夏目べるぬ

物語と絵を描いています。猫、洋楽、ゲーム好き。NOVEL DAYSとpixiv 等で作…

夏目べるぬ

物語と絵を描いています。猫、洋楽、ゲーム好き。NOVEL DAYSとpixiv 等で作品公開中。 https://ameblo.jp/natsuberu/

マガジン

  • 夏べるのお絵かき帳

    私が描いたイラストのまとめです 月始めか月末くらいにその月に描いたイラストをまとめて載せます

  • 魔源郷

    銀髪の青年フィンは、呪いの剣を背中に背負って旅をしていた。 魔物を浄化する「使命」のために。 世界にはびこる魔物は一体何故生じたのか? 「旧世界」の記憶を持つフィンは、同じく旧世界から生き続けているバンパイアたちと出会う…。 魔物とは何なのか。そして浄化とは。 使命を負った不死身の青年フィンの物語が始まる。

  • 夏べる屋

    BOOTHで私のお店「夏べる屋」を開きました! 初めてのネットショップです☆ 商品の紹介などさせて頂きます

  • 赤鬼伝・第1章<試し読み>

    人と魔物の血をひき、「赤鬼」と呼ばれた少年エンマの成長と冒険の物語。 和風ファンタジー。少年漫画テイスト。 第1章の試し読みです。 続きは最後に貼り付けている外部リンクから見れます(無料)。

最近の記事

    • 魔源郷 第21話「廃墟の記憶」

       大昔には都だった所が、今では廃墟と化している。  全ては、変化していく。  化石はものを言わないが、存在した時間の痕跡が記されている。  長い時間。歴史。  気の遠くなるような変化と繰り返し。  そして現在に至る虚しさだけが残る。  かつてルビーと呼ばれていた場所に到着した。  ぼろぼろに崩れた廃墟だけが残っていた。 「ここで…バンパイアが創り出された…。」  ジンジャーが呟いた。 「こんな所を探しても無駄さ。」  ラムが吐き捨てるように言った。 「何もないじゃないか。」

      • 魔源郷 第20話「魔物の村」

         街道を越え、山道を歩いているフィンとマリー。 「大丈夫かしら…。そこへ行ったら、私たちは魔物に襲われるんじゃないの?」  マリーは不安を口にした。 「それを分かってて来たんじゃないのか?」 「分かっててって…。やっぱり大丈夫じゃないのね…。」  マリーは恨めし気にフィンを見た。 「確かに私は魔物について知りたくて来たけど、戦う気はなかったから…。」 「奴らだってそんな感じなんじゃないかな。自分から襲いたくて襲ってるわけじゃないんだから。あくまでも身を守るためなんだ。まあ、中

        • 魔源郷 第19話「バンパイアの誕生」

           アトランティスのルビーという町にある研究所。  そこは全ての研究所の本拠地だった。  アトランティスの科学者の最高責任者、ビールは主にそこで活動していた。 「本当にそんなことが出来るのですか。」  ビールの弟、エールもまた科学者だった。 「そのようなものを創るなんて…。」  何もなく、無機質な壁と床に囲まれた部屋の中に、ビールとエールはいた。  ビールは大柄な体格をしており、坊主頭で、太っていて、細い目が冷たく光っていた。  一方、弟のエールは兄のビールとは歳がかなり離れて

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        • 夏べるのお絵かき帳
          12本
        • 魔源郷
          21本
        • 夏べる屋
          1本
        • 赤鬼伝・第1章<試し読み>
          1本

        記事

          魔源郷 第18話「ブランデー」

           ドリンクシティ。  旧世界にあった大都市の名前だ。  そこはアトランティスの支配下にあった。  そこにはいくつもの研究所があり、ムーの民を収容する巨大施設もあった。  そこで、数々の残酷な実験が行われた。  人間を魔物に変える実験。  最も、その頃には「魔物」という言葉はなかった。  ムーの民の霊力を利用して、人間と獣を融合させ、新たな人間を生み出す。  それが実験の目的だった。  その時代では、新たに創り出した人間を「超人」と呼んでいた。  過去に遡る。  それは、今か

          魔源郷 第18話「ブランデー」

          魔源郷 第17話「不死」

          「何だ!?」  馬車から、ジンジャーが飛び出してきた。  その後から、アリスとテキーラも出てきた。 「フィン!?」  アリスが叫んで、倒れているフィンに駆け寄った。  フィンの胸から血が溢れ出しており、既に死んでいた。 「うそ…。」  アリスはその場に凍り付いた。  ジンジャーは、そこにいたラムを睨み付けた。 「まさかお前が…。」 「死んだね。」  ラムは無表情で言った。 「お前が、その銃でフィンを撃ち殺したのか!?」 「そうだよ。」  ジンジャーは、ラムを殴り飛ばした。 「

