猫島アキ

いつも街のなかをうろうろしています。誇れるものはありませんが、以前猫の集会にこっそり参…

猫島アキ

いつも街のなかをうろうろしています。誇れるものはありませんが、以前猫の集会にこっそり参加したことが唯一の自慢です。

マガジン

  • 猫島アキは映画が好き

    映画のことを、思うままに書いています。

  • 猫島アキは美術展が好き

    美術展を巡って、思ったことを思ったままに書いています。まともな解説や批評は、私には無理です。

  • 猫島アキは寺社が好き

    お寺や神社をうろうろするのは楽しいですね。信心深いわけではないけど、ご利益は欲しいです。

  • 猫島アキはライブが好き

    ライブがなければ生きてはいけないでしょう?

  • 猫島アキは漫画が好き

    膜画のことを、好き勝手に書いてます。

最近の記事

映画雑談『ゴジラ -1.0』

圧倒的な絶望が、怪獣の姿で襲ってきます。それは問答無用で人間の命や生活を奪い、文明の産物を根こそぎ瓦礫にします。人間ごときの事情なんて気にしてくれません。英雄も天才も富豪も大臣も、等しく虫けら扱いです。みんな食いちぎられ、踏み潰され、吹き飛ばされるだけなのです。誰も抵抗できません。為す術はありません。一縷の希望すら見つけられません。我々人間に残るのは、果てしない無力感のみです。 不条理なバケモノ、絶望の別名、それが、ゴジラです。 『ゴジラ-1.0』はそんな絶望と、それでも戦う

    • 映画雑談『オオカミの家』

      おまえ、この子に何をした! 一言でいえば、そんな感想です。 『オオカミの家』は評判通りの、とんでもなく不快で、とんでもなく素晴らしい映画でした。 まずは東京の映画ファンにお礼を言いたいです。 もともと東京では関西より2週早く劇場公開されたわけですが、連日盛況だったということで、関西での公開が1週早まりました。一秒でも早く観たかった私としてはそれだけでもありがたいのに、初日がファーストデイであったおかげで、たいへんお安く観ることができたわけであります。こんな地獄のような映画を

      • 美術展雑談『ルーヴル美術館展 愛を描く』

        ルーヴルには愛がある! この堂々たる惹句のとおり、ルーヴル(LOUVRE)の綴りにはLOVEの文字が潜んでいます。本展のタイトルロゴにもそれがわかるように示されています。うまいことできてるもんだと感心します。 けれどアナグラムだとERO LUV(エロラヴ)になるのですよね。そんな下世話な期待に胸を膨らませ、京都市京セラ美術館『ルーヴル美術館展 愛を描く』を見て参りました。とても楽しかったです。 会場でまず最初に出迎えてくれたのは、メインビジュアルの一つでもあるフランソワ・ブ

        • 美術展雑談『佐伯祐三 自画像としての風景』

          才能のある人は大変やなー、と呑気に思ってしまってごめんなさい。 美術展『佐伯祐三 自画像としての風景』は、まさに非凡な主人公の宿命を描いたドラマのようでありました。 生涯のすべてを青春時代として過ごした人です。走りながら倒れた人です。もともと病弱であったとはいえ無理をせず長期的な展望で活動していれば、30歳の若さで亡くなることもなかったかも知れません。そうだったなら壮年期までには間違いなく巨匠となって、今回の展示も若手修業時代の作品群として「若い頃の生硬な筆致も魅力的」とか

        映画雑談『ゴジラ -1.0』

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          美術展雑談『大阪の日本画』

          私は大阪で生まれてからそれなりの年月をこの地で過ごしてまいりましたが、今日に至るまで「でんがな」「まんがな」なんて言葉を冗談以外で使っている大阪人に会ったことなどありません。 どちらかといえば「ごめんなあ」「ありがとうなあ」など、気遣いや感謝の言葉のほうが日常的に使われています。大阪は早くから都市として発展し、義理と人情を重んじる人たちが支え合って生活している文化レベルの高い街なのです。 しかしそれでは他の地方の方々は納得しないようです。大阪人はガサツでガメつくて図々しくて、

          美術展雑談『大阪の日本画』

          美術展雑談『幕末土佐の天才絵師 絵金』

          絵かきの金蔵こと、絵金さんの屏風絵が大集合です。高知県で、お祭りのときに並ぶ絵なのだそうです。お祭りだったら楽しまなければ損ではないですか。 そういうわけで、公式のSNSで催されていた大喜利大会にも参加させていただきました。 清々しいくらいウケませんでした! ほろ苦い思い出がまた一つ増えてしまっただけのようです。認めたくないものですね、自分自身の若さゆえのあやまちというものを。 もちろんご褒美のタダ券ももらえず、自腹で行きました。いつも自腹なのですが、今回だけは負けた気分

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          映画雑談『多十郎殉愛記』(中島貞夫監督追悼)

          日本映画を牽引してきた名監督の一人である 中島貞夫監督が、先日ご逝去されました。つつしんでご冥福をお祈りします。 中島監督の遺作となった『多十郎殉愛記』が公開されたのは平成最後の年の春、間もなく令和を迎える頃でした。 公開して最初の日曜日、梅田ブルク7(現 T・ジョイ梅田)で 中島監督が舞台挨拶されると聞き、私もお姿を拝見しにゆきました。 中島監督はその時点で80歳を過ぎておられましたがお元気そうで、終始笑顔で楽しげに語ってらしたのが印象に残っています。20年振りの長編映画

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          美術展雑談『甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性』

