運命の関ヶ原。この古来から天下分け目の戦いが繰り広げられた地で今徳川家康率いる東軍と、石田三成率いる西軍の戦いが繰り広げられようとしていた。

　東軍の総大将徳川家康は後継の秀忠がいつまでもやってこないのに焦っていた。あのボンクラめ！肝心な時に大遅刻しおって！この戦いは徳川が中心にならなきゃいかんのに！諸大名に活躍されたんじゃ後々我ら徳川は足元見られるぞ！

　だが刻々と合戦の時は近づいていた。家康はもはや秀忠のボンクラをまでぬと全軍に号令をかけようとした時、彼の前に福島正則と井伊直政がやってきた。共に先陣を自分に任せてくれと頼み込んできたのだ。

　福島正則は噂通りの荒武者であった。もうルックスからして野蛮人であった。彼は家康を殺しかねないくらいの勢いで先陣を申し出てきた。その隣の井伊直政は静かに進み出ていや私が先陣をと申し出た。家康は悩んだ。勿論家来の直政に先陣を命じた方がいいのだが、そうしたら政則にブチ切れられて下手したらこの場で殺されかねない。家康は考えた末に両名を先陣にすることにした。

　先陣を申し付けられた福島正則は獅子奮迅の活躍を見せた。その活躍ぶりは同じく先陣を申し付けられた井伊直政の活躍が霞むほどだった。ただ政則は頑張り過ぎていらないことまでしてしまった。三成他西軍の大将の首を刎ねたのはまだ良かったが、当時主君であった淀殿を無理矢理自分のものにして豊臣秀頼を強引に我が子にしてしまったのだ。政則はついでに家康以下東軍の大将の首を刎ね、自分の軍以外全部壊滅させたが、しかし彼は脳筋であったので天下を運営することができず、淀殿との夜伽の最中に家来に惨殺された。徳川秀忠はこの事態を自分が家康のふりをすることでどうにか収めた。彼は秀頼を自分の名前に改名させ息子にして後継としたのである。これが関ヶ原の戦いの真実である。