共感覚の話~私の例~
ねこっちです。今日を含めたここ数日は精神的に不調で、先ほど今日の活動を本格的に始めました。
今日は寝ている時間が多かったですが、その分頭がクリアになってきました。少し気分を切り替えて、今日は私の特殊な感覚についてお話しできればと思います。
それは、「共感覚」についてです。
共感覚
突然ですが私は、音に味を感じる不思議な特性を持っています。私のASD(自閉症スペクトラム障害)としての特性は、いくつかは論理的に説明でき、いくつかは論理的に説明できないものですが、この「音に味を感じる」という特性は論理的な説明ができないものです。
この「音に味を感じる」という感覚は、学術用語として存在し、それは一般に「共感覚」と呼ばれています(正確には、「共感覚」の一種です)。
共感覚には様々なものがあり、例えば「数字に性格を感じる」と言ったものや、「音に色を感じる」と言ったものもあるようです。このうち私は、「音に味を感じる」という共感覚と、すこしだけ「音に景色を感じる」というものをもっているようです。
今回は私の持つ2つの共感覚「音に味を感じる」と「音に景色を感じる」のうち、「音に味を感じる」ほうをクローズアップしてお話していきたいと思います。
「音に味を感じる」違和感の始まり
私がまだ幼かったころ、私は次のようなことを母に言いました。
これを聞いた母は戸惑っていました。「この子は何を言っているんだろう」と。「そんなこと言うのは世界であなただけかもよ」とも言われました。
私も不思議でした。あまりにもこの感覚を鮮明に持っているので、ほかの人はこのように感じないというのが信じられなかったからです。
しかしその後も、様々な「言葉と味」のリンクが私の中で見つかり、母や父に言ってみたのですが、母も父も、首をかしげました。父には「何を変なこと言ってるだ!」と怒られたような記憶もあります。
私の中に確かに存在する、「言葉と味」の結びつく感覚。これに「共感覚」という名前がついていると知ったのは、それから数年後のことでした。
「共感覚」との出会い
はじめに「言葉と味」の不思議な結びつきを自覚してから数年後の、2015年ごろのことでした。私は、以下のインターネットのサイトで次のような記述を偶然見つけました。
「これだ!」と思いました。このとき、このサイトに書いてあった「共感覚」という単語をメモし、興奮とともに検索してみました。
すると、同じような体験をしている人が数多くいることを知り、私は「自分の言っていたことは変ではなかったのだ!」という強い安心感を覚えました。
私の、この謎の感覚は、共感覚だったんだ!と、得体のしれない大きな獲物を捕らえたような満足感と安心感がありました。
「音に味を感じる」具体例
ここでは、私がどのように「音に味を感じ」ているのかを、具体例を挙げて紹介しようと思います。ここでは具体的な商品名を書きます。
「ます」:天然鮭フレーク(小林商店)をご飯にかけた「鮭ご飯」の味。
「もらう」:のりたま(丸美屋)をご飯に混ぜた「のりたまご飯」の味。
「一般」「方程式」「定理」「項」:チーズチキンカツの味。
→なお、「一般」「方程式」「項」は湿ったチキンカツで、「定理」はやや乾いたチキンカツの味です。
「グラム」「C(シー)」:シーフードヌードル(SEIYU「みなさまのお墨付き」シリーズ、および日清食品CUP NOODLEの「あっさりおいしいシーフードヌードル」のいずれか)
「国語」:中華スープ(クノール)の味。
「万」:チーズケーキの味。
「枚(まい)」:チップスター(ヤマザキビスケット)のうすしお味。
「学問」「質問」:焼いておいしい絹厚揚げ(相模屋)を煮た「厚揚げの煮物」の味。
「食(しょく)」:炊き立ての米飯の味。
「テスト」:トーストの味。
「ド」「楽しい」「ペン」:オールドファッション(ミスタードーナツ)の味。
「しい」「宝」:マグヌードルのシーフード味(日清食品)の味。
「もの」:ゆうげ(永谷園)の味。
「レ」「高台」:アンパンマンミニパックカレー ポークあまくち(永谷園)の味。
「ま」:納豆ご飯の味。
「わけ」:牛肉コロッケの味。
今思い出したものではこのくらいです。ほかにも様々なものがあると思いますが、挙げきれないのでこのあたりにします。
最後に:楽しい共感覚
長い間、この共感覚を不思議に感じてきた私ですが、今はこれを楽しんでいます。例えば、数学の授業で「方程式」という言葉が出てくると、チーズチキンカツの味を感じ、それが食べたくなります。その後にチーズチキンカツを買って食べると、その授業を受けなかった場合と比べて格段においしいのです。
ほかにも、言葉や音で味を感じるので、言葉を聞くだけでそれを食べたような感じになり、満足感も出てきます。
私は、「音に味を感じる」この共感覚をもっていてよかったです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ねこっち
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