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People Firstの考え方

先日に引き続き、イギリスの障害学という本を対面朗読で読んでもらった。
今日は第26章の利用者主導の組織-自立生活の促進‐という部分。
執筆したのは障害学で有名なリーズ大学のGeoffrey Mercer。

私は英国で初めて知った当事者団体が王立英国盲人協会だった。そこは年間数百億規模の予算、数千人の従業員を抱える巨大な当事者団体。しかも、その運営費のほとんどは寄付で賄われていうのだから驚く。英国はすごいなぁと思っていたのだが、この本を読むと王立英国盲人協会が英国の中でも異例中の異例の存在であり、ほとんどの団体がしっかりと組織化するにいたっていないということがわかってきた。

なぜ、当事者団体の存在が必要なのかといえば、専門家主導ではなく当事者主導で障害者に関わる社会福祉の増進を推進するためだという。

そんな議論の中ででてきたPeple Firstの考え方。これは何かというと、「障害者である前に一人の人間である」ということを主張した考え方。当たり前と言えば当たり前なのだが、日本語ではこういった概念を表現する手段がまだないように思う。
例えば、以前は
disability personのように障害という言葉が人を表す単語の前にきていた。
これを現在では、person with disabilityのように最初に人を表す言葉がくることが一般的だ。

こうして言葉の表現という側面からも、自分たちはこうしてほしい!と社会に訴えてきた歴史が伺える。

当事者主導で動くことが大切なんだ!と主張してくれる専門家がいるということも大きいと感じた。

次は障害者と余暇に関する章だ。

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