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読後感想 横断歩道の呪い/末吉宏臣さん

「ブンガクフリマ28ヨウ」の3篇目は末吉宏臣さんの「呪い」という、ちょっと物騒な言葉の入った短編小説。

途中まで読んで、私が想像したのは

主人公の僕が、異世界へ転生して数々の試練に出会い、生き抜いていく中で、転生前の現在の暮らし、月曜の憂鬱、ずる休みの誘惑、さえも懐かしく思い出すという、アニメのような展開だった。

予想に反し、この物語は真正面からの優しい呪いを語ったお話だった。電車で読むとダメなタイプ。

ふと、谷川俊太郎さんの「かないくん」を思い出す。

絵本作家の祖父が、小学生の頃に亡くなった同級生のことを思い、絵本を書き始めたというお話。
孫娘である主人公はラストで「始まった」と思う。

ひとの記憶だけの存在になったとき、それは始まりなのかも知れない。
この物語のエンディングも、はじまりなのかも知れないと思った。

絵本になると素敵だなと思ったお話。