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悪魔くん。『悪魔くん魔界の罠』


昔憧れていたヒーローがたくさんいる。
ドラゴンボールの悟空にドラえもん。
ドラクエの主人公・・・そして悪魔くん。

水木しげる原作で、鬼太郎も好きだったのだけど
西洋ベースなのに、悪魔たちが日本の妖怪っぽい。

唐草模様の風呂敷がマントだった。
当然、首に巻いて遊んでいた。
オカリナ?みたいなものも練習した。
魔法陣を書いたらおばあちゃんに怒られた。

家になぜか『悪魔くん』のゲームが置いてあった。買ってってお願いしたのかもしれないけれど。覚えていない。

純粋なRPGだった。
悪魔を召喚して一緒に戦う。細かいことは何も覚えていない。だってすこぶる難しいから。

すぐ倒されるし、冒険のヒントは何もない。
セーブ機能はなくて、保存はパスワード。

そこで友達と遊んだのが、このパスワード。

なんとデタラメに入れても大概OKなのだ。

レベルがやばい悪魔くんだったり、
ストーリーは最後なのに、レベルが1だったり。

適当に入れてどういう悪魔くんに会えるか楽しみだった。具体的な遊び方はほとんど知らず、
アドリブを楽しむゲーム。

そんな感じのゲームだった。RPGなのに。
なかなか革新的な遊び方だと思う。

今年の夏頃、不意に『悪魔くん』を思い出し、
ポチって買ってみた。箱説なしのカセットのみ。

そんな状態だから、
なにをどうするかは手探り状態。

いきなり放り出され、ケルベロスを倒せと言われる。”魔界の番犬”と呼ばれるケルちゃんは、
ボスなんだろうか?

そもそもRPGだってことも忘れていた。

戦闘を始めてみると
何やら悪魔を召喚できるらしい。

『エロイムエッサイム・エロイムエッサイム』と唱える悪魔くん。


いやもう懐かしいわ。
こんな言葉だけでもノスタルジー。
昨今の若い子には逆に新鮮なんだろうか。

召喚された悪魔はこちらが指示しなければ
オートで戦ってくれる。
悪魔に準じた行動をとってくれるのだけれど、これがヒトクセある。

攻撃してほしくてもずっと回復。
攻撃力があるのに、デバフばかりかける。

思うように戦ってくれないもどかしさ。
これが面白い。与えるダメージも小さく、
敵の回避率がめちゃくちゃ高い。

レベルアップに必要な経験値がやたら多くて
悪魔くんの育成には骨が折れる。

だもんだから、何回も倒されてしまう。

でも例え倒されてもペナルティなどなく、
ただただやり直すだけだ。

さらに言ってしまうと、
悪魔の召喚には”CP”と呼ばれるポイントを
消費するのだけれど、CPがなくならない限り、
何回でも悪魔を呼び直せるのだ。

今倒された悪魔を次にターンで呼び出し直す。

悪魔くんも
”アタッカー”としての素質はあるのだけれど
悪魔がいない限り、強すぎる敵には対抗できないので、必然と数が必要。

減ってしまった仲間を呼び出すか
それとも戦闘を終わらせる方が先決か。

そんな葛藤を抱えるのも面白い。

強い悪魔を集めるには「研究所」というところで
六芒星に特定のシルエットを配置することで手に入る。

一回20円と、この世界ではかなり高額。
失敗すればお金は戻らない。配置に必要な情報もゲーム内にはない。

ひたすら不便。
親切設計が当たり前の今、
このようなゲームデザインがまかり通って
いたことが驚き。どう遊べというのだ。

しかしコケも大人だ。

そうした不便が心地よくて仕方がない。

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