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お家で、話題の新作「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」の予習をしよう。

個人的に、だいぶ前から密かに楽しみにしていた映画「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」。大変残念ながら、コロナウイルスの影響で現在、公開延期になっています。

原題は「LITTLE WOMAN」、アメリカを始め日本でもリメイクされている普及の名作です。アメリカの作家、ルイーザ・メイ・オルコットが1868年に執筆した自伝的小説「若草物語」が原作と言えばお分かりになる方も多いかもしれません。

とはいいつつ、「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」という邦題なものだから私自身全く若草物語のリメイクだと気付かず。シネコンに行く度に流れる爽やかすぎる予告編を見て、もうこれは見るしかないと思っていました。

まず、目を引くのは豪華なキャスティングです。主人公・ジョーは今をときめく若手女優のシアーシャ・ローナン。ジョーに惹かれる御曹司のイケメン、ローリーはティモシー・シャラメ(!)。そして、ジョーが敬愛する控えめながら美しい姉メグはエマ・ワトソン。映画広告を見るだけで輝いている・・・。ジョーと折り合いの悪い、少し意地悪なおばさん役はメリル・ストリープですからね。

若草物語は普及の名作なので、ストーリーはもう素晴らしいと分かっている訳ですから、役者の演技が見どころになりそうです。もちろん、初めてストーリーを知るという方はより楽しみが多いですね。人生とは、結局こういうものなのかもしれないと思わせる、極めて普遍的なストーリーです。(そう、私I LOVE 普遍なのです。)

さて、映画館で新作が見れない代わりに、ぜひこれまで幾度となく映画化されていますので、今回は過去の作品を復習してみましょう。きっと、ますます新作の公開が楽しみになるはずです。

「若草物語」(1949)

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時は遡りますが、1949年マーヴィン・ルロイ監督の「若草物語」です。白黒映画ですが、それがかえって役者達の個性が生き生きと光らせており、シンプルなストーリー展開も心に響きます。古き良き時代の家族の団欒、豊かではないけれど姉妹で助け合い、病に倒れている隣人に食べ物を分けに行く様子など現代では感じることの少ない光景が印象的です。

一人一人のキャラクターが魅力の若草物語ですが、ジョー役のジューン・アリソンがとっても良い!ジョーは有名な作家になることを夢見て、“女の幸せ=幸せな結婚”と考えられていた当時の世の中と葛藤しながら、逞しく生きる女の子です。女性らしさなど気にせず、結婚なんてしない!と言い張るジョーを飾り気なくリアルに演じています。(失礼ですが・・美人過ぎないのがまた役柄に合っています。)

また、姉妹の家の向かいに越してくる御曹司、ローリー役はピータ・ローフィード。物憂げな瞳にカーリーヘア。自由なジョーに惹かれていくローリー役にぴったりでした。

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この物語の素晴らしいところ、それはお金持ちの優しいイケメン青年に言い寄られても「作家として認められ、生きていきたい」という思いを貫くジョーの強い生き方にあります。また、結婚はしないと言い張っていたものの、人はそこまで強くなれないし、自分はとても孤独であると認めるジョーの素直さも素敵です。

1949年の若草物語は、極めてシンプルなストーリー展開と、無駄を削ぎ落とした表現でそれを伝えています。シンプルだからこそ伝わるのかもしれません。若草物語の魅力がぎゅっと濃縮されている作品ですので、是非新作の公開前に鑑賞して、比較してみてください。

少し長くなりましたので、今日はこの辺りで・・・。


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