始発

始発。
今日は、昨日から眠れなかった。
そりゃあ起きてから布団とお手手繋いでいれば眠気など来るはずもない。
それはいい。寝れないからもういいやと。
散歩と思う。
真夜中の散歩は好きだ。
でも時計は4時をさし、今日は母さん在宅ワークだ。
家に居づらい、だから、出る必要があった。
それでも何だかんだと思案して、いつの間にか眠ってしまって、目覚めたら、朝とも昼とも取れる時間に起きるだけ。
でも今日は眠れる気がしないから散歩と、いっそのとこもう出かけちゃえ。
またまだ星はキレイに光る。
冬だ、くっきり見える。
いつも通ってたあの道にある新築マンションはこの時間でも輝きを放つ。防犯というより、これはデザインか。映えか。
太もも中心に痒みが出る。
血流の流れが原因とかなんとか。
階段の登り降り、それも指で数えるほどの一階と二階。
流すのは尿だけだった。
改札前に列が出来てる
始発だというのに。
でも始発は初めてだ。きっとなにかあるんだろうな。
開く扉。駆け出す人々。
静寂を期待していたけど、これは喧騒だ。
車内だって空いちゃいない。
がっかり半分、おどろき半分。
座席の穴は次の駅でそこそこ埋まる。
ただ、たしかに静けさはある。
ここには働く人しかいない。
電車広告もきっとまだ眠ってる。
ここにいる人達が見てないことを知っているような、そんな気がする。
目に写るものに新鮮さはない。時間経過のスピードも同じだ。
とてもこれを続けようと思わない。
そんなことよりも
気の向くままに、家を出て、
気の向くままに、ペンを走らせている、
今この時間がなによりとても嬉しいのだ。

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