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「カメラではなく、心のフィルムにお焼き付けください。」


去年、ルミナリエの警備員が言っていたセリフだ。

人の流れを止めないように、「立ち止まっての写真撮影はおやめください」とスタッフが何度も何度も注意していた。けど残念なことに、立ち止まって写真を撮り続ける人が後を絶たなかった。

そこで出たセリフが、「カメラではなく、心のフィルムに焼き付けください」。それでも、カメラ中毒者にはこの言葉すらも届かなかったようで、写真を撮り続けていた...。


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昨日、とある寺に紅葉のライトアップを観に行ったときも、同じようなことがあった。

一番の絶景スポットは細い橋の上であり、そこでの写真撮影は禁止。それを徹底するために、スマホとカメラを持ったままだと橋を渡れないというルールが課されていた。

「スマホとカメラをしまった人から橋を渡ってください。どうしても写真を撮りたくなってしまう景色が広がっています。心のフィルムに焼き付けてください。」

橋の入り口のスタッフがそう呼びかけていた。ルミナリエのスタッフと同じようなセリフでびっくり。(流行ってるのかな?)

確かに、橋の上からの景色は美しすぎた。あまりに絶景すぎたせいか、カメラ中毒者は我慢できずにカメラを取り出していた...。


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レンズ越しの景色、スマホの画面越しの景色が、自分の目で見た本物の景色を超えることがあるでしょうか。

自分で撮った写真をSNSにアップして、他人に見せることに全力を注ぐことを否定はしません。しかし、それで自分自身の貴重な体験が損なわれてしまってもいいのでしょうか。

フォルダに眠っている写真が、他人の撮った同じ場所の写真と入れ替わっていても、気付けるでしょうか。


そのときそのときの一瞬の光景を、自分の目で見ないことは本当に勿体ない。安心してください。自分で写真を撮らなくても、もっと綺麗な写真がインターネットには溢れています。


そろそろイルミネーションの季節がやってきます。私はもちろん、イルミネーション点灯の瞬間は、自分の目に焼き付けます。

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