見出し画像

『世界の果ての通学路』

ドキュメンタリー映画「世界の果ての通学路」は、アフリカのマサイ族の兄妹、モロッコの女の子、アルゼンチン、インドの兄妹の4家族の小学生が学校へ通う様子を淡々と描いているだけのものだが、未舗装の悪路、象が支配する危険な草原、山脈を越えて行く石だらけの道、およそ、1時間から時には4時間を要する通学路を行く子供たちの姿が、実に感動的である。

学校へ行くと言うこと、勉強するということは何だろう?ということをつくづく考えさせられる。

子どもたちが言う。「勉強して、立派な大人になって、お金を稼いで、私の家族を助けたい」

インドの子(足が悪くて、ボロボロの車いすに座り、それを兄弟2人が押して通学)が言う。「人は何ももたないで生まれてきて、何ももたずに死んで行きます。僕の生き方は、勉強して医者になって、僕のように足の悪い子を治療してあげることです」

これが小学生の言葉である。

マサイの子は「今日は国旗当番だから」と4:30に家をでる。草原や茂みを走りに走って(この走る姿が圧巻。現代のマラソン走りとは違う、上体を傾けて歩幅を小さく、上下動がほとんどない独特の魅力がある)学校へ着くと国旗の掲揚を行う。その子の表情が何とも言えない威厳に満ちている。前日の夜、父親が懇懇と言い聞かせる。「どこそこは象が多いから避けて行きなさい。万一象が向かって来たら全部すてて逃げなさい」当日の朝、子供たちがでかけた後で、暗い中でこの父が祈り続ける「神様どうか子供たちが無事に学校へ行けますようにお守りください」

#映画 #学校 #子供 #インド #ドキュメンタリー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?