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思い出した思い出

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小さな頃から20代くらいまでの思い出を書いています。 ぎゅっとコンパクトにまとめてます。
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記事一覧

就活するポンポコリン

大学に入ってからの3年間、ぼーっとして過ごしていた。基本ずぼらでぐうたらな人間なので、自…

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ど田舎生まれJ-POP育ち

通っていた小学校では、朝の始業前と帰る前に、歌を歌う時間があった。 歌はクラスによって異…

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車とタバコと真梨子

小さい頃、車に乗ると必ず気分が悪くなった。 わが家の車は5人乗りで、運転席に父、助手席に母…

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北島三郎の息子 その2

「北島三郎の息子 その1」の続きです。 おじさんは話を続けた。 「俺はさ、親父が、おっと、…

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北島三郎の息子 その1

2人目が産まれて間もない頃、子連れで電車に乗った。右手には2歳の長女、抱っこひもの中には0…

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名残のスリッパ

実家は築80年ほどの古い建物だった。部屋はふすまで仕切られていて、廊下はなく、部屋は畳敷き…

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バキューム尾崎のトラウマ

小学校2年生のある日、友達と2人で下校していた。道を横断しようとすると、左からバキュームカーが来た。実家は大変のどかな所にあり、当時はまだ下水道整備の最中で私の家のトイレも汲み取り式だった。強烈な臭いをまき散らすその車を見かけると、子どもたちはみんな鼻をつまんで逃げるのがお約束だった。 私と友達は鼻をつまみつつ、立ち止まってバキュームカーが通り過ぎるのを待った。もうすぐ目の前を通過するそのとき、なぜか私は友達の手をつかんで道に飛び出した。 すんでのところで車は急ブレーキをかけ

帝王切開の風景 その1

次女は帝王切開で出産した。右の卵巣に嚢腫(のうしゅ)と呼ばれる良性の腫瘍があったので、赤子…

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帝王切開の風景 その2

「帝王切開の風景 その1」 の続きです。 なんとか麻酔に成功し、胸から下の感覚がなくなっ…

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そんたく部

中学生の頃、バスケ部に入っていた。顧問は40歳位の巨漢の男性教師で、試合でミスをした選手に…

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ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために

就職して4か月ほど経った頃、声が出なくなった。声帯にポリープができていた。実家に戻り手術…

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祖母の悲しい夢

4年前、祖母が亡くなった。88歳だった。70歳位までの祖母は、自分にも周りにも厳しい人だった…

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マクドナルドの思い出1

高校生の頃、マクドナルドでバイトをしていた。あるとき、目つきの悪い男の集団が店に来た。明…

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素朴な疑問

18のとき、オーストラリアを旅行した。親友が留学中で現地の家庭にホームステイしていたので、そこに2日ほどおじゃました。 その家には7才位の女の子がいた。浅黒い肌にぱっちりした黒い目がかわいい子であった。とても人懐こく、親友にはもちろん、私にも積極的に話しかけてくれて、私は片言の英語でコミュニケーションを取っていた。 一緒に過ごしている間、彼女が私の顔をじーっと見つめていることがあった。何度か視線を感じたので、なあに?と目で問いかけると、彼女は言った(もちろん英語で)。 「カナ