私はあまり生野菜が好きではありません。

正確にいうと嫌いなのではありません。
家でわざわざレタスを買ってまで食べたいとは思わないし、蒸したり茹でたりして味付けした方が美味しく野菜を食べられると思っているだけです。

でも、なぜ旅や合宿から帰った後の野菜はあんなに染みるのでしょうか。

高校の頃、大した進学校でもないのに先生たちが空回りするように勉強させようとする時期がありました。

その一環が勉強合宿。
受験生でもないのに10時間ほど缶詰にされてひたすらに勉強をさせられるのです。

やる気が出ないと何もする気が起きない私は、チラチラと答えをみながらうまいこと課題を埋めていたことを今でも覚えています。

なんと言っても私にとってかなり屈辱だったのが食事。揚げ物ばかりで胃はもたれ、頼むからもう家に帰してくれと1日目から発狂しそうでした。

社会性のない私は4日目の最終日を迎えた頃にはへとへと。母のお迎えの車が来た途端「美味しい野菜が食べたい」と呟きました。

母は近所にあったカプリチョーザへ直行。シーフードサラダにトマトとニンニクのパスタ、ライスコロッケをとりわけてくれました。

一口食べた瞬間、フレッシュなサニーレタスが私の疲れた胃を癒します。ボイルされたイカやツナがアクセントに。こんな美味しいサラダは食べたことがありません。

ちなみに言うとこのメニューのラインナップは毎度お馴染み。食べ慣れているはずなのに、これまでにない感動と「野菜は体に欠かせないのか」そう思う瞬間を味わったのは後にも先にもあの日だけです。

それからというもの、旅の終わりにはカプリチョーザへ行きたくなります。

#今こんな気分