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エアーズロックトレイル 8mile -3-

ちっぽけな自分を再確認するかのような、ウルルでのバックパック旅。

風の谷とも呼ばれるカタ・ジュタを歩いた後、私たちはバスで移動し、ウルルの広大な大地が見渡せる場所で小休憩をとった。
ここでまたスイス人の女性が「あなたの写真を撮りたい」と二人だけの撮影会が始まった。

逆光&屋根が入って失敗の1枚

このアングルじゃダメだね!と場所を変えてもう1枚。

黒ニットは寒すぎてメルボルンで買った11ドルの掘り出し物!

彼女の「カメラを見ないでね」という助言を忠実に守ったけど、体が斜めになって、撮られ慣れていない感が否めない1枚が仕上がった。

アイルランド人の男性から「どんな作品をプロデュースしたの?」と興味津々に聞かれたので、Netflixで見られる作品を教えたら「今度見てみるよ!」と、とっても喜んでくれた。
今の私には過去に関わった作品を伝えることしかできないんだよなぁと思いながらも、作品はずっと残るし、それがきっかけで私を知ってくれるのならうれしいことだ。
だけど、自信喪失&社会復帰できない今の自分にとって、仕事の話は少し胸がチクリとするものだった。

奥に見えるのがエアーズロック
乾いた大地に根強く育つ草木

こんな大地に放り出されたら、仕事や人間関係なんてきっとどうでもよくなるだろうなと思っていたけど、人と関わる時や私を知ってもらう時にはこれまでの経歴や経験を前面に出さざるを得ない。ましてやこんな一期一会のタイミングで出会った人には、ちょっと背伸びして自分を見せることが多い気がする。華々しい経歴や過去の栄光なんてほとんどないのに、これまでの私をほじくり回して、見栄えの良いところだけをヒョイっとつまみ出して、いいところづくめパックを作って見せびらかしているような気分。

そうやって「私」という人物を着飾ることが多いけれど、もっと他の表現で自分を表すことができたら、比較も嫉妬もなく、この世界は幸せで満たされるんじゃないかとも思う。幸せの形は人それぞれだけれども。

夕方になり、エアーズロックが美しく見えるスポットへ移動。もうすぐサンセットの時間。私たちがこのスポットに到着してすぐに、各国のたくさんの人たちが続々と集まってきた。ここはいわゆるサンセットおすすめポイントらしい。

雲の影が岩に映る姿がとても印象的だった

大きな岩に夕陽があたり、岩肌が真っ赤になって空が暮れていく様子は圧巻だった。何も言わずにただずっとその様子を眺めていた。
記念に撮影したタイムラプス動画。はじまりはエアーズロックの赤みがどんどん増していく様子を映していたけれど、途中から画面の前に観光客がたくさん出入りして、最終的には人に覆われて岩が見えなくなっていた。

景色はみんなのものだから仕方ない。映像には残らなかったけれど、目に焼き付けたから大丈夫。
そしてもちろんここでも撮影会。スイス人の女性はまるで私の専属カメラマンのように、日本人がエアーズロックの前に立つ姿を連写してくれた。

カメラ目線にならないようにするのはむずかしいし撮られるのは苦手…笑
もうポーズとれなくなって諦めた時の1枚

夕陽が綺麗に地平線の向こうに沈んだ後、あたりはようやく夜を迎えて、気温も一気に下がった。私たちは寒い寒いと言いながら、今日宿泊するキャンプ場へ向かった。

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