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高速バス、久し振りの実家。

3.15

窓の外を眺めると、薄い水色の空に真っ白のモクモク雲が浮いていた。私が好きな空だ。





高速バスに乗って、外を眺めるのが好きだ。
緑と茶色一面の山の中を通っている時、
こんな所に住宅地があるのだなぁと思う。
スーパーは近くに見えないし、どうやって暮らしているんだろう、何処に食料を買いに行くんだろう、こういう場所に住む人達は、この広大な畑や田んぼを自分達の手で育てているのだろうか。
そうやって窓の外から見えた、見知らぬ人の生活を想像するのが楽しい。

無機質なコンクリートの壁の隙間からのぞく、鮮やかな黄色が目に入った。
排気ガスいっぱいで荒んだ場所に咲いている、
その黄色い花たちは、強い生命力を感じさせた。


高速バスから見える世界には、色んな景色が溢れているなぁ。




バスに揺られて数時間後、
実家の玄関を開けた。


最寄のバス停降りてから家まで歩く時の空気、
玄関の妹の自転車、
庭の生えかけの玉葱のネギの部分、
お風呂のシャワーの水質。

久し振りに帰ってきて、目に映る全ての見覚えある景色と、鼻から入ってくる懐かしい空気、
感じられる全部が「すきだなぁ」と思った。

今日はひとまず布団に包まれて、ゆっくりしよう。



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