山口茜

演劇を上演するカンパニー、サファリ・Pとトリコ・A主宰 演劇を作って上演する合同会社s…

山口茜

演劇を上演するカンパニー、サファリ・Pとトリコ・A主宰 演劇を作って上演する合同会社stamp代表社員 メニコンシアター Aoi芸術監督 Root deep....

マガジン

  • 創作日記

    私は普段、演劇の上演台本を書いて、それを演出し、時に劇伴の曲を作りながら、上演活動を行っています。その活動にまつわる徒然を書いています。

  • 山口茜の日記

    カテゴライズしにくい衝動だけで書いた日記を集めています。

  • 観劇記録

    ムラがありますが、言語化したい時に書いております。

  • 英語部

    英語の練習を英語の練習として単体でやるのは不可能と45歳になってようやく気がついたので、自分の興味のあることと組み合わせて楽しく学ぶ孤独なクラブです。

  • 「へそで、嗅ぐ」スピンオフ

最近の記事

悪童日記のこと2024.3.13

「悪童日記」の稽古第1章が終わりました。去年の年度末に小説を読み込んで、初演・再演では掘り下げられなかったものを再度テキスト上でピックアップし織り込んだり抜いたりしながらパフォーマンスを作っていく作業。全体の手触りはそのままに、中身を濃くしようとする試みで、毎日朝11時から夜7時までの稽古はなかなかにハードでしたがとても充実しておりました。 一旦形になり、大きな積み残しは残りの稽古で解消し、小さな積み残しだけとなった状態で、1週間ほどお休みです。 最終日に、ああ、この話は

    • ほしい物リスト

      先日地震の時に、X上で、住む場所に困られた方が具体的に住みたい地域や間取り等条件を細かく指定して募集されていたのを拝見して「欲しいものを具体的にしてくれると、協力しやすくなるな」と痛感したので、私も早速、私が欲しいものを列挙しておきます。 私自身は今、生活の窮地に立たされているほどではありません。ただ、演劇をしている上に幼児と児童の子育てをしている上に夫は子育てのためにパートタイムでその上家を改装しているため、特に余裕もございません。と言うわけで万が一誰かを喜ばせたい方がお

      • 今年の目標

        大変遅ればせながら、2024年もどうぞ、皆様、よろしくお願いします。私の今年の目標は1月中に持病が悪化した最中、決まりました。 「高校演劇からやり直す」 です。これはもちろんマインドの問題で、高校に入学するとかそういう具体的なことではありません。ですが、私は実は、中学まで演劇をしていて、高校、大学と、学校の中にあるいわゆる演劇部に所属してきませんでした。ここには根深い色々諸々がございまして、そこをすっ飛ばしてきたことで、大事なものを忘れてきたような気がしているので、今年は

        • こまばアゴラ劇場

          私にとってのこまばアゴラ劇場について書いてみる。本当は何年の何月に何をやった時に・・・と詳しい日時や演目が言えたらいいのかもしれないが実は私の脳はそういう記憶が人一倍定着しない構造になっているらしい。頭の中に記憶しておく機能がほとんどないのではと思うぐらいいつもなんについての記憶もない。がしかし少し調べるとそう言ったことはわかってしまうため、これまで過去についての文章を書くときは読み手のことを考えてその苦手な行為を頑張ってやってきた。それをやると確かにわかりやすくなる。でも私

        悪童日記のこと2024.3.13

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        • 創作日記
          23本
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          16本
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          5本
        • 英語部
          1本
        • 「へそで、嗅ぐ」スピンオフ
          8本
        • 自分の頭で考える子供
          9本

        記事

          いち日本に住むものとして

          昨今、あらゆるところで、加害と、その告発が起きておりますが、ここいらで私の考え方を整理しておきたいと思います。 私はまだまだこういうことについて勉強中の身であり、今もあらゆる文献に当たりながら、自分の考えを持たんとしている段階にあります。ただ私も現在、ある種の権力を持っているため「勉強中」が言い訳となって、何も表明しないでいるわけにはいかないので、noteで整理することにしました。それでもいろんな方の文章を引用してのものになりますが、今の時点での自分の考えをこの過程で明らか

          いち日本に住むものとして

          楽譜に見える

          山岡さんの台本を何度も読んで立ち稽古をしていると、だんだんと、この台本が楽譜に見えてくる。演出としてこんな体験は初めてだけど、初めてじゃない感覚。わたし、子供時代貧乏すぎてアイドルのテープやCDが買えなくて、過去にお金持ちのお嬢さんとして育った祖母の買い揃えていたクラシックのテープを聞いてヘビロテしてる謎の小学生で、音楽のパターンというものがたぶん脳に刷り込まれているすごい切なめのサイボーグなんだよね。だから、山岡さんの台本が曲として編成されていることがよくわかる。 自分の

          楽譜に見える

          人を好きになるとはどういうことなのか

          本日の稽古が終わった。実は稽古中に台本の新しい部分がやってきた。あまりにも私にとってタイムリーな台本で、なんとしてでもこの台本を、お客様に届けたいと奮い立っている。 しかしその前に・・・演出家としてのちゃんとした文章を書かなくてはならないというプレッシャーなんか、遠くの方に放り投げて、個人的な感想をまずしたためる。少しネタバレなので、気になる方は観終わってから読んでほしい。 「そして羽音、ひとつ」のチケット予約はこちらから さて、今回の話。老女が若い男性に恋をするのであ

          人を好きになるとはどういうことなのか

          日記が続いている

          2023年は、頭の中にあるものの言語化する、というのがテーマだった。宣言したかどうか記憶にないけど、見事、1月から今日まで、日記が続いている。自分でもびっくりした。もちろん、毎日じゃない。でも、1ヶ月に10回以上は書けているので、これは続いていると言って良いと思う。最初の頃はなんていうか、特定のことに対する感想だったり、途中からTODOリストになったり、一言体調をつぶやいただけだったりした日もあるし、書くことをそもそも忘れる日々というのもあった。 でも、だんだんと書かないと

