クリスマス・マーケットを歩く
11月いっぱいでコロンビア留学を終え、12月半ばに「本来の」留学先であるドイツに戻っていました。とはいえ10日ほどの滞在で、リサーチを続けるために今はまたコロンビアに戻ってきています。ケルン・メディア芸術大学では各学生のプロジェクトや卒業制作に7000ユーロの予算がつくようになっていて、今回はそれを渡航費に充ててコロンビアに来ました。ただ、州から出ている予算なので自由に使えるわけではなく、航空券をとれても生活費には充てられないなど制約があり、またソフトウェアなども買えないため、代わりにパフォーマンス用の衣装ということで予算で服を買っています(笑)。
ボゴタからエール・フランスのパリ経由でドイツのデュッセルドルフに行く予定だったのですが、久々に航空券で「はずれくじ」を引いてしまいました。というのもボゴタ発の便が整備などで3時間遅れになっていると当日連絡があり、パリでの乗り換えができなくなるので代わりにコロンビアの航空会社のアビアンカの便でロンドン経由で行くよう伝えられました。ここまではいいのですが、チェックインしようとするとスーツケースの預け入れができないとのこと。しかし、確かにコロンビアに来たときはスーツケースを持ってきたので、よくよく調べてみるとチケットが振り替えられた際に預け入れの分がなかったことになってしまったそう。しかもアビアンカ側ではどうにもできないので160ユーロ払えとのこと。しかし遅延の上にそんな額を出すわけにはいかないので、スーツケースを引きまわしてエール・フランスとアビアンカのオフィスとカウンターを行ったり来たりする羽目に。
4時間ほど交渉を続けた末にエール・フランスのスーパーバイザー(上司)なる人が出てきて解決してくれました。最初からその人が出てくればすぐに済んだのに、という理不尽さを感じるとともに他の乗客は翌日の便を提示されていたりと旅程が狂わされていたようなので、当日着く分だけ恵まれているほうなのだと自分に言い聞かせました。
少し遠回りになりましたがロンドン・ヒースロー空港での乗り換えになりました。ちなみにエール・フランスのメールでは遅延に際してバウチャー(空港で使えるお詫びの意味合いのクーポン)がもらえるとのことだったのですが、ボゴタのスタッフに聞くとオンラインで問い合わせろとたらい回しに。ロンドンで乗り換え先のブリティッシュ・エアウェイズのスタッフにダメもとで聞いてみると、「本当はだめだけど…」といいながら10ポンド分のバウチャーをもらえました。聞いてみるものですね。
さて、ドイツでは観光したり友達と会ったりする傍ら、書類にサインしたりミーティングしたりと忙しい滞在だったのですが、12月ということでクリスマス・マーケットに何度も足を運びました。ドイツでは11月頃になるとどの町でも広場などに屋台やクリスマス・ツリーが設置されます。スケールは街や広場によってさまざまで、グリューヴァイン(いわゆるホット・ワイン)とソーセージの屋台しかない小さなものから、場所によってはスケートリンクやメリーゴーランド、仮設の観覧車まで設置されます。
今回の旅の最初の目的地はハンブルクです。友達でキュレーターでもあるジャンヌがミートアップを開くので誘われたのですが、急に冷え込んだせいで発表者が全員体調不良でミートアップはキャンセルとなり、結局ジャンヌとそのパートナーとクリスマス・マーケットに行くことになりました(笑)。まずは近所の小さな広場でグリューヴァインをいただきました。このグリューヴァイン、買うときにワイン代とカップ分のデポジットを払う仕組みになっているので、カップは返さないでそのまま持ち帰ることもできます。店によっては凝ったデザインになっているものもありコレクターズ・アイテムでもあるようです。
まだ時間があったのでせっかくなので地下鉄で市庁舎の隣の大きなクリスマス・マーケットに行こうということに。ただ、ジャンヌのパートナーはあまり乗り気ではなかったのでそこから別行動に。同じドイツ人でもクリスマス・マーケットの好き好きは人それぞれですね。上の写真やカバーの写真はその市庁舎のマーケットで、大きな(ハリボテの)ツリーやディズニーランドを彷彿させる土産店などもありました。
