。だから後ろは振り返らない。痛いのは嫌だから逃げて回る。時間が経つとそれらはただの傷跡になり歴史に刻まれる。まるで何にもなかったみたいに。

だけどもその傷跡が突然痛くなる日が、ほんのときどき訪れる。
それは大抵、過去に自分が達成できなかった美しい時間を、今この瞬間に過ごしている人が目の前に現れたときである。
それは逃げ回った代償であり、わたしにはその痛みを体感する義務が生じる。

すぐに目を逸らす。だけどもその光景はたとえ一瞬であれ脳裏に焼き付いて、眠りを妨げ、酒か睡眠薬に飲み込まれる羽目になる。

わたしが一生手にすることのないあの空間を。

本当に欲しいのは思い出じゃない、今なんだ

BUMP『supernova』


【余談】
痛む前に処理してください。

SKRYUに脳内ハックされて早数週間…


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