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【酒好きニートの酒ノート】#2 お土産の地ビールはおいしい


お土産と言えば皆さんは何を想像しますか。

私の場合は地ビールと地酒をもらう事が成人後に爆増して、
「たまには饅頭とかでもいいんだよ……?」
と思うことが圧倒的に増えました。

「温泉饅頭なんて爺さん婆さんしか買わないだろ…。」
なんて思っていたものを欲しがるとは
私も大人になったなぁと少し思うところがあります。

ちなみに、過去一番印象の深いお土産は
高校の同級生がディズニーに行くと言うので
チョコクランチの大きい缶を丸ごと所望したら
翌日可愛いミニーちゃんの柄のボクサーパンツを渡され、
人通りの多い朝の廊下で
「いや、何で??」
と大笑いしたことが思い出補正も相まって過去一番です。



そんな私の愛する友人たちの中に、
「一度も江の島に行ったことが無い!」
という飲み友達の兄さんがいました。


バイク乗りの兄さんは普段営業マンとして忙しく、
土日も休み関係なく連絡が来ることもしばしば。

そんな兄さんが久しぶりに連絡を全部シャットアウトして
「明日バイクで遊びに行くんだ!」という話を始め、
飲み仲間達と行き先のプレゼン大会が始まった時の思い出。


2年前くらいの夏の話なので
ざっくりとした記憶しかないけれど、私がふと兄さんに
「暑いけど海沿いとか走ったら気持ち良いんじゃない?」
と話を振ると、兄さんはハッとした顔をして
「そういや俺、湘南のあたり行ったこと無いねん。」
なんて言いながらスマホで場所を調べ始める。

高校生になってから毎年夏休みに江の島へ行く私からすると
「兄さん、ホンマでっか!?」
という感じだけれど、関西生まれの兄さんが
こっちに来たのは2年前。そりゃそうか。


「湘南てどんな感じなん?」
と兄さんが私のプレゼンに興味をもってくれたので
私はここぞとばかりに写真を見せながら思い出トークを始める。


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夏の江の島は車で行くとめちゃくちゃ混むから
私は江ノ電乗って駅から歩いて向かうんだよなー。

兄さんバイクだから良いだろうけど、
歩きだと江の島大橋渡り終わる頃には
暑さと日差しでヘトヘトになるのがさ、ちょっとね…。

でも、渡った先はすぐ飲食店あるから最高なんだよね。
キンキンのビールとイカ焼き買って、
外にあるベンチで休憩したら
江の島神社の弁財天様にお参りするのがいつもの流れかな。

ご飯はね、ハルミ食堂の江の島丼とか、
とびっちょの釜揚げしらす丼はおすすめ。

あ、とびっちょで
しらす酒しらすビールっての飲めるんだけど、
兄さんバイクならしらすビールのノンアル飲んでみ~。
面白い味するよ~。

まぁ、私はしらすビールより江の島ビール派なんだけどね。


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…なんて話をしたら、集まりし酒飲み達は
「しらすビール!?!?」「美味いの!?」
と身を乗り出して話に加わってきた。

兄さんも仲間たちが「房総は?」「静岡は?」
と熱くプレゼンしてくれていたのをスルーして
私の話を最後まで聞いてくれたとこで私は帰宅の時間。

まぁタイミング良ければ行ってきなよ、と
おすすめの飲食店を教え、
「たこせんは思ってるよりお腹に溜まるぞ……」
とだけ伝えてその日は帰路に着いた。

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3日後の月曜日。

いつものように飲み屋に遊びに行くと
カウンターにはほんのり黒く焼けた兄さんがひとり。


「いつもより来るの早いねぇ。」
なんて話しかけたら
「ねえがいつ来るかわからんかったからさぁ。」
とゴソゴソ椅子の下から荷物を出してきた。


「はいこれ、お土産。江の島ビール好きなんやろ?


「お、お兄ィィイ~~~~~!!!!(心の声)」


始めて行く江の島をエンジョイしてくれれば
それで私もハッピーだったのに、
「教えてくれてありがとうな~、助かったわ。」
と何の気なしに渡してくれた兄さん。

飲み屋のみんなにはしらす煎餅のアソートなのに、
私には特別にビールまで用意してくれたのだ。
義理堅い。そういう人、大好きです。


仲間たちが集まってきて、兄さんは
初・江の島トークをみんなに聞かせる。
その中で私はボトルから焼酎をマイグラスへ注ぐ。

飲み屋にいるのに「早く帰って酒飲みたいなぁ。」
なんて思ったのはあの時が初めてかもしれない。

結局仲間たちと話が盛り上がってしまい
4時間ほど飲んで家に帰った私は
即、冷凍庫にビールを突っ込む。
瓶が割れるとか一切考えなかったですけど
割れなかったので問題なしです。


触れないくらいキンキンに冷やした江の島ビールの栓を開けて
何も考えず無心でビールを喉に流す。

爽やかな香りとコクのある甘味、さっぱりとした後味。

普段、自分で注文して飲んでいる物と全く同じ物なのに、
無性に香り高く感じて、無性に美味しく感じたのは
単に「冷えてたから」という訳ではないと思っています。


今日の酒ノートは

”お酒の美味しさはお酒自体の美味しさだけじゃない”

そう思うようになるきっかけの一つになるお酒の話。

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