          日記が続いている

          「そして羽音、ひとつ」チケット発売開始 

          チケットが、発売開始となりました!情報はここから! マジョリティはどうすれば自分のマジョリティ特権に気が付けるか 若干そわそわする副題ではありますが、私も含めて、マジョリティというのは、気が付かないのがデフォです。気が付かないことこそが、マジョリティの性質であるとも言えるかと思います。気が付かないと言うより、注意を払わない、英語で言うと、disregardですね。これ、ignoreになると、「知ってるけど無視する」つまりすでに、気がついている状態らしいです。 ignore

          「そして羽音、ひとつ」チケット発売開始 

          同時代性

          本日7月30日日曜日、劇団チョコレートケーキの、「ブラウン管より愛をこめてー宇宙人と異邦人ー」を観劇した。今年のメニコンシアターAoiでの主催公演だ。 本当は初日の土曜日に名古屋入りしたかったが、我が家の7歳さんが発熱した。7歳さんは昔から、私が忙しくなると鼻を詰まらせ、小屋入り(劇場に準備に入ること)あたりで発熱するのが定番だが、今回は私の大阪の本番をスルーしチョコレートケーキに合わせてきた。夫の方は保育園でシフト制、急に休むと人が補充できずに現場が困るため、私が休むこと

          同時代性

          保育所ミュージカル

          これは前前置きです。 noteの公開記事のタイトルや内容の追記を少しだけ行いました。 ここから前置きです。 さいきん、ここで全然日記を書いていないのですが、おそらく自分しか読めない日記を始めたせいなんだと思います。自分しか読めない日記、つまり、普通の日記です。そう思うと以前は、人に見せるものと見せないものの区別をしていませんでした。とにかく衝動が来たら書け!みたいな世界にいたと思います。恐ろしいよな。自分でもそう思う。 今は、衝動が来たらとにかく自分だけが読めるノートに全

          保育所ミュージカル

          the_speech_of_Sachsen_littlefeather_-_2023_02_03_13

          サシーン・リトルフェザーの1973年のアカデミー賞の演説を英語の練習を兼ねてコピーしました。 当時のアメリカフィルム業界の人種差別をマーロンブランドが批判、受賞を辞退した際、代行でスピーチされた女性です。去年亡くなっていたと知りました。ウンデッドニーの事件やその際にはやったゴーストダンスのことなども調べました。何度も練習しているうちに、後ろに聞こえるブーイングと拍手にどきっとしたり、単語の強調がオリジナルになったりしました。大虐殺を受け、差別を受け続けている最中、彼女は、愛と寛大さを自他に求めました。

          the_speech_of_Sachsen_littlefeather_-_2023_02_03_13

          the_speech_of_Sachsen_littlefeather_-_2023_02_03_13

          2023年の抱負的な

          「透き間」の台本を書き直す準備を粛々と進めている。とは言え準備の準備。まだまだだ。 お正月アラウンドでは気になっていた本や漫画を読みまくり、動画を見まくりつつ、パソコンの整理をした。毎月1回出す弊社宛ての交通費の請求書の書類タイトルが、毎回微妙に違うことに気がついて愕然とする。経理の安野さんは、黙ってタイトルを揃えてくれていたのだろう。恥ずかしすぎる。 それにしても、今となってはどうやってやっていたのだ?という量の制作関連の書類がワンサカ出てくる。何度も何度も書くけれど、

          2023年の抱負的な

          ねずみの話

          私の家は京都にある長屋で、大正時代にできた建物らしい。近所の方が子育てをし、そのお子さんがまた子育てをし、以降たくさんの家族がこの家に住んだ。そして私たちが住み始めてもう8年ほどになる。その間に子供が2人できて、それ以来ずっと4人家族だと信じて生きていた。 ある日、楽しみにしていたサツマイモを蒸したのが、少しだけかじられていた。こんなふうにかじるのは、2歳の子供に違いない。うむ。・・・あれ、でも2歳の子供が届くところに置いてなかったよね、このサツマイモ・・・。 私は急に、

          ねずみの話

          イヴォ・ヴァン・ホーヴェ『ガラスの動物園』

          一晩たって、何かが落ち着いてきたので、メモしておく。テネシー・ウィリアムズの『ガラスの動物園』を、オランダの演出家、イヴォ・ヴァン・ホーヴェが演出した作品(フランス国立オデオン劇場製作)。コロナ禍での延期を経ての海外招聘作品。フランス語、英語でも観劇可能であること、世界的な戯曲であるということもあって、客席には西洋人の方が本当に多く、劇場には香水の匂いが広がっていて、劇場であの匂いを嗅ぐことが久しぶりで、フィンランドに住んでいた頃が思い出された。カーテンコールは3回あり、私は

          イヴォ・ヴァン・ホーヴェ『ガラスの動物園』

          高槻芸術時間「インタールード」

          私は今、劇場の前のヤウゼという喫茶店で、勢い余ってこれを書いている。開演前に久しぶりにランチを食べにきたら現金しか取り扱ってなくて、普段現金をほとんど持ち歩かないようになっていたので、とりあえず謝って、劇場で体験してから、京都銀行に行ってお金を下ろして戻ってきたところ。(ヤウゼのランチおすすめです) 感想を読めると思ったらいきなりこんな話で恐縮ですが、かつての高槻現代劇場で、Kと私は、初めて出会い、初めて一緒に仕事をした。あの場所が、私たちの出会いの場所だと言っても過言では

          高槻芸術時間「インタールード」