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ジャスパー・ジョーンズへのインタビュー記事 その3

短いですが、その3です。ここにもとても興味深いジョーンズの思想が語られています。

前回(その2)

DSはインタビュアーのDavid Sylvester、JJはJasper Johnsです。(※訳者注のカッコ内は私の勝手な解釈なので、参考程度に思って頂いた方が良いと思います。)

my preference would be the mood of keeping your eyes open and looking, without any focussing, without any constricted viewpoint.

DS:ということは、絵が(芸術作品が)ある種の支配的な感情的な思想を持っていることを認識しているということですか。

JJ:感情的、視覚的、もしくは技術的に-どのようなアイデアであれ関心を寄せることによって新しい知覚は呼び覚まされるものです。それは見解であり、提案である。(※訳者注:決して支配するような、作品を見る人たちに対して一定の感情を押し付ける感覚ではない、という意味だと思います。)

DS:それでは絵は(芸術作品は)ある種の意向は持っていますか。

JJ:それは確かです。

DS:その意向は最初から目論んだようなものですか。それとも、そこから発展したものですか。

JJ:私は特定の意向に興味がないので、私の絵の中ではそれは発展した形だと思います。精神的な私の嗜好は、焦点を合わせずに視点を狭めずにあなたの(作品を見る人の)目を見開きよく見てもらうことです。過去のものとなってしまう絵(芸術作品)には特有の性質を持つ傾向にあると思います。すべてが同じ方向を向き取り返しがつかなくなることで、絵が(芸術作品が)零落してしまうのです。 行動において、エネルギーや論理などあなたがするすべてのことが形式を作ります。エネルギーは使い果たされがちで、形式は達成または完成される傾向にあります。そしてそれは意図したもの-またはそれで手を打ちたいもの-であるか、もしくは意図していなかったもののプロセスに巻き込まれてしまい、その状況から取り返しがつかないほど徹底的にやられたものしかありません。そうなってしまっては、その状況はそのまま放っておき、何か他の新しいことを始めなければいけません。

その4へつづく…

-References-
-引用元-

Harrison, Charles. Wood, Paul.(2003). Jasper Johns (b. 1930) Interview with David Sylvester. Art in theory, 1900-2000:an anthology of changing ideas. 2nd ed. Blackwell Publishing, p.739

Johns, Jasper.(1975–76).Scent. The Art Institute of Chicago