          魔源郷 第17話「不死」

          魔源郷 第16話「二人の猟師」

          「退屈だなあ…。」  走る馬車の中で、ラムが呟いた。  もうすっかり、フィンは熟睡していた。  ジンジャーは腕組みして、何かを考えているような顔つきをしていたかと思えば、時折、横目でラムを監視しているように鋭く様子を窺っていた。  テキーラは、うつらうつらと眠そうに頭を上下させていた。  アリスは、馬車の席の隅に座って、窓の外を見ていた。  外を見ても、真っ暗で、何も見えない。  空に星がきらきらと輝いているのが見えるばかり。  しかしアリスは景色を見ているわけではなかった。

          魔源郷 第16話「二人の猟師」

          魔源郷 第15話「疑問」

           とぼとぼと、力なく歩いている一人の青年がいた。  擦り切れた緑色のマントに、黒い帽子。腰には銀色の剣。  男装の猟師、マリーだった。  マリーは、しばらくの間、猟師としての仕事が出来ずにいた。  覇気を失っていた。  あの火刑の町での一件が、彼女の心を苦しめていた。  人間が、人間を――。  それも、集団で。  皆、狂っていた。おかしかった。  それも、本物の魔物が原因だったとしても、やっぱり納得出来ない。  魔物への恐怖が、人間に狂気を与えて、人間自身も魔物化したというの

          魔源郷 第15話「疑問」

          魔源郷 第14話「魔女狩り」

           一人の女が木の柱に縛り付けられていた。  両腕を一文字に広げられ、足枷を付けられた状態で全身を縛られていた。  その木の柱の下には、大量の木屑や落ち葉が積まれていた。  そこに、火がつけられた。  たちまちのうちに、火は燃え上がり、女の足元まで火の手が及んだ。  女は既に気を失っていた。  女の全身は、傷だらけだった。  服は、ぼろぼろで、ほぼ全裸の状態だった。  それを、取り囲んで見ている群衆。  大声で、女に罵声を浴びせていた。 「魔女め!」  人々の目は、その女に集中

          魔源郷 第14話「魔女狩り」

          魔源郷 第13話「猟師マリー」

           青い夜。  二つの角を頭に生やした黒い大きな魔物が、満月を背負って現れた。  大きな山羊のような魔物だった。  魔物は、崖の上から町へと降りて来た。  荒廃した町で、人々はただ逃げるしかなかった。  奇跡が起こることを祈るしかなかった。  魔物は、自慢の角を振りかざして、人々に襲い掛かった。  体当たりされ、角に捕らえられ振り回されて、人々は次々と虫けらのように潰されていった。  魔物は暴れるだけ暴れて、どこへともなく帰って行った。  その姿を、怯えながら見ている子供がいた

          魔源郷 第13話「猟師マリー」

          あけましておめでとうございます

          あけましておめでとうございます。 2024年になってもう一週間経ちましたが。。。 どんなことがあっても、世界中が良い方向へ向かっていくことを信じて、願っています! 私が愛読しているシュタイナーの本にも、ポジティブ思考の大切さが書かれています。 私はよくネガティブ思考に陥るので、決して常にポジティブな人間というわけではありません。でもだんだんと、以前よりはましになってきたかなと思います。 まず行動する、動くこと。考え出すとキリがないので、まず動いてみる。 今年はこのことを心に留

          あけましておめでとうございます

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          2023年12月

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          魔源郷 第12話「旧世界」

          「銀の民」  彼らは、地球に降り立ち、その大いなる知識を人々に与えた。  知識は、人間に潜在している力を呼び覚ました。  その力は、人間を更なる段階へと進化させるものだった。  彼らはそう願って、力を授けた。  ある古き時代。  一つの大国が世界を統一し、支配していた。  その国の名は、アトランティス。  天を突き破るほど高い建造物が立ち並び、人間の作り出した物質が大量に氾濫した国。  アトランティスを支えているのは、高度な科学文明だった。  その一方で、世界の片隅にひっそ

          魔源郷 第12話「旧世界」

          魔源郷 第11話「刻印」

          (フィン。何であんな奴を連れて来たのさ。)  猫の姿のテキーラが、フィンに話しかけてきた。 「連れて来たわけじゃない。あいつが勝手について来たんだ。」  真昼の空の下、フィンは木陰で休んでいた。時々、その辺に生えている草を食べながら。 (奴を殺すなら今だよ。)  街道の途中にある休憩所に馬車を休ませていた。  ジンジャーとアリスは小さな宿泊所に入って既に寝ていた。  ラムは、馬車の中で寝ていた。 (あたしが殺してやろうか。) 「何言い出すんだ。」 (あいつ、あたしたちを殺そう

          魔源郷 第11話「刻印」