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茹で(ゆで)ガエルになってしまうか、ファーストペンギンになるか—変革できなくなった、日本の学校教育「横並び主義」が招いてしまった弊害

おはようございます。
就活モチスキゼミの山内康義です。

GW明けの仕事はじめです。
「やったるぞ!」と意欲をみなぎらせて取り掛かりましょう!
皆さんの多くが、それぞれ「やらなければいけない」ことや
「難局を乗り越えないといけない」ことが山積していると思います。

ぜひとも、
積極思考で一つひとつ、片づけていけば、
成長し、成果をあげて、
新しいステージの風景が見えてくることを信じて進めていきましょう。

今日5月8日(月)の紙面で着目することは、オピニオン欄「核心」特集の「ゆでがえるは目覚めるか」(原田亮介論説主幹)です。

冒頭「日本経済が長期停滞を脱するチャンスを迎えた。
30年ぶりの大幅賃上げと設備投資意欲の高まりに、縮小均衡を続けてきた
企業行動の変化がみえる。背中を押すのは人口減少の加速がもたらす
「永遠の人材難」である。座して待つ姿から例えられた"茹(ゆ)でがえる"は目覚めたのか。」と題して論じます。

「賃金の停滞や低調な設備投資、生産性の低迷――。
経済同友会代表幹事だった小林喜光氏は2019年に「危機感なき茹でガエル日本」と題した著書で危機感の薄い政治、経済に警鐘を鳴らした。」ことを
引き合いに出して、日本の「茹でガエル状態」を検証している。

ちなみに「「茹でガエル状態」(=茹でガエルの法則)とは、カエルが気持ちよく浸かっている水を沸かしていくと、徐々に温度が上がり、カエルは茹であがる死の危険が迫っているにもかかわらず、気づかない様を表しています。
つまり、変化がゆるやかなために気がつかず、気づいたときには手遅れになっている、という状況を表わす言葉です。
米国の文化人類学者のグレゴリー・ベイトソンが初めて寓話として発表しました。

経済同友会代表幹事だった小林喜光氏は、
いま世界中を覆っている三つの大変革、
●グローバル化
●デジタル化(AI化)
●ソーシャル化 
を積極的に日本は推進するよう主張しています。

日本はこの大変革のうねりに翻弄され、課題に対応できないまま、
他国につけられた差がさらに広がりつつある。
改革を先導し行動する経営者の集団として、

経済同友会は
2018年12月に「Japan2.0 最適化社会の設計―モノからコト、
そしてココロへ―
」という提言を行ったことから
「茹でガエル状態」を引用しています。

本題に戻ると、原田主幹は
結 論:来年の春闘でも大幅賃上げが続くことが重要だ。
    大幅な設備投資をしながら、積極行動で変革すべし。

理 由:バブル崩壊以降、多くの企業は固定費を抑えるため、正社員の賃上 
    げを抑制し、人員の自然減も容認してきた。
    非正規社員の活用で代替してきたのだ。
    トップライン(売上高)を増やすより、ボトムライン(最終損益)  
     の黒字にこだわり、設備投資にも慎重だった。

    縮小均衡の経営を維持する一方で、年次主義や組織階層を守ってき
    たために雇用の流動性が乏しく、IT(情報技術)革命による業務改
    革も遅々として進まなかった。

変革策:実際、日本企業は設備投資を積極化している。
    日銀の3月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、
    23年度投資は当初計画としては異例に高い3.9%増(全規模・全産
    業)で84年度の調査開始以来最高だった。
    22年度計画も11.4%増と、過去20年の基調が大きく変わった。

    中身は半導体や電気自動車(EV)、脱炭素関連、米中対立をにらむ
    生産拠点の再編など多岐にわたるが、デジタルトランスフォーメー
    ション(DX)や省力化が大きな柱だ。

    中小企業も投資に積極的で日本商工会議所の調査では最多の目的は
    「能力増強/省力化・合理化」だった。

    経団連の十倉雅和会長は4月の官民フォーラムで、民間設備投資に
    ついて27年度に115兆円超の投資目標を掲げ、23年度の政府見通し
    (103兆5千億円)をさらに上積みする覚悟を示した。

    企業が成長を確信すれば超低金利の借り入れで投資を増やし、
    積極経営に転じるはずで、その予兆もある。
    企業部門は長く貯蓄超過が続き「もうけをため込みすぎ」と批判さ
    れてきたが、昨年10~12月に2四半期連続で投資超過(季節調整
    値)に転じた。

リスク:楽観はできない。1つはコロナ禍後の一時的な追い風が企業心理を
    強気にしている可能性がある。抑えてきた支出が膨らむリベンジ
    消費は、いずれ勢いが鈍るだろう。

