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【映画感想124】アミューズメント・パーク/ジョージ・A・ロメロ(2021)


あけましておめでとうございます。
あまりにも語彙力がなさすぎるので週2で映画の感想を書き始めた映画好きの絵描きです。

去年100本突破したあたりから更新が止まり気味になり、今年こそは200本!!と一念発起で再開しました。週一に減らしたりするかもしれませんが気合いで行きたいと思います。
高まれ語彙力!


感想(ネタバレあり)

アマゾンプライムで視聴。あらすじのところに「遊園地で老人が罵られ、大変な目にあう。」としか書かれてなかったのでどんな映画なんだろうと思ったのですが、遊園地で老人が罵られ大変な目にあう映画でした。

金品を騙し取られ若者にボコボコにされ病院ではまともに診察してもらえない。

ホラー映画監督なのでさらにえげつない展開(子供に絵本を読んであげたところを不審者だと誤解され大変な目に遭うとか)を想像してましたが、予想よりはマイルドでした。

ひたすら若者たちに酷い扱いをされる老人を見せて「あなたもいつかこうなるかもしれませんよ」というメッセージを語る構成。

よく言えば無駄なくシンプル、
悪く言えば教習所の教訓ビデオっぽい。
ただ20分くらいという短さでサクッと観れるのでストレスはあまりない。

冒頭と最後の語りがやけに説明的だなあと思っていたのですが、後から調べたら教会から依頼されて作成されたビデオだったと知って驚きました。
なぜロメロ監督に……!?


ロックな教会だなあ〜と思ったら老人が酷いめにあう姿があまりにえげつないのでお蔵入りになったそうです。
これどういう流れで依頼になったんだろう。関係者にロメロ監督のファンがいて「間違いねえって!この人なら間違いねえから!」と説得したのでしょうか。
ならお蔵入り決定となった際、その人大丈夫だったんでしょうか。責任を取らされていなければいいんですけれども。

作成は1973年らしいので、当時のアメリカ社会がわかってれば理解できる皮肉もあるのかな…とちょっと検索してみたら、

ベトナム戦争の戦後処理
石油ショック
インフレ
ウォーターゲート事件

などなど色々混乱の時代だったというのに加え、
老人ホームのような?高齢者のが終身で暮らすことができるCCRCという生活共同体がこの時代からアメリカで急増したそうです。(Continuing Care Retirement Community」の略称)

時代背景、高齢者向けの共同体の急増、そして映画内で老人が受けた仕打ちは因果関係がある気はするのですがこれ以上は分かりませんでした。

社会から老人が搾取され、しかしその声は誰にも届かずいないもの扱いされる……という雰囲気でしょうか。この年代が舞台の映画を観たらまた理解できてくるのでしょうか。


ところでじゃあ高齢者にフォーカスした政治を行えばよろしいか、といえば日本を見るとそうでもない気がするので複雑な気持ちになります。誰かのための政治はちがう誰かに皺寄せがいく。
完全なる平等、難しくないか。もうコンピュータに管理されるしかないんじゃのか。そしてマザーコンピュータが暴走し、市民は幸福であることを強いられるのだ。

そういえば、暴徒に襲われる際ストップモーションみたいに近づいてくるのはちょっと好きでした。行間の動画が抜かれるとその部分を想像で保管しようとするせいかより怖くなる気がします。他のホラー映画でもこういう演出あるのかなあ。


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