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【書評】 さらなる田舎へ! 『海が見える家 旅立ち』


とっくのとうに読み終わっていた本なんですが、ずっと書かずに温めていました(温めるとは?)。

父が早く本を貸して欲しいみたいなのでようやくですが書きます。

『海が見える家 旅立ち』

著者:はらだみずき
発売日:2022/10/11



もうこの本はね。出てから一目散に買いましたよ。本当に言葉通りの一目散(いちもくさん)です。


だって、帯見てびっくり。これで「完結」と。


私と同世代の主人公が東京の仕事辞めて田舎へ移住するって流れだけでもう最高だのに。

亡き父の仕事引き継いで頑張って、近所のおじちゃんとなんとか上手くやって。食糧だって買いもせず海に潜ったり畑やったりしてる。

「生きる」ってこんなにも大変、だけどこんなにも面白いって楽しんでる主人公がかっこよくてどこか羨ましくて、やっぱり田舎最高だよなって読むたびに思わせてくれるのです。(ちなみに私は田舎育ちの田舎推し)

さらには物語が繰り広げられているのが、私が今これを書いている千葉の自宅からもうちょっと下にくだったところなのでもはや近所。主人公が本当にいたら今すぐ差し入れの野菜なんかを持っていくのになあ。笑

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ビワの畑を継ぐ継がないとか、畑をもらうもらわないとか色々な悩みを抱えていた文哉は、休暇をとって山に向かうことにした。

生前親しくしていた幸吉の親友・市蔵に会うために。

ほとんど言葉を交わしたことのなかった上に、事前に連絡もしていなかったにも関わらず、文哉を優しく迎えてくれた。

市蔵と時間を共にする中で、文哉は自分が抱えていることとゆっくり向き合っていく。そして今一番向き合うべき人がいることに気づく。

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この最後の展開は予想せず。山に登って自然薯掘るのは分かるが、まさかのツルがここまで繋がるとは。そしてまさかの火事も発生します。

いいなあ。山デート?いいなあ。

そんでやっぱり文哉はより田舎を求めていくんだなあ。

ここからがまた面白そうな展開になっていくやつだけれど、そこは想像で終わらせておくのが一番だよなって思ったりもしています。


きっと千葉にも頻繁に帰ってきて、「やっぱ海は気持ちいいですね」とか和海さんに言ってそう。

無事に完結。おめでとう文哉。

はらだみずきさん、お疲れ様でした!


物語の中で文哉は悩んでもがいて、そんな様子が度々自分と重なって、これまで沢山の勇気をもらいました。

文哉が落っこちないように周りの人達がグイッと引っ張ってるような感じだけど、きっと周りの人達も文哉に引っ張ってもらってたりもするのかなあ。


そういえばこの前、亡き祖父宅で電気なしの蝋燭暮らしを体験したのですが、蝋燭の灯りが最高すぎてちょっと見直しました。

私もそろそろ今年は本気を出すとするか(ずっと言ってる。)

では。ここらへんで。


今日のnegoto「目標止まりのゼロ日坊主」

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