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オーナーシップと離陸

臨床と研究を両立させようと苦心していると、共通項を見つけて括ってしまうと少し解像度が上がることがあります。"オーナーシップ"もキーワードの一つかなと思っていて、一般的には個人が与えられた職務やミッションに対して主体性を持ち、取り組む姿勢やマインド、を指します。

具体的に臨床と研究で考えてみます。
臨床
・様々な技術/経験を積む段階、最終的な責任や決定権は上司にある(=初期研修医/医学生)
・病棟管理/手術などにおいて治療方針の決定権が自分にある(=後期研修医/指導医)
研究
・研究室や主任研究者の描くビジョンに沿った研究を、方法論や作法を学びながら実行する(=大学院生)
・自分の描くビジョンを形にするために、研究費を獲得したり、研究員を募集したり、他の研究室と共同研究を組んだりする(=主任研究者)

オーナーシップの面では初期研修医/学生、大学院生 << 後期研修医/指導医、主任研究者ですね。ただ最初からオーナーシップの大きいポジションを得ることは一般的ではないですし、オーナーシップの小さいポジションにいる下積み期間は型を覚えることも重要で日々の仕事を凡庸に感じたりもするわけです。

そこで、個人的に心掛けているのは、オーナーシップの小さいポジションにいる間にオーナーシップを持つ経験にチャレンジすることです。
私の場合、臨床では入院患者の病棟管理を全て担当したり、研究では起案した研究計画書で倫理審査を通して研究費を獲得し、研究代表者になってみる、ことがチャレンジでした。勿論、病棟管理にお粗末な点があったり、研究計画がやや朧げであったりしたのですが、それぞれ上司が素晴らしい機会を与えてくれました。実際にオーナーシップを持ってみると、自分が決定権を持ってプロジェクトを動かすことができる、という自己効力感が上がり、面白さを見出すことができました。また次の段階の視座が持てたり、解像度が上がったことも幸いでした。

金・時間・やりがいという3要素だとやりがいに最もニュアンスが近くなるのでやや時代錯誤ですが笑、働き方改革でシフト業務や交代制が徹底されると、オーナーシップを持つ(持たせてもらう)機会が少なくなると思います。その為、如何にして自分なりにオーナーシップを持つチャンスを得るかが重要になってくると思います。

これは臨床や研究のみならず、起業する、団体を設立する、何か活動を企画して運営する、など規模の大小、内容の幅広さに関わらず共通していることかなと思います。

生意気なことばかり書きましたが、私自身も今のポジションから少し背伸びしたチャレンジをしようと準備している段階です。4-5月で何とか操縦席に座って離陸し、低空飛行ながらもゴール目指して飛行し続けたいと考えています。一度離陸してしまえばもう墜落しないように漕ぎ続けるしかないので。鳥人間コンテストは本当に学ぶことが多いですね。

型を身に付けることに集中しつつも、凡人なりに小さいチャレンジから一つずつ積み重ねて行きたいですね。



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