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O美術館(東京都品川区・大崎駅)

書家による長谷川耕史の展示会。市民ギャラリーとして使われることの多いO美術館において単体の作家による展示会は珍しく、とても見応えのある展示となっている。全ての展示室で単体での作品展示となっており会期も1ヶ月としっかりと期間がとられており、今年度のO美術館における展覧会では目玉の一つと言えるかもしれない。

展示は長谷川耕史が現在3代目の代表を務めている日本書鏡院のあゆみからはじまり、この世界的なパンデミックに陥った時代のなかで 書を通してどういったことができるのか、模索しつつ闘った歴史へと続いている。

強いメッセージ性が伝わる

また、角松敏生、三浦和良、ガッツ石松など芸能関係者からのメッセージを書にした作品も多く展示されている。中でもやはり注目なのはラーメン二郎の総帥・山田拓美による「にんにく入れますか?」であることは間違いない。中島みゆき『糸』や山口百恵『秋桜』、井上陽水『少年時代』の歌詞を書で表した作品もある。

座右の銘にすべき金言

古典に目を向ければ良寛、徒歩、李白といった古人の詩を表している作品などは書家ならでは。禅語もある。現代へのアプローチもしながら、それだけでなく基礎的な部分もしっかりと根付いているのがわかる。日本酒のラベルや防衛省などの看板への揮毫も紹介されている他、映画のポスターや力士の相撲化粧まわし、祭へ向けた書の展示などバラエティに富んでいる。書とは文字を綺麗に描くことだけではない、書くというプレゼントを根底にした展示は非常に興味深い。トイレはウォシュレット式。

バラエティに富んだ展示内容

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