          やっとリベンジのときがきましたよ! 謎の組織の陰謀(邪推)によって『あやしい絵展』大阪巡回では展示されなかった甲斐荘楠音さんの『畜生塚』が、所蔵というより実家といいたい京都国立近代美術館で久々のお目見えです。リベンジ鑑賞を果たすため、古川町商店街をダッシュして向かいました! 『甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性』はおおむね年代順に楠音さんの作品を並べ、作風の傾向やその変遷から彼の心のありようにアプローチする趣向になっていました。彼の活動の軌跡を辿ることで、そ

          美術展雑談『甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性』

          寺社雑談『慈舟山瑞泉寺(畜生塚跡)』

          その門をくぐると、いつも緊張感を覚えます。 とても静かなお寺です。 世界でも有数の観光都市である京都の中でも木屋町三条という繁華街にありながら、そのお寺は観光客で込み合うような場所というわけではありません。 その昔、豊臣秀吉公の命令により自害した関白秀次公と、その一族の子女を供養するためのお寺です。そこはかつて『畜生塚』と呼ばれた塚の跡にあります。 秀次公は秀吉公の跡を継いで関白となりながら、狼藉や謀反の疑いをかけられて、切腹の沙汰を受けました。 それだけでなく、39人も

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          美術展雑談『あやしい絵展』

          邪推でしょうか、思い過ごしでしょうか。東京展では展示されていた甲斐庄楠音さんの『畜生塚』が、なぜか大阪展にはありません。いえ、もちろん貸し出し期間の関係などのいわゆる大人の事情があってのことだとは思いますが、しかし作品のモチーフとなった秀吉公の命による京都三条河原の虐殺を思えば、大阪城公園に隣接する大阪歴史博物館での展示を控えるべきとの判断に到ったのではないかと想像してしまいます。 犠牲になった秀次公やその一族の鎮魂を願うなら、主催者がその絵を太閤のお膝元に運び入れることをた

          美術展雑談『あやしい絵展』

          ライブ雑談『岡崎体育さん』

          さいたまスーパーアリーナで悲願の口パクをやり遂げた男です。大した執念です。立身出世物語というよりは、ほぼ復讐劇です。そんなドラマを私も見届けたかったのですが、残念ながら参戦できませんでした。誰もが思うようにはなかなか生きられません。私も十六文キックでカミから順に蹴落としたりたい気分です。 岡崎体育さんの名前だけは結構前から知っていましたが、吉澤嘉代子さんに「パン買ってこい」とか言ってる調子いい兄ちゃん程度の認識でした。ブレイク前はミュージシャンではなく芸人だと思われていたり

          ライブ雑談『岡崎体育さん』

          美術展雑談『ロートレックとミュシャ パリ時代の10年』

          「パリは寒いときに行くといいよ。行ったことないけど」 高田純次さんの名言です。私も同感です。パリの冬は最高ですね。人々はみんなお洒落に着飾って、通りも建物も透き通るように澄んで美しいです。ええ、私も行ったことはありませんが。 そういうわけで、寒いので大阪のセーヌ河こと堂島川を渡って、大阪のルーブルこと中之島美術館へ行きました。開催されていたのは『ロートレックとミュシャ パリ時代の10年』です。 いまさらながらに感心するのは、ロートレックとミュシャが同時代に生き、そのポスター

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          映画雑談『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

          (ちょっとネタバレあります、ご注意ください) 鑑賞途中で『ワンダとダイヤと優しい奴ら』を思い出しました。ジェイミー・リー・カーティス(怪演!)が出演しているし、ワンコがひどい目に合うし、なによりあのゲロネタやソーセージの指でペチペチやり合うナンセンスぶりは、モンティ・パイソンを彷彿させてくれます。(ゲロネタといえば『キックアス』なんかもイケてますが、私としてはモンティ・パイソンの中でも最低映画として名高い『人生狂騒曲』を推したいです。) バースジャンプのトリガーとしてヘンな

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          ライブ雑談『カノエラナくん』

          猫の日には、カノエラナくんの『猫の逆襲』を歌うのです! 人間どもは、にゃんこにひれ伏すのです! マグロいっぱい食べたいぞー! にゃーごーにゃーごにゃーごー! 『虚構推理Season2』のオープニング曲『ヨトギバナシ』も好評な、カノエくん。大好きです。 バンドのライブもいいのだけれど、やっぱりカノエくんには半分路上ライブみたいな、飾り気のないギター一本の弾き語りがサマになっています。颯爽としたぼっち姿が似合う、唐津のオンナ。もう水野忠邦を抜いて、唐津の代表格です。今日もどこか

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          映画雑談『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』

          キャシー・ベイツがハンマーを振り下ろす映画も好きですが、ケイト・ウィンスレットが斧を振り下ろす映画も大好きです。あらためて大きなスクリーンで観ると、ローズはいい腕っぷしをしていましたね。4K/HFR、HDR、Atmos音響といった、実は私もよくわかっていない素晴らしい技術で強化されてあの船が帰ってきました。『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』は、最高でした。 DVDや動画サイト、テレビ放送などでお手軽に鑑賞できるようになったといえど、これほどの大作

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          漫画雑談『地獄楽』

          『チェンソーマン』(藤本タツキ先生)は、テレビアニメ1期目が終了。私の好きなレゼ編が待ち遠しいです。原作漫画の方では、最近アサもヨルも可愛らしく思えてきました。 『スパイファミリー』(遠藤達哉先生)はアニメ2期目が終了。原作漫画も絶好調ですね。みんなアーニャが大好きです。 『ダンダダン』(龍幸伸先生)は、アニメ化も待ったなしでしょう。超絶作画に想像の斜め上をゆく展開、ウケて当然です。 こんなにたくさんの良作がどんどん現れるなんて、本当に素晴らしい世の中になったと思います。 し

          漫画雑談『地獄楽』