楽しくて　悲しくて

　涙も枯れ果てて

　笑顔だけが残り　笑顔だけが映り

　あの子の顔が　見えなくなった

　嬉しくて　苦しくて

　何もかも疲れ果てて

　笑顔だけが残り　笑顔だけが映り

　あの子の顔はもう　見えない

　空手水の所作に　疑問を覚えて

　あの子の指を　見られはしない

　私の指も　見られは　しない

　こんな手で　触れていいのかしら

　こんな手で　何ができるのかしら

　笑顔だけが　笑顔だけが　見えて

　あの子の顔は　どんな顔？

　あぁ　私に　私に　何が　できる

　そっと　手を伸ばして　触れる肌の冷たさに

　ぞっと　感じられる　あの子の鼓動の儚さに

　あふれて　こぼれた　感情の　旋律は　

　何か呼び覚ましてくれるものがあるだろうか

　それともこの儚さが　あの子の救いなのだろうか

　あの子の　笑顔だけが　残り……

　かすんで　こわれて　笑顔さえ　見えなくなった