土産店の種類は正にさまざまで、ブラシに特化した店までありました。手のマッサージ用、ネイルケア用、顔のマッサージ用、それからコンセントの掃除用まで。ドイツのコンセントは円形のソケットになっているので、ブラシがそれにぴったりはまるサイズになっているそうです。若く気さくな店員で、「他の地域のコンセントでは使えないね」と言ったら「来年は用意しておくよ」と返してくれました(笑)。
グリューヴァインに次ぐクリスマス・マーケットの定番と言えばじゃがいものお焼き「ライベクーヘン」(ハンブルクでは「カトーフェルプファー」と呼ばれていた)なのですが、この日は平日でマーケットが21時で閉まることを知らず、屋台に行ったときは既に最後の一つが捌けてしまっていました。二人で落ち込んでいると、見かねた店員が残念賞として残っていたフライドポテトをただでくれました(笑)。
翌々日にリベンジとしてジャンヌと別のクリスマス・マーケットでライベクーヘンを注文。じゃがいもをすりつぶして塩味をつけて揚げたものですが、ドイツ人はリンゴのソースといっしょに食べます。この屋台ではソースかけ放題だったのでたっぷりといただきました。不思議なコンビネーションですが、マスタードやケチャップよりもフレッシュに感じられておいしく食べられます。たっぷりと油を吸っているので、余計にリンゴのさわやかさが合うのかもしれません。
時間があったので再び市庁舎のマーケットにも行ってこちらではチーズのシュペッツレ(卵を使ったパスタ)を食べました。
そして前に食べ損ねた店でこの日二度目のライベクーヘン。ひたすら炭水化物を摂ってお腹いっぱいになりました。
ハンブルクの次はベルリンに行ったのですが、ベルリンはあまり伝統などにこだわらない街なので(もちろんアレクサンダープラッツなど中心の観光エリアではクリスマス・マーケットを見かけたけれど)クリスマス・マーケットには行かず、レイヴだったり友達のパフォーマンスを観に行ったりして過ごしました。
そしてドイツでの最後の目的地は私の在籍している大学のあるケルンです。カーニバルなどお祭り好きのケルンではクリスマス・マーケットも大々的に行われます。特に大学のすぐ近くのホイマルクトやチョコレート・ミュージアムの周りは連日人だかりができています。
こちらでもやはりライベクーヘンを注文。屋台にもよると思うのですが、ハンブルクのものはサクッとしていて、ケルンのものは比較的もっちりとしていました。ケルンやデュッセルドルフの地方はマスタードの生産で有名なので今回はマスタードにしてみたのですが、上に書いたようにリンゴのソースの方が合う気がします。
クリスマス・マーケットでは陶器なども売られています。
大きなクリスマス・マーケットに必ずあるのがチーズとソーセージの店。人気とは言えませんがちらほらと買い物をしている人も見かけるので需要はあるようです。翌日の朝食にするのでしょうか。
ロリポップなどキャンディの店や、その他にナッツ、焼き栗の店は定番です。
ドイツ滞在最終日に会った友達はライベクーヘンが好きではないとのことでホットドッグを食べました。ソーセージが豪快にはみ出していて、肉もジューシーでした。この日はあいにくの雨で、クリスマス・マーケットではいちおう飲食スポットとして簡単なテーブルと屋根があるのですがそれもいっぱいだったので隣の倉庫のようなところの軒先で食べました。屋台の軒先で飲食している人も多いですが、注文する人と混ざってカオスになっていていました。秩序立っている印象のドイツですが、そうでもないことも多いです。
そして締めはやはりライベクーヘン。
去年はこの時期に日本に一時帰国していたこと、そしてその前はコロナ禍だったので今回久々にクリスマス・マーケットを満喫できました。人混みは苦手ですが記事の通り食べ歩きが大好きなので楽しむことができました。
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