    2つ目は海外景気の急変のリスクである。
    08年のリーマン・ショックでは、円高と世界同時不況で輸出が
    大きく落ち込み、景気は冷え込んだ。
    3つ目は中高年が生産性の高い仕事にシフトできるかどうかだ。
    前出の山田氏は「ボリュームゾーンは40代後半から。
    彼らが失業したり、うまく働けなかったりすると人材供給はもっと
    減り、賃金も下がる」と心配する。

結 びそれでもリスクに挑まなければ茹でがえるに逆戻りだ。
    日本政策投資銀行による企業トップの聞き取り調査にこんな回答が
    あった。
    「日本企業は高いコストを払ってファーストペンギンにな
    ろうとしない」(素材メーカー)。
    カエルは勇敢なペンギンに変身できるだろうか。

変革とはDXの定義にでも出てきますが
意識改革、業務改革、制度改革、組織改革を同時並行に断行して、
成果を生み出し続ける状態にしなければならないということです。

最も難しい問題は「意識改革」です。
私がITコンサルタントとして、クライアントのベストパートナーになり、
協働して変革に動く際に、一番難しかったことは「意識改革」です。

「失われた30年」は私および私達世代の反省も込めて、政治・経済をリードしてきたトップ・ミドル層が手をこまねいていた訳ではありませんが、
結果として「茹でガエル状態」にしてしまったことです。

トップから現場まで意識を変えて、動かそうとして結局「茹でガエル状態」に逆戻りしてしまう原因は、何でしょうか?
私が一番痛感するのは、日本人の「横並び主義」です。

企業において、
危機的状況を変えるために個人が行動を起こすには勇気が必要です。

よく日本人は「出る杭は打たれる」「空気を読む」など、周囲への同調圧力が強い文化があります。

強い同調圧力のなかにいると、状況を変えるための挑戦やアクションを起こすことは難しくなります。

この日本文化を醸成してしまったのは「横並び主義」ではないでしょうか?
そこには、日本の高度経済成長時代の要請に応じた学校教育の影響は大きかったと考えます。

運動会では
歩調を合わせて、横一列に後進することを教えて、クラスでは、自分の意見は考え・説明しようとせず、皆に同調しようとすることを是認してしまったのです。
2000年に入り世界が「組織で動く時代」「同じ製品(モノ)を選ぶ時代」から「個の時代」「オリジナル性(コト)を選ぶ時代に日本はついていけなかったのが真相でしょう。
風土が「変革」を阻んだのではなく、「ついていけなかった」と考えます。

ここはひとつ、
同一の「横並び」価値観による「モノ」から変革(イノベーション)による未来を開拓する「コト」へ、

そして、皆さん、自分の考えを編み出して、積極思考、積極行動で持続的成長の「意味」を探求して参りましょう。

※日経新聞に感謝。
日経新聞電子版を購読することをおすすめします。
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ご精読、どうもありがとうございます。
毎日コツコツ進めていきましょう!
就活モチスキゼミコーチ 山内康義

1.「核心」 ゆでがえるは目覚めたか 論説主幹 原田亮介

2023/5/8付日本経済新聞 朝刊

<リード文>
日本経済が長期停滞を脱するチャンスを迎えた。
30年ぶりの大幅賃上げと設備投資意欲の高まりに、縮小均衡を続けてきた企業行動の変化がみえる。
背中を押すのは人口減少の加速がもたらす「永遠の人材難」である。
座して待つ姿から例えられた"茹(ゆ)でがえる"は目覚めたのか。(中略)

<引用>
それでもリスクに挑まなければ茹でがえるに逆戻りだ。
日本政策投資銀行による企業トップの聞き取り調査にこんな回答があった。「日本企業は高いコストを払ってファーストペンギンになろうとしない」(素材メーカー)。
カエルは勇敢なペンギンに変身できるだろうか。

2.経済教室 人口知能と社会(上)「仕事」の再定義必須に中川裕志・理化学研究所チームリーダー

2023/5/8付 日本経済新聞 朝刊

<リード文>

人工知能(AI)が職を奪う話は繰り返し現れる。
2013年、英オックスフォード大学のカール・フレイ氏とマイケル・オズボーン氏が、米国では労働人口にして4割以上の仕事が機械すなわちAIに取って代わられるという予想を発表し、衝撃を与えた。

すでに起きた、AIが人間の仕事を奪った事例がある。
米金融大手ゴールドマン・サックスのニューヨーク本社では、
00年のピーク時に600人いたトレーダーが17年に2人になった。

そのかなりの人数がヘッジファンドに流れたそうだが、
そこでも大きな貢献はできていないという。

<引用>
一方、データを用いた市場の数学的分析やトレーダー用のソフト開発といった新たな分野で、多くの人が雇用されている。

AIはもちろんのこと、技術やビジネスの変化に応じて、消える仕事、出現する仕事は変わるものだ。
さて、目下話題になっている、チャットGPTなどのテキストを対象にした生成AIが、人間の仕事を奪うかという問題について考えてみたい。

