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【畜産】嗜好性とは

皆さんは、「嗜好性」という言葉を普段なんとなく使っていませんか。
嗜好性という言葉は、主に人間の赤ちゃん、牛や馬などの畜産動物、ペットなどに使用されます。
今回は牛にフォーカスして嗜好性の正体を探っていきます。


嗜好性とは

嗜好性とは、におい、形、大きさ、食感、味などの要因によって動物が好んで食べる事のできるの特徴を指します。嗜好性は動物種の五感能力に依存し、決定されます。
赤ちゃんは味覚が発達しておらず、犬は鼻が良いです。このように、種により、それぞれの成長段階によっても嗜好性は変わってきます。

種による嗜好性

犬・猫


犬、猫は嗅覚が一番鋭い感覚であるため、においが受け入れられないと食べられません。猫は特に、様々な要因の変化により、偏食傾向があります。


馬も嗅覚が非常に優れており、その点において犬猫と同様であると考えられています。
また、馬の味覚は甘いものを好むということが知られています。一般にイメージはないかもしれませんが、馬は人参以外に、りんごやバナナ、みかんも食します。また、運動後にポカリスエットを与えるなどする乗馬クラブもあります。
さらに、馬の口の周りにはヒゲのような触毛があり、これで食べ物との距離感を測ったり食べ物を確かめたりしています。

牛の五感と触覚

視覚

一般的に牛は色盲、近視と言われています。一節では色を見分けられる可能性があるとされていますが、そうであったとしても色弱であると考えられています。

聴覚


不快な音や大きな音の前では食欲が減退する。一方で、音楽を流すと食欲が増進するという説は否定されています。

触覚


放牧地の中から倒れたものと直立した草を区別して食べます。

嗅覚


牛は嗅覚を外敵の認知、他の牛の特定、発情のサインなどにも使用します。餌に対して使う嗅覚は慣れや他の物質が少し加わっただけでも結果が違ってくることから判断が難しいそうです。牛糞の匂いは嫌います。
牛は経験を積むほど食物に対して保守的になる傾向があります。そのため、嗅ぎなれない餌は好みません。

味覚


現在、脳の発達具合によって味覚の繊細さは変わってくると考えられています。したがって、子供は甘いものを好み、苦いものを嫌うといった単純な嗜好性になりやすいです。牛も同様で、大人の人間ほどの味覚情報処理能力はないと考えられています。旨味、渋味に対しては反応は薄いそうです。そのため、甘みを強くし、苦味や辛味をより抑えるのが飼料給餌において大切になります。

結論

このことから、牛の給餌において大切なことは
①糞の匂いがしない
②腐敗臭がしない
③特殊な匂いのする餌は若いうちから慣らしておく
④本来の主食であるくさそのものの香りがするサイレージ、乾草
であること、となります。

【参考資料】
https://www.nemuro.pref.hokkaido.lg.jp/fs/2/2/4/9/7/9/4/_/21-01.pdf

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