見出し画像

9年ぶりにジェルバ島へ行く 6 〜 スターウォーズ撮影地・マトマタへ 〜


私はこれまでちゃんと、スターウォーズを見たことがない。

でも、マトマタという、スターウォーズの撮影があった場所で有名な土地にはこれまで何度かきていた。といっても、9年前までの話。

マトマタにある、ベニ・ゼルテンという場所の一軒の家。知り合い家族が住むところ。子どもたちが大きくなっていた。今夜はマラガという、トマトとハリッサと羊の肉の入ったじゃがいもとそら豆入りスープ。ぱんといただく。
夕景は、本当に美しい。
食後のケーキ。炭酸入りの飲み物はお祝いの時の楽しみ。子どもたちがファンタオレンジを選んだ。私はコカコーラを。みんなでワイワイの食後のひととき。
荒野をひたすら走った車の中から。灼熱の荒野はどこまでもつづき、自分と空と大地しかないというシンプルさを感じさせてくれる。そして風の心地よさと日陰がごちそう。

たくましい4姉妹がかつてそこに住んでいた。
彼女たちの母と共に。

でも3年前にその母は亡くなり、4姉妹のうち1人は結婚し、子を2人もうけた。
今も近くに住んでいる。

あとの三姉妹は家に住み、家畜である山羊、にわとり、ロバ、犬を飼って生活の糧としている。

家の前にはほとんど木の生えていない山が広がるだけ。

住んでいる家は、姉妹の兄たちのてづくり。
ちなみにここに水が引かれたのはまだ20年も前ではない。つい十数年前のことだ。

だから、飲み水として雨水をためているのはチュニジアならどこも同じかと思うが、南部はこの5年、まともに雨が降っていず、ジェルバ島の人々も、マトマタらサハラに近いところに住む人たちも毎日大雨をまちのぞんでいる。

私が見たオリーブの木は、9年前に比べて痩せ細っていた。信じられないほどに。

雨が降らないせいだ、緑が死んでいる、そう嘆いている。

南部はサハラに近いため、砂がかなり家の中に入ってくるから掃除が大変だ。

ジェルバ島はまだ都会であるが、マトマタ以降南部となると、枯れ果て、渇き果てた川であっただろう跡地が、荒野くらいの見た目に変わっている。

人々はそれでも、山に備えてある備蓄の雨水をロバと共に汲みにきては、長い長い自宅までの道のりを歩いて帰るのだ。

乾ききった大地
ロバで高い場所から低いところまで荷物を運び、歩く年配女性。
砂色の大地に点々と家がある。人々の暮らしがここにもある。姉妹らの家はここから少し離れていて、近所に人はいなくなっている。みんな、都会の親戚の家に引っ越したようだ。

人生は、世界どこも色々な営みがあるものどなと思わされる。

でも、彼女らと話していると、家事をして家畜の世話をして、仕事をして、1日3回はお茶の時間を持ち、夕飯をつくる。
とてもシンプルライフ。
でも、3姉妹のうち、賢くて刺激がほしい末っ子は、どこか物足りなく感じていて。
それでも都会の兄のところや、ジェルバ島に来る気はないとのこと。

ここで生まれ育ったんだから!というのが3姉妹の良い分。

なるほど。
たしかにここは、気持ちが良い。
自分と自然も食べてお茶してとにかく生きること。それ。

5歳と3歳の子どもたち。おしゃますぎる。マニキュアとか携帯を勝手に使う。でも本当、綺麗な子たち。可愛い。
月明かりがあるから、夜に外に出ても光を頼りにみんなとおしゃべりできる。
てづくりの自宅。ドアが小さくて頭をいつもぶつけてしまうのが困ったもんだー
城壁のところで散歩する山羊と羊。
窓には網戸がなくて、ハエがすっごく入ってきてしまう
お茶の時間が好き。オリーブの木の下は最高の日陰ポジション。
山が見える。日陰で朝ごはんと仕事。
少し離れた場所で水を汲みに。
城壁からみるじぶんたちの街。一望できる場所。

ここで、腰を痛めたままきたのでさらに悪化した。
クッチャネ、、しかできず。。無念。

こんなふうに、ヤシで小物入れなどを作って売っているが、なかなか生活の糧、とまではいかない様子。

とても可愛くて、いいなーと思ってたら、お土産に!と全部くれた。

この子は気が良いので、なんでも人にしてあげる。

でも、せっかく頑張って仕事してデザイン考えてつくったんだから、日本でも売ってくれたらいいなーという思いはあるようだ。

帰国したら考えてみよう。

私のマトマタ紀行。

彼女たちとの数日間、9年ぶり、
世界のコロナ流行、物価高騰、いろんなことがあった影響で、みんなも少しずつ経験値経て変わっていった。

でも、マトマタいいなあ。
山が、いい。
月明かりも、この独特の動物のにおいも。

ここへきて初めて、日本でも食べてなかったレバーを食べた。美味しかった。

朝からせっせと肉屋にいって、肝臓を洗っていたのはこのレバーのためだったのか、と感謝。

マトマタの人は早口で理解が追いつくのにじかんがかかったが、たくましさと優しさに感謝。

アルジェリアにも近いこの場所でこれからも逞しく生きてほしい。

ちなみに。ここちくると、ペットボトルの水2本は必須。
それで洗顔、歯磨きをするのです。

地元の水は以前飲んだけど、体にうけつけなかった。

手洗いの水も何度も同じのを使うので、ウエットティッシュを持っていく。

でもそれを使うたびに、ごめんね、と懺悔の気持ちになる。

髪は洗えないしシャワーもできないけど、それで良いからら行きたくなるマトマタ。

自然と一体化?に近づいた時間。

神様に感謝、みんながいう。私も思う。

異文化を受け入れてくれて、ありがとう。

次回はジェルバに戻り、一番好きな場所へ9年ぶりに行った話を紡ぎます。


この記事が参加している募集

多様性を考える

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?