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ジャスパー・ジョーンズへのインタビュー記事 その7(最後)

ジャスパー・ジョーンズのインタービューの日本語訳のラストです。次回はこのインタービューの私の考察を書きたいと思います。

前回(その6)

DSはインタビュアーのDavid Sylvester、JJはJasper Johnsです。(※訳者注のカッコ内は私の勝手な解釈なので、参考程度に思って頂いた方が良いと思います。)

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intention involves such a small fragment of our consciousness and of our mind and of our life.
I personally would like to keep the painting in a state of 'shunning statement', so that one is left with the fact that one can experience individually as one pleases; that is, not to focus the attention in one way, but to leave the situation as a kind of actual thing, so that the experience of it is variable.
I would like it to be that.

DS:繰り返しあなたは提議に戻り、そしてそれを否定する、もしくはそこから離れますね。そうすることで、意図と即興が作用しあい、常にあなたの興味をひくものになる。言い換えれば、あなたの絶え間ない関心事は、肯定と否定、期待と現実の相互作用、物事が期待どおりに起こる度合いと物事が予期しないことが起こる度合い、ということでしょうか。

JJ:意図というのは私たちの心や生活の中にあるとても小さなカケラを意味するのではないでしょうか。絵は(芸術作品は)単に意図された声明よりも、実際の多くの経験を含むべきだと思います。 個人的には、絵を「声明から回避」した状態に保ち、見る一人一人が好きなように個別の体験ができるように、つまり、一方向に意識を向けさせるのではなく、その状況を一種の現実のものとして、その経験が変幻自在に変わるようにしたいのです。

DS:つまり、あなたの絵が仮に何か声明を出すならば、それは何も固定的なものはない、何も純粋ではない、何も単純ではないということですね。

JJ:そんなことを言いたくはないです。 それをそれのままにしておきたいのです。

おわり

考察編はこちら

-References-
-引用元-

Harrison, Charles. Wood, Paul.(2003). Jasper Johns (b. 1930) Interview with David Sylvester. Art in theory, 1900-2000:an anthology of changing ideas. 2nd ed. Blackwell Publishing, p.742

Johns, Jasper.(1959).Figure 4. The Art Institute of Chicago