生成AIは、人間のように文書を理解しているわけではない。
まず、極めて膨大な言語データから、ある単語や言い回しの間の関係を捉えることができる「トランスフォーマー」と呼ばれる深層学習の手法を駆使して大規模言語モデルをつくる。
これを用いて、質問に対して関連する文書を組み合わせ、適切な回答を生成している。

いくら言語データが膨大でも、書かれていないことを質問されることもある。大規模言語モデルは多少なりと関連した文を多数探し出してきて切り貼りし、つじつまが合うような回答をつくれる。
ただしこれは関連性による処理なので、昨今問題視されている的外れな回答や、間違いも多い。

使っている言語データが大きくなるほど間違いは減り、質の良い回答を出すと期待される。この考え方は10年以上前から知られていたが、計算機の速度向上で、大規模言語モデルのパラメーター(最適化の程度を決める設定)が初期の1億2500万から1750億に拡大したことで、チャットGPTのような性能が出せるようになった。

生成AIは強力だが、このまま言語データを大きくし、パラメーターの数を増やすだけで状況や文脈を全てカバーできるかは疑問が残る。
あくまで関連性を用いているので、許容できないレベルの回答もしばしば目にする。仕事で使う場合には、その正否を判定できる人間がチェックする必要がある。

チェックには、正確な知識、かつ仕事の目的を状況に応じて正しく解釈する柔軟性が必須だ。
漫然とルーチンワークをしていたような人は、一見知的な仕事をしていたように見えても、このようなチェックはできず、仕事を奪われる。(中略)

<引用>
例えば、社内生成AIが不十分な回答しか出せないときは、問題点を公開生成AIに質問をし、その答えを社内生成AIに与えて回答を洗練することを繰り返す方法などが考えられる。
技術的にはまだ不確定だが、可能性はある。

そしてこのような社内生成AIと公開生成AIを接続したハイブリッド型の生成AIができれば、総務、経理、営業、製造に至るまで、企業内の文書処理はほとんど自動化できる。現在、企業活動の大きな部分を占めている文書処理の仕事は、ごく少数の従業員で行えるだろう。

よって、新たに記述すべき新規なアイデアを出せる人以外は、不要になるかもしれない。これは、最初に述べたゴールドマンが600人のトレーダーを2人に減らしたのと同じことが種々の企業で起きる可能性を示唆する。

企業など組織において、定型以外の仕事とは何かを模索する時代に入ることを予感させる。この段階でAIをどう使うのか、倫理的な問題を含め、まだまだ手探りの状態である。

なかがわ・ひろし 53年生まれ。東京大博士(工学)。専門は人工知能、人工知能倫理、プライバシー保護

<ポイント>
○身体感覚も知性獲得の重要な要素になる
○定型的な業務はほぼAIに置き換え可能
○内部データとの連動で格段の能力向上に

3.池上彰の大岡山通信若者たちへ(328)立志プロジェクト(上)AI時代の人の洞察重要

2023/5/8付 日本経済新聞 朝刊

<リード文>
4月、東京工業大学の新入生に「良き問いを立てる」というテーマでオンライン講演をしました。

私が所属するリベラルアーツ研究教育院が2016年に始めた
「東工大立志プロジェクト」の一環です。


今回も私がトップバッターです。
全国の新入生にも学びのヒントになればと思います。

東工大の新入生は複数の有識者、専門家の講演を聞いた後、各教室に分かれて小グループをつくり、気づいたことや考えたことを出し合います。
頭の中を整理しながら自分の言葉で伝えます。

また、自分と異なる相手の思いや価値観を知り、互いに刺激を受ける効果もあるのです。(中略)

<引用>
そこで、私もチャットGPTを使ってある実験をしてみました。
まず、尋ねてみたのは
「なぜロシアはウクライナに軍事侵攻したのですか」。
すると見事な答えが返ってきました。

これまでの専門家の発言や様々な解説などの情報をコンパクトにまとめ、
答えを返してくれたのです。

続いて、「どうしたら停戦に持ち込めるか」
「どうしたら戦争をやめられるか」と質問を投げかけてみました。
残念ながら、これまでの情報をもとに未来への答えを見つけることは、
現時点では苦手のようです。
つまり、ロシアに軍事侵攻をやめさせるという問いを考えられるのは人間なのです。(中略)

<引用>
恐らく、いま使われている最先端のAIの技術水準は数年後にはもっと進化しているでしょう。AIの研究開発に携わっているとすれば、技術開発にも増して、人間に対する深い洞察力が求められてくるのです「人間とは果たしてどんなものなのか」ということを考え抜かねばなりません。

つまり、それこそがリベラルアーツの学びといえるのです。
自らの人生のために良き問いを立て、その答えを求め続ける姿勢は、
理工系学生だけでなく文系学生にも大事な経験になります。
なかには正解の無い問いもあるかもしれません。

だからこそ幅広い知識を学び、教養として身につける姿勢が欠かせないのです。その積み重ねに終わりはありません。


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